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速報!七支刀、展示期間延長決定!!

あの「七支刀(しちしとう)」が、展示期間が延長され、5月12日(日)まで観られるようになった!!

七支刀
国宝 七支刀
古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
[展示期間:5月12日(日)まで]


当初は5月6日(月・休)までの展示予定だったが、奈良・石上神宮の森正光宮司の格別なるご配慮により実現したのだ。
この刀剣がどれほど貴重なものか説明しよう。

教科書でもお馴染みの「七支刀」。
この名は忘れても、その独特の形を示せば、多くの方が「ああ、あれか!」と、ピンとくるはずだろう。それほど有名な刀剣だ。
しかし、実物が展示されることはほとんどない。それは、この刀剣がご神体にも匹敵するものだからなのだ。

七支刀 展示風景

この刀剣には、表裏合わせて61文字が金象嵌されている(彫った文字の上に金がのせられている)。
その銘文の解釈には諸説あるが、大意はざっと以下のとおりだ。
「泰和(太和に通じる)4年の吉日に上質の鉄で七支刀を造った。
この刀は多くの敵兵を退ける力があり、侯王にふさわしい。未だこのような刀は百済にはなかった。
百済王・・・(中略)・・・倭王のために造り、後世に伝えられるように。」

これにより、この刀剣が中国・東晋の太和4年(369)に制作され、百済王から倭王に贈られたことが推測される。
「七支刀」は、日本の古代史のみならず当時の東アジア情勢を考えるうえでもきわめて貴重な史料なのだ。
この機会を見逃すなかれ!

並み居る敵を退ける七支刀のパワーを、あなたももらいに来ないか!!

第5室 展示風景
「七支刀」は、第五章 伝世の名品の中盤に展示されている。

カテゴリ:研究員のイチオシnews考古2013年度の特別展

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posted by 井上洋一(学芸企画課長) at 2013年04月23日 (火)