特別展「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝-」がいよいよ開幕!
一般公開に先立って、27日には報道内覧会・開会式が行われました。
修理後の「鳥獣戯画」が、東京では初披露となる本展覧会。
300人を超す報道関係者が集まり、その注目度の高さが伺えました。
同じく初公開となったリニューアル後の平成館企画展示室。
キャッチコピーである「鳥も 獣も 人間も ますますいきいき」どおり、
照明や展示ケースなどが改装された展示室内では、作品の魅力をよりいっそういきいきと感じとることができます。
報道内覧時に行われたギャラリートークでは、
国宝の「明恵上人坐像(樹上坐禅像)」や「華厳宗祖師絵伝 義湘絵」など、
「鳥獣戯画」だけではない本展覧会のもうひとつの魅力を
展覧会を担当した土屋研究員からご紹介しました。
「明恵上人坐像(樹上坐禅像)」には、明恵を樹上から見つめるリスが描かれています。
アナタは見つけられますか?
また、平成館前庭では、池を利用してパネルで再現された「鳥獣戯画 甲巻」の名場面がお客様をお迎えします。
通称「池ポチャ」。愛らしい姿に胸がキュンとします。
さらに、ラウンジ内には明恵が手元に置いて愛玩したとも言われる「子犬」のレプリカと記念撮影ができるコーナーも!
展覧会の記念に1枚!
さて、これだけ注目の展覧会ともなると、GW中も混雑は必至。
「行きたいけど、どのくらい待つのかしら?」と不安視される方も多いかもしれません。
来場前にどのくらい混んでいるか知りたい方は、ツイッターアカウント@chojugiga_uenoをチェック!
情報はリアルタイムで更新していますので、おでかけ前にご確認ください。
まだまだ見どころ満載!
「鳥獣戯画」だけを見に来ては非常にもったいない、そんな本展覧会をまるごと味わうポイントは、今後随時、1089ブログご紹介していきますのでどうぞお楽しみに!
カテゴリ:news、2015年度の特別展
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2015年04月28日 (火)
毎年恒例の「新指定展」。今年は何が出るのか、心待ちにされている方も多いのではないでしょうか。
今年も新たに彫刻2件が国宝に、また、絵画8件、彫刻7件、工芸品4件、書跡・典籍4件、古文書5件、考古資料6件、歴史資料9件の計46件が重要文化財の指定を受けることになりました。
特集「平成27年 新指定 国宝・重要文化財」(2015年4月21日(火)~5月10日(日) 本館8室・11室)にて、これら46件を展示します(写真パネルのみの展示含む)。
※絵画、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料は本館8室、彫刻は11室で展示します。
詳しくは、展示作品リストをご覧ください。
ここでは、国宝に指定された2件をはじめ、主な作品を紹介いたします。
国宝 木造虚空蔵菩薩立像 平安時代・9世紀 京都・醍醐寺蔵
当館に寄託されているので、展示室でご覧になったことがあるかもしれません。
これまでは聖観音菩薩立像とされていましたが、最近の研究で虚空蔵菩薩像として伝えられていたことがわかりました。
こうした新知見もふまえて国宝に指定されることになりました。
国宝 木造弥勒仏坐像 平安時代・9世紀 奈良・東大寺蔵
東大寺法華堂伝来の弥勒仏です。高さ39cmと小さな像とは思えない雄大な造形により「試みの大仏」(大仏を造るにあたっての試作品)とも呼ばれています。
平安時代前期の彫刻の名作として国宝に指定されました。
重要文化財 色絵竜田川文透彫反鉢 尾形乾山作 江戸時代・18世紀 神奈川・岡田美術館蔵
尾形乾山が得意とした反鉢といわれる器形の内外に、古くから紅葉の名所として和歌に詠まれてきた竜田川をモチーフに描いています。
乾山の色絵の代表作として貴重です。
重要文化財 法隆寺金堂壁画写真ガラス原板 昭和10年(1935) 奈良・法隆寺蔵
昭和10年(1935年)に、文部省法隆寺国宝保存事業部の事業として撮影された原寸大分割写真原版です。
後の模写作成の基礎資料として活用されるほど精緻で、高品質であるため、その学術的価値が評価されました。
後世に伝えるべく新たに加わった国民みんなの宝。
この機会に改めて日本の歴史や文化について、考えてみませんか。
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2015年04月21日 (火)
さる4月11日(土)、12日(日)、特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」関連イベントとして、「インドの仏とヨガ」が開催されました。12日(日)の回を取材しました。
ヨガは日本では2000年代以降に大きな広がりをみせ、教室などに通うヨガ人口は100万人を超えているといわれています。そのことは知識として、なんとなく知ってはいましたが、実際の様子を目の当たりにしたことはありません。恥ずかしながら、「ヨガ」と聞いて私がいつも連想していたのが、小学生のころTVで見ていた特撮ヒーローの「レインボーマン」。(主題歌の歌い出し、“インドの山奥で~修行して~♪”が印象的)ウルトラセブンの「太陽の光」、アイアンキングの「水」のように、レインボーマンにとっては、「睡眠」が活力源。エネルギーが切れると、強制的に「ヨガの眠り」が訪れます。主人公のヤマトタケシは、「眠っちゃダメだ・・」と睡魔に抗いながら、次の場面では定印結跏し、体を真っ白にして瞑想に入るのでした。
もちろん眠りではなく、心と体を活性化させるのがヨガ。とは知りつつ、今回が私にとっては初めて目にする機会で、ちょっとドキドキします。
時間は朝の8時15分からの1時間。参加者は女性ばかりかと勝手に思い込んでいたのですが、男性の方も結構いらっしゃいます。別室で着替えを済ませて、会場の表慶館エントランスホールに集合です。
講師は渡辺美保さん。会場では先生を前に、参加者の皆さんが色とりどりのマットを足下に集結しています。そして目の前には、インドの仏像。柱やタイルなど円形の空間の中に、さまざまなポーズをとりながらヨガを実践する皆さんの姿は、あたかも立体的な曼荼羅を見るかのようです。時おり先生の指導の声がホールに響き渡り、森厳な雰囲気をかもしだしていました。
講師の渡辺美保さん
立体曼荼羅のようです
参加者の皆さんたちは緩やかな動きで、ポーズをひとつひとつ決めていきます。呼吸と体の動きとの調和にたっぷりと時間が取られ、静かに時間が流れていきます。ヨガを行う皆さんの心に去来しているものは?それとも座禅のように、無心の境地? 最初は、1時間って結構長いのでは、と思っていたのですが、終わる頃には、むしろこのくらいの時間は必要なのだと納得しました。
「インドの仏」会場でのヨガ体験、いかがだったでしょうか。
みんなでポーズ!
特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」は5月17日(日)まで絶賛開催中。“空に架けたる虹のゆめ”-虹のように多彩なインドの仏たちが、会場でお待ちしています!
カテゴリ:催し物、2015年度の特別展
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posted by 伊藤信二(広報室長) at 2015年04月16日 (木)
ゴールデンウィークのお出かけは親と子のギャラリー「美術のくにの象めぐり」
桜の花も散り、緑まぶしい季節がやってまいりました。
年度も変わり、ゴールデンウィークのおでかけを計画されているご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。新学期を迎えたお子さんの博物館デビューはいかがですか?
4月7日(火)より開催中の親と子のギャラリー「美術のくにの象めぐり」(5月17日(日)まで、本館特別2室)はそんな親子づれにおススメの展示です。
この展示では、当館所蔵のいろいろな象を見ることができます。日本だけでなく中国、インド、インドネシア、カンボジアで作られた象たちは、日常品や儀式用の器など目的や用途によってさまざまな姿かたちをしています。
今日ご紹介するのは、本物の象を見たことがなかった日本人が、外国から伝わったお話をもとにイメージを膨らませて作った作品です。
中国風の建物と子どもたちをのせた象の香炉 東郷寿勝作 明治時代・19世紀
ヨーロッパに輸出するために日本で作られた香炉の象です。象の上にある建物にはたくさんの子どもがいます。ひもを使って象にぶらさがっている元気な子どもや屋根に座って音楽を演奏している子どももいます。そんな子どもたちを乗せて象はゆったりゆったり歩いているようです。ぶるんと振りあげた長い鼻と人間のように白目と黒目がはっきりしている大きな瞳が印象的です。
初世市川団十郎と山中平九郎の象引 鳥居清峯筆 江戸時代・19世紀
歌舞伎の「象引」という演目の一場面です。二人の力自慢の男にがっしりと掴まれ逆さまにされている動物が象です。ちいさな鼻はしわしわで、体つきや耳、足の爪の形がまるで大型犬のようです。
象を洗う人びとを描いた大皿 伊万里 江戸時代・18~19世紀
「象を洗う」というテーマは中国や日本の美術にときどき登場します。体を洗ってもらってこんなに嬉しそうな象はほかにいないのではないでしょうか。太い眉毛でにたりと笑うこの象は本当に気持ちよさそうです。
象の背中を掃く様子(上野動物園)
会場では、上野動物園の飼育員さんが象の背中を掃く様子、象に乗って歩く様子を撮影した映像を流しています。映像と作品を見比べて、展示作品の象と違う点、同じ点などさがしてみてください。
また、上野動物園から本物の象の歯と牙、象使いが象をしつけるときに使った笛の材料である牛科の動物の角と、手鉤(てかぎ)という道具もお借りしました。実は、展示している博物図鑑にも、象の歯と笛と手鉤が描かれています。博物図鑑とあわせて見てみてください。
会場の解説表示
会場の作品名や解説は、小学生にも読んでもらえるように平易な言葉づかいを心がけました。漢字にはふりがながついています。
お子さんと作品について会話しながら展示を楽しんでいただければ幸いです。
この展示に関連して、恩賜上野動物園と国立科学博物館と合同で国際博物館の日記念ツアー「上野の山でゾウめぐり」(5月17日(日)開催、対象小学校5年生から高校生)を行います。このツアーは、動物園で生物のゾウを観察し、かはくでゾウの骨格に触れ、トーハクで美術品を通してゾウと人との関わりを知る、上野の山ならではのイベントです。絶賛参加募集中!ぜひ下記のページからお申込みください(4月26日締切)。
「上野の山でゾウめぐり」申込ページ (上野動物園のWEBサイトにリンクします)
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posted by 神辺知加(教育講座室主任研究員) at 2015年04月10日 (金)
ハッピバースデー ディア おしゃか様~♪
トーハクくん???
ハッピバースデー トゥー ユー~♪
なあに? いきなりどうしたの?
今日、4月8日はおしゃか様の誕生日なんだほ!
ああ、灌仏会(かんぶつえ)ね。そういえば、特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インド仏 仏教美術の源流」の会場では、先着100名様にポストカードをプレゼントしていたわ。
緻密で美しい「仏伝『誕生』」のポストカード
ぼくはこれから表慶館に行くんだほ。バースデー記念に、「インドの仏」展を担当している小泉さんが、展覧会を案内してくれることになったんだほ!
トーハクくんだけなんて、ずるいじゃない!
もう約束しちゃったほ。行ってくるほー!(ダッシュ)
もー、トーハクくんってば!
ユリノキちゃんに怒られる前に表慶館にやってきたトーハクくん。
さて、どんな展覧会なのでしょう?
なお「インドのイム」ではありません。「仏」です
小泉かちょー! 今日はよろしくお願いします。
やあ、トーハクくん。よく来たね。
でも・・・実は「インドの仏教美術」って、よく知らないんだほ。わからないことだらけだほ。
まあ、そういう人は多いよね。
今回の展覧会、なにがそんなにスゴイんだほ?
やっぱり、バールフットの作品が見られることかな。完全にボクの趣味だけど、これを日本で見られるのはスゴイ!
バールフット???
古代初期を代表する仏教遺跡ね。
基本的にはコルカタ・インド博物館に行かないと見られないものだから、これがトーハクに来るなんて夢のようだよ!!
バールフットの作品は、最初の展示室に展示されています
バールフットの浮彫彫刻に前のめりな二人
※今日の小泉課長はテンション高めです
(大興奮なんだほ・・・)古代初期ってことは古いんだほ?
そうだね、紀元前2世紀頃のものだから・・・埴輪よりもざっと500年から600年は古いね。
!!!
バールフットの作品には、仏教美術の最初の造形が見てとれる。世界で最初の仏教美術、まさにここが源流だね。ボクなんかは、ズバリインドっぽい造形が魅力だと思っているよ。
あと、この作品にも感動しちゃったなー。
仏伝「出家踰城(しゅっけゆじょう)」
ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝・2世紀頃
しゅっけゆじょう・・・? む、むずかしいほ。
これは、出家を決意したシャカが住んでいた宮殿を抜け出した時の様子を表した作品だよ。
感動ポイントがわからないんだほ・・・。
そうだなぁ、教科書で見た作品を実際に見たときの感動に近いかなぁ。
というのはね、この作品はボクたち仏教美術を研究している者にとっては、超有名な作品なんだ。それほどの作品をトーハクで見られる日がくるなんて! しかも自分で展示しちゃったよ! これはもう感動するね。
仏教美術では有名だという本作品。お見逃しなく!
(ますます大興奮なんだほ・・・。)
他にも、お経はなかなかおもしろいと思うよ。獅子王が描かれた作品は、ストーリーがおもしろくて、ボクは好きなんだよね。
大乗荘厳宝王経(だいじょうしょうごんほうおうきょう)
バレンドラ・ブーミ派 14世紀頃
どんな物語なんだほ?
主人公の獅子王と彼が率いる隊商が嵐に遭って難破しちゃうのね。そこを童女たちが助けれてくれるんだけど、実は童女の正体は羅刹女(らせつにょ)という人喰いなんだ。それに気がついた獅子王たちは逃げ出そうとする訳なんだけど・・・。まあ、続きは展示室でのお楽しみにしておこうか。
羅刹女に食べられてしまった人のがい骨に、トーハクくんもびっくり!
展示室の解説パネルで、お経に描かれたストーリーを紹介しています
いやあ、女の人はこわいんだほ(しみじみ)。
トーハクくんもわかっているじゃない(しみじみ×2)。
それはさておき、解説パネルといえばこっちのパネルも見て欲しいな。
アミダくじ?
そうそう、「五護陀羅尼経(ごごだらにきょう)」に登場する如来と明妃(みょうひ)を、できるだけ身近に感じてもらいたくて、アミダくじにしてみたんだ。
トーハクくんはどれに当てはまる?
えーと、「やっぱり長生きしたい」、「虫にさされやすい」、「ヘビにかまれたくない」・・・(なかなか強引だほ)。
あ、「実は意志がヨワい」! これだほ!
たどっていくと・・・トーハクくんにふさわしいのは阿閦如来(あしゅくにょらい)だね。何事にも打ち勝つことを意味する印を結んでいるんだ。
あしゅく如来さん、よろしくっす! だほ。
楽しんでもらえて良かったよ。
いやー、実はお客様に引かれたらどうしようって内心ドキドキだったんだよね。でも、蓋を開けてみたら好評でほっとしたんだ。
ほかの解説パネルもわかりやすかったほ!
どうかな、展覧会のスゴさ、これでわかった?
ほー! インドの仏教美術おもしろいほー!
ずいぶんざっくりとまとめたね。
でも・・・でも・・・いろんな作品が登場しておもしろかったほ。
いまトーハクくんが言ったとおり、展覧会には時代を超えたいろんな作品が展示されているからこそ、仏教美術の流れをたどるができるんだ。
「仏教美術の源流」だほ!
そうなんだけど、何も仏教美術が単独で変化していったわけじゃないからね。その背後には仏教の変化、流れがあって、さらにその背景には社会のダイナミックな流れがあるんだよ。
それを、仏教美術を通じて知ることができるのも、この展覧会のスゴイところかな。
(いやはや、ずいぶん壮大な話になったもんだほ)
まあ、展覧会を通じて「インドの仏教美術」っておもしろいなって思ってもらえるのが一番かな。トーハクくんみたいにね。
小泉さん、今日は「インドの仏」展を案内してくれて、ありがほーございました。
帰る前に、ユリノキちゃんに何かおみやげを買っていくといいんじゃない? 何せ、女の人はこわいからね。
ほー・・・。
ポスターやグッズも話題の「インドの仏」展。
「ご来館を待ってるほー」
※くどいようですが「イム」ではありません。「仏」です
カテゴリ:研究員のイチオシ、2015年度の特別展
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posted by トーハクくん at 2015年04月08日 (水)