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学生証の提示で何度でも入館無料!キャンパスメンバーズ制度のススメ

突然ですが学生の皆様は、東京国立博物館のキャンパスメンバーズ制度をご存じでしょうか?


キャンパスメンバーズ制度では、キャンパスメンバーズ会員校に在籍する学生・教職員の皆様は、東博コレクション展(平常展)を何度でも無料で観覧することができます。

キャンパスメンバーズ制度 ポスタービジュアル
キャンパスメンバーズ制度 ポスター

東博コレクション展(平常展)の通常の観覧料は、一般1,000円、大学生500円ですが、キャンパスメンバーズ制度を利用すれば、会員校の学生・教職員の皆様は、観覧料を気にせずに、何度でも当館にお越しいただくことができます。

東博コレクション展では、構内にある5つの展示館で、日本やアジアの美術、考古作品を常時3,000件ご覧いただけます。教科書に出てきた作品にも出会えるかもしれません。
一部作品をのぞいて、撮影もできます。お気に入りの作品や場所を見つけたら、ぜひ写真を撮ってみてください。

「今日はちょっと時間があるから、東京国立博物館に行ってみよう」。
そんな気軽な使い方ができるのも、キャンパスメンバーズ制度の魅力です。

本館へ向かう来館者

また、会員校の学生の皆様は、一部の特別展を割引料金で見ることができます。
例えば、10月14日(水)から始まる開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」(平成館特別展示室、10月14日(水)~2026年12月6日(日))は、通常の当日料金1,300円(大学生)のところ、200円割引の1,100円で観覧できます。

さらに、9月29日(火)に開幕する特別展 内山晋コレクション受贈記念「歌川広重 江戸のベストアングル」(本館A室、9月29日(火)~12月20日(日))は、なんと、会員校の学生の皆様は、無料でご覧いただけます。
特別展を無料で観覧できる機会はそう多くはありません。この機会をぜひお見逃しなく。

通っている学校が対象校か、キャンパスメンバーズ会員校一覧でご確認ください

「無料なのはわかったけれど、入館手続きが複雑なのでは……?」
そう思った方も、ご安心ください。 利用方法もいたってシンプルです。
正門チケット売場(窓口)で、キャンパスメンバーズ会員校の学生・教職員であることをお申し出ください。学生証・教職員証をご掲示いただければ、観覧券をお渡しします。
そのあとは、受け取った観覧券を持って入口からご入館ください。
(注)正門にて金属探知機と手荷物検査によるセキュリティチェックを行っています。
また、キャリーケースの敷地内への持ち込みが不可となっていますのでご注意ください。

入館したら、何をするかは皆様次第です。
「推しの作品」に会いにいくも良し。
建物の造形美を楽しむも良し。
レストランやカフェ、TOHAKU茶館、キッチンカーでグルメを堪能するも良し。
ミュージアムショップでお気に入りグッズを探すも良し。
もちろん、目的なく気ままに館内を見てまわるのもおすすめです。

 

 

また、毎週金・土曜日、翌月曜日が祝・休日の場合の日曜日は、9時30分~20時00分まで開館しているので、授業やサークル活動の後にふらっと足を運んでいただくこともできます。

一度の来館で、すべてを見てまわる必要はありません。
「今日はこの作品だけ」「授業の空き時間にちょっとだけ」「友だちと一緒に」。
1人でじっくり楽しむのも、ご友人と訪れるのも、大歓迎です。
キャンパスメンバーズ制度を通して、当館をより身近に感じていただければと思います。

学生の今だからこそ使えるキャンパスメンバーズ制度。
ぜひご活用いただき、お気に入りの過ごし方を探してみてください。

会員校にて、特別展 内山晋コレクション受贈記念「歌川広重 江戸のベストアングル」のオリジナルステッカーを配布予定です!
見かけたらぜひ手に取ってみてください。 裏面の二次元コードからはキャンパスメンバーズ制度のウェブページへアクセスできるので、持ち歩きにもぴったりです。

当館のSNS公式アカウントでは、多様な最新情報を配信しています。
ぜひチェックしてみてください。
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・Facebook
・Instagram
・YouTube

カテゴリ:news、教育普及

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posted by 中嶋海文(広報室) at 2026年09月08日 (火)

 

見て触って学べる! 特集「親と子のギャラリ― 中尊寺のかざり」

建立900年 特別展「中尊寺金色堂」(2024年1月23日(火)~4月14日(日))と足並みをそろえて、特集「親と子のギャラリ― 中尊寺のかざり」(2024年1月23日(火) ~ 3月3日(日))が本館特別2室ではじまりました。
この特集は、子どもから大人までを対象に美術作品やそのつくり方に興味や関心を深めることを目的にしています。
今回は特別展にあわせ「中尊寺のかざり」をテーマにしました。
 
金色に光り輝く美しさで著名な中尊寺金色堂は「光堂」、「皆金色」とも形容されますが、その輝きに彩りを与えているのが、螺鈿(らでん)や金工の技法(つくり方)です。
今回の展示では、中尊寺に伝来する荘厳具(しょうごんぐ)や仏具を対象に螺鈿と金工のつくり方に注目して展示を構成しています。
 
展示品は復元模造品と制作工程見本が占めています。その意図は復元模造品や、制作工程見本だからこそわかることがたくさんあるからです。
復元模造品は制作にあたって制作対象と同じ材料や同じ技法で復元することによって、制作対象そのものを深く知ることができます。
また多くの調査分析、検討を踏まえて作られた復元模造品は制作当初の様子をよく表しています。
さらに制作工程見本は、制作にあたって使用される材料や道具、技法を時系列にそってより詳しく知ることができる利点があります。
 

螺鈿八角須弥壇(模造)
小西美術工藝社制作 平成4年(1992)
原品:平安時代・12世紀 木製漆塗 岩手・中尊寺大長寿院所蔵
*須弥壇の側面には、蓮の花にのる迦陵頻伽、その周りを飾る雀や孔雀などが、金工や螺鈿の技術(つくり方)で表現されています。

螺鈿工程見本
小西美術工藝社制作 平成4年(1992)
原品:平安時代・12世紀 木製漆塗 岩手・中尊寺大長寿院所蔵
*丹精込めて作られた様子は工程数にも表れています。
今回の展示に合わせて新たに中尊寺金色堂の須弥壇を飾る孔雀の制作工程見本とハンズオンを作成しました。
実寸大の孔雀の制作工程見本は、制作道具と一緒に展示しています。
また孔雀を留める敷板の大きさは須弥壇の区画と同じ大きさに揃えたので、須弥壇の大きさを想像しながらご覧いただければと思います。
 

中尊寺金色堂内観

今回の制作対象となった中央壇の格狭間に飾られた孔雀(赤枠拡大図)
展示風景
*材料の銅から完成まで8工程で孔雀の制作工程を展示しています
 
また中尊寺と同時代の獅子螺鈿鞍を例にあげ、「漆の飾り 螺鈿」というタイトルで螺鈿のつくり方(制作工程)を示す動画と触察ツールを作成しました。
動画は手話入り日本語版と英語版を上映し、触察ツールは日本語と英語に加えて点字でも解説を用意しています。
制作が進むにつれて現れる獅子の姿とともに輝きをましていく螺鈿、見て触れてお楽しみいただければと思います。 
 
重要文化財 獅子螺鈿鞍 平安~鎌倉時代・12~13世紀 嘉納治五郎氏寄贈 東京国立博物館蔵


動画「漆の飾り 螺鈿」
 
触察ツール「漆のかざり 螺鈿」
 
この展示を楽しむために、仏さまを飾るもよう探しのリーフレットを用意しました。
もようの役割や意味を学びながら、この特集展示や特別展「中尊寺金色堂」はもちろんのこと、本館1階11室の彫刻や2階1室・3室の仏教の美術の展示をご覧になる際にもご活用いただければと思います。
 
 

リーフレット「仏さまをかざるものたち」

この特集の意図は多くの方が中尊寺のかざりに興味や関心をもつきっかけをつくること。
オンラインでも一部楽しめますが、ぜひ会場で体感いただければと思います。
本特集の会期は特別展より1か月短い3月3日(日)までです。みなさん、お見逃しのないように。
 

カテゴリ:教育普及、特集・特別公開、工芸、「中尊寺金色堂」

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posted by 品川 欣也(教育普及室) at 2024年02月16日 (金)

 

東博ボランティアデー、盛会のうちに終了しました!

コロナ禍の中断を経て昨年再開したボランティアデー、今年は12月2日(土)・3日(日)に行われました。
ボランティア募集説明会と活動紹介ツアー、そして、ボランティア自主グループによる様々なガイドツアーやスライドトークを、この2日間に凝縮して実施しました。
来年度の東京国立博物館ボランティア(以下、トーハクボランティア)募集中のため、ボランティアの活動に興味のある方々にたくさんご参加いただきました。


トーハクくんがお出迎え

トーハク職員による募集説明会
募集説明会では、トーハクボランティアの活動内容や応募時の注意点などをご説明しました。
「ボランティア」のイメージは人それぞれ。
館によって、組織によって、ボランティアの考え方や活動のあり方は少しずつ異なります。
そこで、ボランティア室長と室員から「トーハクのボランティア」の考え方・特徴をお話ししました。


ボランティア募集説明会の様子

現役ボランティアと一緒にまわる活動紹介ツアー
トーハクボランティアは、本館19室のみどりのライオンや、東洋館オアシスなどの体験コーナーのサポートや、本館エントランスや17室でのご案内を基本的な活動として行っています。
それらの活動場所を現役ボランティアとともにめぐり、実際の活動の様子を見てもらったり、活動についてのお話を聞いたりしました。
今年の紹介ツアーは大盛況でした。ご参加の皆様も楽しみ、ボランティア活動により関心を深めていただけていたら幸いです。


活動紹介ツアーの様子

自主企画ガイドグループ、大活躍!
トーハクボランティアには16の自主企画ガイドグループがあります。この2日間で全16グループが、ガイドツアーやスライドトーク、ワークショップを実施しました。
晴天にも恵まれ、多くの方にご参加いただきました。コロナ禍を経て、再開されたばかりのガイドツアーもあります。もしかしたらご参加の人数が多く、作品が見えにくいことや声が聴きづらいこともあったかもしれません。
しかし、参加者の皆様からは、おおむね好意的なご意見をいただきました。ボランティアの地道な準備と活動が報われた、貴重な2日間でした。


たてもの散歩ツアー

樹木ツアー

庭園茶室ツアー

英語ガイド

法隆寺宝物館ガイド

アートスタジオ(勾玉づくり)

九条館でのお茶会

東洋館ツアー

考古展示室ガイド


大講堂でのスライドトーク
自主企画ガイドグループの内、本館内のガイドを日本語で行う6つのグループ(彫刻ガイド、陶磁ガイド、浮世絵ガイド、本館ハイライトツアー、近代の美術ガイド、刀剣・武士の装いツアー)は、平成館大講堂にてスライドトークを行いました。
各グループが、スライドを使って、総合文化展に現在展示されている作品の中で、おすすめ作品をご紹介しました。
本館内ガイドグループの作品への熱い思いが、参加者の方にも伝わったのか、終了後は展示室に向かう方やボランティア募集のパンフレットを手に取る方も多数いらっしゃいました。

大講堂でのスライドトークの様子


おわりに
ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。
通常、トーハクボランティアは、お客様の案内や体験のサポートをしています。また、自主企画グループでは、この2日間に行ったガイドツアーやスライドトークを実施しておりますので、当館ウェブサイトの催し物ページをチェックしていただけたらうれしいです。
トーハクボランティアとの出会いが、トーハクでの皆様の博物館体験をより豊かにしてくれるはずです。来館の折には、ボランティアの活動にもご注目ください!

 

カテゴリ:教育普及

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posted by 田辺可奈(ボランティア室) at 2023年12月15日 (金)

 

特集「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」みどころ(2) 担当室員が選ぶおすすめ作品

現在開催中の特集「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」(平成館企画展室にて2023年6月4日まで)について、前回のブログ「特集『親と子のギャラリー 尾・しっぽ』みどころ(1) 三館園のコラボ展示! 裏側ストーリー」では、恩賜上野動物園(動物園)と国立科学博物館(科博)との連携企画のことや、そこから特別出品に至るまでの裏側ヒストリー、展示中の標本の注目ポイントについてお伝えしました。

今回は、この展示を担当する教育講座室の室員から、それぞれが選ぶおすすめ(推し)東博作品をご紹介します。
展示構成を考えるときも、室員のアイディアを出し合って作品選定にあたりました。
さて、どんな推し作品、鑑賞ポイントが飛び出すでしょうか…。

推し作品 その1:「豹の図」
うねうねとした、動きをなぞりたくなるしっぽに目が釘付けです。
この絵をみていると、豹のしっぽはこんなふうに曲がるの? 生きた豹をみて描いた? それとも毛皮や標本を参考にした? なかの骨の形が知りたい!
などと興味が尽きません。連携企画を経て、描かれたしっぽの動きや内部にまで想像が及び何度でもみてしまいます。(教育講座室事務補佐員・三野有香子)

 


(展示の様子)

(部分)

豹の図 河鍋暁斎筆 江戸時代・万延元年(1860)


推し作品 その2:「彦根更紗 白地栗鼠葡萄文様更紗」
インドの染物「更紗」にはたくさんの動物が登場しますが、この作品にはブドウとリスが、多産を示すおめでたいテーマとして組み合わされています。先日の動物園の解説員小泉さんのお話で初めて知ったこと、それは…リスのしっぽはクルンと丸まったかわいい印象がありますが、それは止まっているときだけで、走るときは必ずピン! と伸ばしているのだそうです。実際に作品をよくみると…本当にそうなっていますね!(教育講座室長・金井裕子)


(全体図)

(部分)

彦根更紗 白地栗鼠葡萄文様更紗 インド 井伊家伝来 江戸時代・19世紀


推し作品 その3:「蓑亀水滴」
科博の研究員川田さんのお話によると「水を泳ぐと尾が長くなる」傾向にあるらしいのですが、この「蓑」は藻や苔なので身体の一部ではありません。この蓑を被ることで、果たして亀は泳ぎやすくなるのか…ぜひ本人(亀)に聞いてみたいところです。牛のような耳も相まって、どこか浮世離れした体躯が個人的にツボです。(教育講座室アソシエイトフェロー・山本桃子)


(展示の様子 斜め俯瞰)

(展示の様子 横から)

蓑亀水滴 江戸時代・18〜19世紀 渡邊豊太郎氏・渡邊誠之氏寄贈


推し作品 その4:「青花魚跳龍門香炉」
鯉が、龍門と呼ばれる激流を上って龍になろうとしている一場面をあらわしたやきものです。この鯉は、すでに顔が龍になりかかっていて、ぐっと曲げて力のこもった尾からは「あと一息」の緊張感がみなぎり、見えない激しい川の流れも感じられるようです。ちょっと寸胴の体はどこかコミカルでもあり、観ると思わず笑みがこぼれ、応援したくなります。(教育講座室研究員・横山梓)


青花魚跳龍門香炉 中国・景徳鎮窯 明時代・17世紀 横河民輔氏寄贈(展示の様子)


…いかがだったでしょうか? どれか気になる一作はありましたか。

去る5月14日に、合同企画のメインイベントである「上野の山で動物めぐり 尾・しっぽ」を開催しました(注)。
室員のコメントにも出てきますが、動物園や科博の方のお話しも踏まえて、あらためて東博の展示品を観てみると、いままでとちょっと違った視点で気がつくことも多くありました。
(注)このイベントの様子は、都立動物園公式ホームページZooネットの記事、またYouTubeのオンライン配信でどなたでもご覧いただけます)
都立動物園公式ホームページZooネットへ移動する
YouTube 都立公園開園150周年記念企画 国際博物館の日記念「上野の山で動物めぐり──動物の『尾・しっぽ』」へ移動する

今回はとくに、尾(しっぽ)という、動物の後ろ側から注目するという、いつもとは逆方向からの作品へのアプローチになるところがポイントなのではないかなと思います。

展示室で、「いままで意識していなかった」「そうか、こんな見方があったんだ!」というような、新たな発見や気づきがあれば、企画冥利に尽きる限りです。
ぜひお楽しみください。

 

カテゴリ:教育普及、特集・特別公開

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posted by 横山梓(教育講座室) at 2023年05月30日 (火)

 

特集「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」みどころ(1) 三館園のコラボ展示! 裏側ストーリー

こんにちは。教育講座室の横山です。
現在、平成館企画展示室では特集展示「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」を開催中です(2023年6月4日まで)。


平成館企画展示室入口の様子

なかを覗くと、東博の作品と一緒に、ちょっと珍しい展示品が…

え? これは何?


動物実物標本(ヤマアラシの尾、棘) 恩賜上野動物園蔵

動物実物標本(キリンの尾、キツネの尾、ヤマアラシの尾)」 恩賜上野動物園蔵


きゃ! これは誰?


骨格標本(クモザル) 国立科学博物館蔵
 


これらはいずれも、恩賜上野動物園(動物園)や国立科学博物館(科博)からの借用品で、この展示にあわせて特別に出品をしていただいたものです。

そもそものお話しになりますが、この展示は、動物園、科博との合同で開催してきた「上野の山で動物めぐり」というイベントの一環です。
毎年三館園で動物に関する共通のテーマを設定して各園館をめぐるツアーを実施し(注)、当館ではそれに関連した館蔵品をご紹介しています。

合同企画自体は2007年に始まり、今年が16回目となるロングランイベントです。
企画の誕生秘話、過去の内容など詳細については、かつての本展担当者(現デザイン室主任研究員・神辺知加)によるYouTube動画がありますので、ぜひそちらをぜひご覧ください。
 【オンライン月例講演会】6月(2021)「『上野の山で動物めぐり』の裏側をめぐる」神辺研究員(デザイン室)を見る
(注)以前はツアー形式でしたが、コロナ禍となった2021年度からはオンラインの形式となっています

さて、今回のテーマ(「尾・しっぽ」)は、昨年の夏ごろに三館園の担当者の打ち合わせで決定しました。
テーマ設定は、毎年悩ましくも肝心な、この企画の最初の重要課題です。
人気の動物、面白い動物をぜひ取り上げたいところですが、それが必ずしも当館の所蔵品とうまく折り合い、特集展示を組めるとは限りません。
上野といえばやはりパンダ! といきたいところですが、残念ながら当館の作品でパンダ特集をするのは難しい…といったことがあります。

そうした理由から、近年は特定の動物にとらわれず、「ツノ」「うごき」「翼と羽」といった、動物の部位や動作に注目するテーマとして、話題にする動物の種類も多様に、横断的に取り上げるようにしてきました。

こうしてあれこれと議論しながら新たに決まったのが、「尾・しっぽ」です。
私たち人間にはない特別な部位だからこそ、そこに注目したらきっと面白い発見があるのではないか。そんな意見でまとまりました。

テーマが決まると、話題も一気に広がります。
科博の研究者・川田伸一郎さん(動物研究部 脊椎動物研究グループ主幹)からは、こんな発言がありました。
「一般的には、しっぽの先まで骨がつながっているっていうイメージが意外と少ないんですよね。」

動物園の解説員・小泉祐里さんからは、
「しっぽの役割にも、いろいろなものがありますね。虫を払う、バランスをとる、つかむ、威嚇する…。クモザルはしっぽが『第五の手足』のような動きをします。」

これを受けて、当館も、
「龍のような空想上の動物の尾は、博物館ならではトピックスとして面白い見せ方ができるかもしれません。」

といった具合で、各専門の視点からそれぞれの見方が提示され、打ち合わせはいつしかレクチャーのような充実した時間となって、一同企画への熱がこもっていきました。

 


オンラインでの打ち合わせの様子(左から動物園・小泉さん、東博スタッフ、科博・川田さん)



オンラインでの打ち合わせの様子(上から動物園・小泉さん、東博スタッフ、科博・川田さん)



というわけで、冒頭にご紹介した標本たちは、こうした打ち合わせ内容を経て、当館に展示される運びとなりました。
東博館蔵品だけではなかなか伝わりにくい、尾(しっぽ)の機能や役割について、ぜひ注目してもらう機会にしたいと考えています。

あらためて展示室でじっくり注目すると、骨格標本からは、クモザルのしっぽは確かに先端まで小さな骨がつながっていること、さらに骨はやや平たい形で、木の枝につかまりやすくなっていることがわかります。


骨格標本(クモザル) しっぽの部分

また実物標本のほうでは、クモザルの尾の外側には毛が生えているのに内側には毛はなく、すべりどめのような機能をもっていることも見えてきます。


動物実物標本(クモザル) しっぽの先

こうした標本を間近で見比べられることはなかなかないと思います。
ぜひこの機会に、東博の展示室でご覧ください。

(みどころ(2) 担当室員が選ぶおすすめ作品 に続く…)

カテゴリ:教育普及、特集・特別公開

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posted by 横山梓(教育講座室) at 2023年05月23日 (火)

 

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