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4年ぶりの見返り美人

切手でもよく知られる菱川師宣(ひしかわもろのぶ)の「見返り美人図」が、現在本館10室で展示されています。
当館での公開は、実に約4年ぶりとなります。

筆者の菱川師宣(?~1694)は、安房(現在の千葉県)に生まれた浮世絵の祖といわれる人物です。
版本挿絵や肉筆画を手がけた師宣ですが、中でも特に有名なのが、この「見返り美人図」でしょう。

後ろ向きの女性がふっと顔を振り向かせるお馴染のポーズ。
この構図により、「玉結び」といわれる髪型や簪(かんざし)、桜や菊を散らした緋色の鮮やかな着物、そして「吉弥(きちや)結び」の帯までを見ることができるのです。
そんな元禄のお洒落なファッションにも、ぜひご注目ください。


元禄文化の風を今に伝える「見返り美人図」の公開は5月22日(日)まで。
この機会をぜひお見逃しなく。

ちなみに、師宣の作品は、特別展「写楽」でも展示中です。
写楽が鮮烈なデビューを果たした寛政6年(1794)は、菱川師宣が亡くなってちょうど百年後。
写楽展と本館10室を合わせて御覧いただくと、美人画や役者絵の流れをよりお楽しみいただけます。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ

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posted by 大橋美織(絵画・彫刻室) at 2011年05月02日 (月)