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1089ブログ

博物館に棲む妖怪─妖怪図鑑を作りました!

皆さん、妖怪はいると思いますか?

博物館には、いるんです。しかもたくさん!

2011年8月20日(土)、小学生のいるご家族10組を対象に、
ファミリーワークショップ「博物館できもだめし」が行われました。

まず、本館特別2室で行われている親と子のギャラリー
博物館できもだめし-妖怪、化け物 大集合-」(~2011年8月28日(日))の展示を見に行きます。

企画を担当した研究員の神辺さんが開口一番、
「皆さんの中で、妖怪はいると思う人、どのくらいいますか?」と質問。
なんとここで神辺さんは、自分の知り合いが見たことのある妖怪のエピソードを披露。
会場の雰囲気がぞ~っと冷えてきたところで、いよいよ作品鑑賞に入ります。

展示トーク

人間が使う道具が100年以上経って「付喪神(つくもがみ)」という妖怪に
変化してしまった姿を描く「百鬼夜行図」の模本を紹介。
灯台や高杯といった道具が妖怪になった様子がユーモラスに描かれています。

百鬼夜行図(模本)(部分) 狩野晴川院養信模 江戸時代・19世紀
百鬼夜行図(模本)(部分) 狩野晴川院養信模 江戸時代・19世紀

そして参加者の皆さんは、展示室で見た妖怪を参考に、
東博の展示室内にある作品が妖怪になったらどんなふうかを想像します。
自分で新しく考え出した妖怪を描き、皆が描いたページを集めて妖怪図鑑を作るのです。

熱心にスケッチ
熱心にスケッチ

東博の展示室には、作られてから100年以上が経ち、
「つくも神」になる資格がじゅうぶんにある作品ばかり。
あの作品が、この作品が、夜な夜な妖怪として博物館をさまよっていたら…
想像力が刺激されます!

展示室でスケッチした後は、筆ペンを使い、こわそうな妖怪を描きます。
妖怪の姿の横には、キャラクター設定やスペックなど、
その妖怪の情報も書き込みます(図鑑ですからね)。
「としは800さい」「おおきさ20めいとる」
「自分にふれた人の命をすいとってしまう妖怪」などなど…。

お父さん、お母さん、きょうだいと役割分担し、
絵を描く人、色を塗る人、説明の文章を書く人など、
協力して力作ができあがりました。

家族で共同作業

最後に、全員の前で、各ファミリーが考えた博物館の妖怪を発表しました。

発表

どれもユニークで、思いがけない発想に満ちた、こわくて楽しい妖怪ばかり。

ひとつご紹介します。

かまおおおばけ

こちらは巨大な茶釜の妖怪「かまおおおばけ」。
おなかの数字ボタンで電話をかけて人間をおびき寄せ、
足で人間をつかんで釜の中に引きずり込むんだそうです。
おなかの中には何人もの人がまだ入っているのが見えます。
事前に電話でアポをとるあたりが現代っ子らしい発想です。

夜の博物館にこんな妖怪たちがいたら、ぜひ物陰からこっそりのぞいてみたい…。
そんな気がする妖怪がたくさんつまった妖怪図鑑が出来上がりました。

最後に全ファミリーが書いたページを綴じ合わせ、
博物館の妖怪図鑑、出来上がり。
ファミリーに1冊ずつ、図鑑をプレゼントして解散となりました。

できあがった妖怪図鑑

皆さんも、博物館の展示室で目を凝らしてみたら、
つくも神となった妖怪が見えるかもしれませんよ。
ぜひ……

 

博物館できもだめし-妖怪、化け物 大集合-」(本館特別2室 2011年8月28日(日)まで)

列品解説「博物館の妖(あやかし)」 本館特別2室 2011年8月26日(金) 18:30 ~ 19:00

カテゴリ:教育普及

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posted by 藤田千織(教育普及室) at 2011年08月25日 (木)