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140周年ありがとうブログ

守ってきた人、守ってゆく人に、ありがとう

広報室の小島と申します。
東京国立博物館はクジラの居るところ(実際は国立科学博物館)。平成館以外の建物は倉庫か何かだ。
と言う私の友人の間違いをひとつひとつ正していく、地道な草の根活動をしております。

トーハクを代表する建物は、やはり本館です。
この日本美術の殿堂では頻繁に展示替えをしているので、「常設展」ではなく「総合文化展」という名称で呼ばれています。
現代のお客様、そして何百年も後に見にいらっしゃるお客様のため、作品を守りながら展示をする。という、
一瞬矛盾しているようにも聞こえる難しいことを実現すべく、研究員は日々頑張っています。
ということを多くの方に知っていただけるように、取材のセッティングをするのも広報室の仕事のひとつです。


保存修復課長の取材の様子を撮影する新聞社の記者。の様子を撮影しました。

展示だけでなく、保管や修復も博物館の大切な事業のひとつです。
今まで文化財を大事に守ってくれた方々と、これから守り続けてゆく方々に、心からの有難うを伝えたいと思います。


2012年「博物館に初もうで」ポスターのカメラテスト用の一枚。本番はもちろん、中谷美紀さんにご出演いただきました。
(この後広報室では、中谷さんのポスターとこの写真を並べられ、ひどい仕打ちを受けました…。)
さあ、2013年のポスターはどうなるでしょうか!乞うご期待!

カテゴリ:2012年10月

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posted by 小島佳(広報室) at 2012年10月15日 (月)

 

トーハクの小さな自然にありがとう

トーハクのチケット販売を担当させていただいております、吉田です。
私が初めてトーハクでチケットを販売したのは、1999年にドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が日本に来た時でした。
券売所の前にはチケットを買う人であふれ、こんなに大勢の人達が博物館にいらっしゃるのかと大変驚きました。

それから13年がたって、諸外国、全国各地、地元からたくさんの方々にご来館いただきました。
暑い日も寒い日も、また特別展の入場規制のために長時間お待ちいただいた日もありました。
今までご来館していただいたすべての方にありがとう。


チケット販売風景

現在、多種の割引やクレジットカード等の普及により、チケットの購入方法も多様化してきました。
これからもお客様にわかりやすく、より良い対応を心掛けていきたいと思います。

トーハクと言えば、本館前の「ゆりの木」が有名ですが、西側売札所裏に大きな「スダジイ」の木があります。
これから秋になると小さなドングリの実をたくさんつけ、それを雀がついばみに寄ってきます。
そんな小さな自然に和ませてもらいながら、仕事させていただいています。
トーハクの自然にもありがとう。

これからも自然に包まれたトーハクに足を運んでみてください。


おすすめ休憩スポット「スダジイの前」で

カテゴリ:2012年10月

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posted by 吉田牧子(チケット販売) at 2012年10月12日 (金)

 

仕事と職場の皆にありがとう

こんにちは。はじめまして。

保存修復課保存修復室の米倉と申します。
私は保存修理技術者として、収蔵品が今より少しでも傷まないように維持、保存してゆくためのお仕事をさせていただいております。
私が現在取り組んでいるものは、展示用書見台の製作です。
「それって修理や保存とは関係ないのでは?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが実は大切な仕事なのです。

展示中の収蔵品は結構過酷な状況に置かれています。
お客様に見やすく、美術的価値が損なわれないような状態で展示することは重要です。
しかし長期間となると、デリケートなものにとっては負担になることもあります。

そこで、収蔵品の受けるストレスを可能な限り軽減させるために、書見台などの展示装置が役に立ちます。
負担のかかる箇所を的確にサポートできるように1ミリ単位でサイズを計測して作製します。
お客様の鑑賞の妨げにならないように、デザインにも気を付けます。材料も収蔵品に直接触れても安全なものを使用します。


書見台製作中

これは我々保存修復課の活動のほんの一端ではありますが、このように「公開」と「保存」を両立させることは、博物館の中における私たちの仕事の重要な部分です。
私はトーハクでこの仕事をやらせていただいている事がとても幸せです。
やりがいを感じますし、何より皆と一緒に仕事ができる事に喜びを感じております。
そんな気持ちで仕事ができるのも、こんな私をいつも支えてくださる職場の皆さんのおかげです。
この場をお借りして「仕事と職場の皆にありがとう(ございます)!!」を言わせていただきたいです。

感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進してゆこうと思います。


東京国立博物館140周年特集陳列 大正元年 帝室技芸員からの寄贈品」の書籍のコーナー。
(2012年9月19日(水) ~ 2012年12月9日(日) 本館 18室・19室 にて展示中)
段差をつけた書見台を作り、折り帖を開いた状態でも頁と頁の接続部分に負担がかからないようにしている(手前)。
展示台が少し高いため、お客様に見えやすく、なおかつ作品が不安定にならない角度で書籍を立てられるように気を付けた(奥)。

カテゴリ:2012年10月

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posted by 米倉乙世(保存修復室) at 2012年10月09日 (火)

 

トーハク先輩職員及びトーハクファンへありがとう

ト-ハクへ足を踏み入れるとタイムトリップするような感覚をおぼえませんか。
黒門及び表慶館、本館といった歴史的な重要文化財を一望すると創建当時の時代背景を回想します。
また、展示されている美術品を鑑賞すると同様に当時の時代背景を回想します。

例えば、表慶館は1909年(明治42年)に開館しました。高級なレンガや大理石等を使用しており、モダンな雰囲気を感じます。
美術品では「聖徳太子絵伝」を鑑賞すると当時の時代背景を回想します。
製作されたのは1069年(平安時代)ですが、聖徳太子の生涯を描いたもので、飛鳥時代当時の状況を垣間見ることができます。


表慶館の前で。


国宝 聖徳太子絵伝(部分) 秦致貞筆 平安時代・延久元年(1069) 東京国立博物館蔵
(2012年10月30日(火)~11月25日(日) 法隆寺宝物館 第6室にて展示)


このような貴重な文化財が現存しているのも、トーハクを守ってくれた先輩職員及びトーハクを応援してくださってきたファンの方々のおかげだと思います。
140年の伝統を絶やさないようにするのが職員である私たちの使命である思います。
また、トーハクファンの方々に愛され続けるようなトーハクを目指してがんばっていきたいです。

いままで「トーハクを守ってくれた先輩職員及びトーハクを応援してくださったファンの方々」ありがとうございます。

カテゴリ:2012年10月

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posted by 石井健吉(環境整備室) at 2012年10月06日 (土)

 

子どもたちにありがとう

教育普及室の藤田千織です。

小学生、中学生、高校生の皆さんが団体で来館するときには
スクールプログラム」を実施して皆さんをお迎えしたり、
家族連れの皆さんには「ファミリーワークショップ」などで
お会いしたりすることが多い、教育普及という仕事をしています。

「教育」という言葉から、来館する方に何かを
お教えするような印象を持たれることが多いですが、
実際には博物館にあるモノの魅力を、
相手(子どもたちや家族連れの皆さん)に合わせて
さらに分かりやすく伝えるにはどんな方法や演出をしたらいいか、
日々考えることが仕事です。
それどころか、逆にワークショップや教育プログラムの参加者である
子どもたちに教えられることも多くあります。
一緒に作品を鑑賞していると、私が気づいていなかったような
細かい部分を観察して教えてくれ、
それがまた新たなその作品の魅力の発見につながったりします。

たとえば「屏風体験!」というファミリープログラムでは、
当館所蔵の「松林図屏風」の高精細複製品(原寸大)を使い、
それぞれの家族ごとに自由な屏風の立て方を提案してもらいました。
あるご家族は、本来ならば隣り合うことのない右隻のある面と左隻のある面がつながって見えるような立て方を発見してくださいました。


右隻と左隻を不思議な折り方で隣り合わせることで、意外な組み合わせを発見!

こうしてみると、この並びも魅力的かつ自然に見えたりして、
「もしかして長谷川等伯はこういう構図も考えていたけど
のちに順番を入れ替えたのではないか…」などと、
私たち研究員も荒唐無稽ながら楽しい想像がふくらんでいきました。

このように、参加者の皆さまと一緒に作品を鑑賞することで
想像力を刺激する、わくわくする発見を得ることがたくさんあります。
「教える側」「教えられる側」などという固定した区分は、
本当はないのだな、と思わされる瞬間です。

「共に見る」「共に発見する」その楽しさを分かち合うという意味では、
研究員とお客様、双方が豊かな資源を持っている、対等の立場だということになります。
そのことに気づかせてくれるのが、
先入観のない柔軟な目をもった子どもたちとの対話なのです。


子どもツアー「トーハク劇場へようこそ!」での子ども達との対話

ありがとう。
そして、これからも一緒に楽しい発見をたくさんしていきましょう、と
トーハクに来てくれる全ての子どもたちに伝えたい気持ちです。

カテゴリ:2012年10月

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posted by 藤田千織(教育普及室) at 2012年10月03日 (水)