上野の山でネズミめぐりでチュッ
5月15日(日) 国際博物館の日記念、三館園連携事業「上野の山でネズミめぐり」が開催されました。
動物をテーマに、恩賜上野動物園と国立科学博物館と東京国立博物館とが合同で行う「上野の山で○○めぐり」も今年で5回目。三館園それぞれの持ち味を生かした上野の山ならではの大人気イベントです。
朝9時、参加者、動物園に集合。薫風そよぐ澄んだ青空。完璧なネズミめぐり日和です。台東区ケーブルテレビさんの取材も入っています。私はトーハクでの解説を担当することになり、朝からずっと緊張していました。
参加者は、中学生から60代までかなり幅広い年齢層。ネズミ、老若男女を問わず人気のようです。
出発進行!まずは生きたネズミの観察。
大人気のパンダ舎には目もくれず、プレーリードッグを目指します。
解説は上野動物園の動物解説員 小泉祐里さん。
いつもながらおもしろく丁寧な解説。ネズミへのまなざしに愛を感じます。
穴に暮らすネズミ、オグロプレーリードッグ。ドッグという名前は泣き声が犬に似ているから。
でも、れっきとした齧歯目(げっしもく)リス科で、ネズミの仲間です。小さな前足でハムハムと草を食べる姿・・・癒されます。
木の上にカナダヤマアラシ発見!!
アップにしてみると・・・
こんなふう。ヤマアラシもネズミの仲間なのだそうです。
いよいよ実際にハツカネズミに触ってみます。
細い枝、太い枝、そして表面を加工した木材の上でどんなふうに動くのか、じっくり観察しました。
小さいのにかなりの握力。強い生命力を感じます。
次はかはくへ。解説は、動物研究部の川田伸一郎さんです。
ネズミ類の形と生態についてのお話です。「モグラ博士」として知られる川田さんですが、初めはネズミの研究をしていたそうです。
世の中の哺乳類およそ5500種のうち2300種がネズミの仲間だそう。は、半分も!?
ネズミの剥製。
川田さんが昔飼っていたネズミもあるとか・・・
かはくでのお話が終わると、楽しいランチタイム。
お弁当は上野のれん会さんに用意していただきました。ご協力に心から感謝申し上げます。
さて、いよいよ、トーハクです!
縄文時代から江戸時代までの日本美術の展示をめぐりながら日本人とネズミの関係を探します。
伝えたいことがちゃんと話せるか、みんな楽しんでくれるか、不安と緊張でかなりテンパってました。
ネズミと大根を描いた染付の大皿。ネズミと大根はセットで描かれることが多いのですが、そのわけは?
渾身のダジャレ「大黒鼠、ダイコクネズミ、ダイコンネズミ」・・・
染付大根鼠図大皿 江戸時代・19世紀 本館8室 暮らしの調度 で展示中(7月3日まで)
不発です。。。
気を取り直し、今回のメイン作品「鼠草子」の絵巻へ。
あらすじ説明に力が入ります。
鼠草子 江戸時代・18世紀 本館8室 書画の展開 で展示中(5月29日まで)
何か言うたびに語尾に「チュッ」とつける亭主のことを、なんだかへんだなあと思っていたお嫁さん。
はたして、亭主の正体は?
奇想天外なお話にお客さんも大笑い。
2時半、すべて終了しほっと一息。
参加者の方から、「トーハクに初めて来たけど面白かった」と言っていただけて本当に嬉しかったです!
動物園とかはくのスタッフの皆さん、来年はどの動物にします?
カテゴリ:教育普及
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posted by 神辺知加(教育講座室主任研究員) at 2011年05月17日 (火)