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1089ブログ

博物館の仕事って? インターンシップ始動!

博物館を「職場」として考えたことのある方はいらっしゃいますか?
博物館で働いている私も、よく「何をしているの?」「監視員をしているの?」と聞かれます。
中学生や高校生からインタビューを受けると、やはり「作品を扱う研究」「展示室の監視」以外の仕事は注目されていないように感じることもしばしば。
実際、どんな仕事があり、どんな人たちが働いているのか、想像しづらいのかもしれませんし、将来の職業を考えたときに「博物館職員」を思い浮かべたことがない、といわれてしまったことも・・・
今後は博物館の仕事のご紹介もしていけたら、と思っていますが、まずは皆さんに「インターンシップ」をご紹介します。

インターンシップとは、博物館職員を目指す学生に向けて、博物館がどんなところなのか、どんな仕事をしているのかを知り、学習意欲や職業意識を高めてもらうための就労体験プログラムです。
今年もその活動が始まりました。

では、いったいどんな活動をしているのでしょうか?
たとえば教育普及室のインターン生は・・・
実際にお客様とふれ合いながら、ワークショップの補助をします。
インターン生でなければ、ファミリーや小中高校生向けプログラムに参加する機会もありません。
なによりインターン生にとってはお客様の声を直接聞くことができる、とても貴重な機会でもあるのではないでしょうか。


アクティビティ補助のインターン生
スクールプログラムで行ったアクティビティの補助をする教育普及室インターン生

もちろんこのほかに、ワークショップで使うものの準備、アンケート集計、分析などもしながら、博物館のいま、と向き合ってもらいます。
そのうえで各自の活動最終日には「トーハクでどんな教育プログラムを行いたいか」を発表します。
博物館教育課の職員が生徒役としてワークショップ案のデモンストレーションをしたり、スクールプログラムの新たなコースの提案であったり。
いろいろなアイディアは私たちにとっても刺激となります。

プログラム提案発表をするインターン生
インターン生の発表風景。考古展示室でのプログラムを提案してくれました。

他の部署でも、講演会の補助や、展示関連資料の作成、展示や保存の現場の見学など様ざまな仕事を行っています。

たとえば広報室。
インターン生は広報室職員と、トーハクの顔であるユリちゃん、トーハクくんに見守られて博物館ニュースの校正、ウェブサイトの更新、チラシやポスターの管理や掲示など多岐にわたる業務に挑戦していきます。

広報室のインターン生
いろいろな仕事を見て、知って、できるだけ体験してみてください!

そして年度末、インターンシップの課程を修了した学生に対し、館長から修了証を授与します。

インターン修了式
平成館大講堂でひとりひとりに修了証が授与されます。
お疲れさま!でも送り出す私たちとしてはちょっと寂しい日でもあります。


博物館の裏側にまわり、いろいろな仕事を知り、「こんなことまで!でもいろいろな仕事があって、はじめて展示ができて、はじめてお客様をお迎えできるんですね」という感想も。
いつか博物館職員になりたい、という夢を叶えてくれることでしょう。
実際に夢を叶えたひとは何人もいます。

東京国立博物館のインターンシップは、毎年4回に分けて募集、選考し、10~30日間、受入部署の業務補助というかたちで活動しています。
今年はあと2回、選考が残っています。
我こそは!と思う学生の皆さん、ご応募をお待ちしております。(募集要項はインターンシップのページをご覧ください。)
また、インターンシップの対象ではない中学生、高校生の皆さんには職場体験スクールプログラムがありますのでどうぞご利用下さい。

博物館も職場のひとつ。
そんな目で館内を歩いていただくと、きっといつもと違う博物館の姿が見えてくると思います。
 

カテゴリ:教育普及

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2012年08月25日 (土)