2015年10月のリニューアル以来、平成館考古展示室の顔として展示されていた国宝「埴輪 挂甲の武人」が大修理に入ります。この修理について、トーハクくんとユリノキちゃんが迫ります!
国宝 埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀
埴輪で唯一国宝に指定されている、「埴輪 挂甲の武人」が7月2日(日)で考古展示室を去り、本格解体修理に入るのよ。
ということはしばらく会えないんだほ…。
文化財の宿命で、どうしても経年による劣化は避けられないの。
もともと下半身が大きく欠けていたのを、前回の修理(※1)の際に、石膏で復元されましたが、経年により劣化が進んでいます(黄色が復元箇所)
前回の修理で接合した箇所は、長年の加重により緩んできています
今回の修理は、2年以上もかけて行う大がかりなものなのよ。
修理前の調査は6か月かかるので、昨年度からすでに始まっているの。
何をそんなに調査するんだほ?壊れているところを直せばいいんだほ。
ただ直すことだけ考えるのではなく、この次の修理も見据えて、オリジナルの部分に負担にならない方法で行うことも重要なの。だから、挂甲の武人さんが今どんな状態にあるのか、詳しく調べないと!
次の修理まで考えているなんてすごいほー。
当然お金もたくさん必要になるんだけど、なんとご寄付(※2)をいただけたの!
ほー!?それはとってもありがたいほー。
修理完了は2019年6月末の予定よ。埴輪担当の研究員は修理が完了したらできるだけ早く展示するって言っていたわ。
挂甲の武人さん、しばらく会えないのはさみしいけど、元気になって戻ってくるのを待っているほ!
※1 当館の収蔵品になった昭和27年(1952)以降修理の記録は無いため、それ以前に行われたと考えられます
※2 バンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトからの助成(トーハクでは、国宝 「檜図屏風」 (狩野永徳筆)、国宝 「鷹見泉石像」 (渡辺崋山筆)に続く3件目となります)
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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2017年06月17日 (土)
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年05月27日 (土)
東京国立博物館では、9月12日(火)~11月26日(日)、表慶館にて「フランス人間国宝展」を開催します。
日本には重要無形文化財に指定されている伝統工芸の最高の技術者に与えられる称号として、通称「人間国宝」というものがありますが、フランスの文化・通信省では、これにならい1994年、フランスの伝統技術の継承者に対し、人間国宝(メートル・ダール〈Maître d’Art〉)という制度を創設しました。
その「メートル・ダール」の認定を受けた13名の作家と、メートル・ダールにまだ認定はされていないものの、それにふさわしい創作活動をしている作家2名の、合計15名の工芸作家による革、鼈甲、羽細工、傘、扇、壁紙など珠玉の作品、およそ 200件を紹介する海外初の展覧会です。
日傘 イシス ミシェル・ウルトー 2013年 個人蔵
©Greg GONZALES
扇 ホワイト・ウェディング シルヴァン・ル・グエン 2008年 個人蔵
©Stephen Jackson
5月17日(水)、開催に先立ちご後援いただいているフランス大使館の大使公邸にて、報道発表会を行ないました。
フランス大使公邸の報道発表会場。たくさんのメディアの方にお集まりいただきました。
当日は、駐日フランス特命全権大使 ティエリー・ダナ閣下、また主催者を代表して井上洋一 東京国立博物館副館長からの挨拶のあと、本展を監修いただいたキュレーターのエレーヌ・ケルマシュテール氏から見どころについてご紹介いただきました。
ティエリー・ダナ駐日フランス大使
井上洋一 東京国立博物館副館長
映像を使いながら見どころを解説するエレーヌ・ケルマシュテール氏
報道発表会では、本展に出品される世界的に著名な陶芸作家、ジャン・ジレル氏の作品のフォトセッションも行われました。
展示会場は明治末期の洋風建築を代表する建物として重要文化財にも指定されている表慶館。展示空間をデザインするのは世界的にも注目されている建築家、リナ・ゴットメ氏。どんな展示空間となるのかも見どころです。
フランス伝統工芸という至福の芸術世界を堪能できる「フランス人間国宝展」、皆様どうぞお楽しみに!
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posted by 武田卓(広報室) at 2017年05月19日 (金)
特別展「茶の湯」(4月11日[火]~6月4日[日])は、5月2日(火)に10万人目のお客様をお迎えしました。
多くのお客様にご来館いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、千葉県市川市よりお越しの伊田理絵さん。
この日は、着付け教室の先生と生徒さんの4人でご来館くださいました。
さすが、皆様、お着物がよく似合っていらっしゃいます。
特別展「茶の湯」10万人セレモニー
5月2日(火)平成館エントランスにて
伊田さん(写真右から3番目)には、当館館長の銭谷眞美(写真右から2番目)より、記念品として展覧会図録と本展オリジナルTシャツを贈呈しました。
着物には、天目の斑紋のような文様を表現した「天目染め」という技法があるそうで、「天目の茶碗を見てみましょう、という先生のご発案で来ました」とのこと。
「茶の湯のお道具を扱った展覧会は初めてで、興味があります」とお話しくださいました。
それもそのはず、茶の湯をテーマにした大規模な展覧会は実に37年ぶり!
20代の伊田さんが初めてとおっしゃるのも当然のことなのです。
それほどに貴重な機会である特別展「茶の湯」。
どうぞお見逃しのないように!
なお、本展に着物でご来館された方は、当日料金の100円引きとなる「きもの割」を実施しています。
着物の似合う展覧会、しかも暑すぎず寒すぎず、良い季節です。
お着物をお持ちの方、ぜひ本展にお出かけになりませんか?
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年05月03日 (水)
お耳の早い仏像ファンの間では既に話題となっていましたが、興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」をトーハクで開催します(9月26日〔火〕~11月26日〔日〕)。
4月20日(木)には報道発表会を開催し、今までベールに包まれていた展覧会の詳細をご紹介しました。
興福寺は運慶とゆかりの深いお寺。
報道発表会では興福寺の多川貫首よりご挨拶をいただきました
「この展覧会で運慶のすばらしさを伝えたい」と語る浅見研究員
本展は興福寺中金堂再建記念事業として企画したもので、同寺所蔵作品をはじめ、京都、和歌山、愛知、静岡、神奈川など、各地から運慶の作品が出陳されることが、報道発表会で明らかに。
国宝 毘沙門天立像
運慶作 鎌倉時代・文治2年(1186)
静岡・願成就院蔵
写真:六田知弘
重文 聖観音菩薩立像
運慶・湛慶作 鎌倉時代・正治3年(1201)頃
愛知・瀧山寺蔵
写真:六田知弘
「写実性」「姿の美しさ」「いきいきとした表情」とは、本展担当の浅見研究員が語る運慶作品の魅力。
特別展「運慶」は、その圧倒的な造形を余すことなくご覧いただける展覧会です。
さらに、運慶の父・康慶(こうけい)、息子・湛慶(たんけい)と康弁(こうべん)の作品もあわせて展示することで、運慶の登場前夜から次世代への継承までもがたどれるという、スケールの大きさ!
まさに、史上最大の運慶展です。
国宝 天燈鬼立像(右)・龍燈鬼立像(左)
康弁作 鎌倉時代・建保3年(1215)
奈良・興福寺蔵
写真:六田知弘
こうして本展の見どころを知れば知るほど期待が高まりますが、開幕は約5ヵ月先のこと。
それまで「仏欲」が抑えきれない! という人、あるいはこの期間を利用して予習をしたい! という人、「運慶学園」に入学しませんか?
報道発表会の行われた4月20日に「運慶学園」も開校!
手芸部部長の篠原ともえさんも意気込み十分です
「運慶学園」は、豪華講師陣が授業、部活を通してさまざまな視点から運慶の魅力をお伝えする運慶ファンクラブサイトです。
運慶について知りたい人は授業から、もっと身近に運慶の魅力を感じたい人は部活から。
それぞれの興味にあわせて、学園生活をスタートできます。
運慶に関する知識レベルをチェックするため、入学試験も設けられています。
早速、トーハクくんとユリノキちゃんが入試に挑戦しました。
結果は…
ユリノキちゃんは余裕の「特待生」。さすがですね。
手芸部でアクセサリー作りに挑戦してみたいです。
一方のトーハクくんは「もっとがんばりましょう」。
いろんな授業を受けて、開幕までにユリノキちゃんを追いこしてみせるほ!
入学試験の受験者には、壁紙としてお使いいただけるWEB学生証をプレゼントしています。
また、本展覧会ではさまざまな特別前売券をご用意しています。
グッズ付き、レクチャー付きなど、特典いろいろの前売券。
早いものは発売間近。今のうちにチェックして、どうぞお買い逃しのないように!
こういったお楽しみ企画も充実していますが、もちろん展覧会自体も充実した内容となるよう、日々準備を進めています。
どうぞご期待ください。
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年04月28日 (金)