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140周年ありがとうブログ

「プロ」の方々にありがとう

こんにちは。
私は総合文化展に関する調整業務などを行っている研究職員です。
当館は毎日、実に様々な人々が往来しています。
そんな多くの人々に囲まれた環境のせいか、たくさんの「プロ」の方々に出会います。
私はそんな人々にありがとうと言いたいです。

プロの方々は人や文化財に対する姿勢が共通しています。
こんなことがありました。
当館では刀剣の部分的な研磨のため、研師の方に修理をお願いしています。
あるとき作業風景を見学したことがあったのですが、実に初歩的で愚かな質問をしたことがありました。
にもかかわらず、その方は詳しく説明をして下さり、その神経を使う仕事を始終見せていただきました。
丁寧に仕上げられた刀剣をみて、とても感銘を受けたことがあります。


刀剣研磨室

またこんなこともありました。
特別展では外部デザイナーの方にお願いをして一緒に仕事をすることがあります。
あるとき展示手法について検討していたのですが、なぜ自分よりずっと年下の人間の意見に耳を傾けるのかをうかがったことがありました。
すると「ビジネス的にそうした関係ですから当然のことです。そもそも私の仕事は文化財の美しさを研究する人々から取材し、その美しさをみせることです」とおっしゃいました。

特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」刀剣のコーナー
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」刀剣のコーナー

お二方の仕事はまったく異なりますが、人間や文化財に対してとても誠実だと思います。
もちろん館の職員にもこうした人々はたくさんいます。
そして、140年の間にもそうした方々が博物館にいたのでしょう。

私はまだまだ程遠いですが、ありがとうとお礼を言って、
これからの目標にしたいと思っています。

カテゴリ:2012年8月

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posted by 酒井元樹(平常展調整室) at 2012年08月31日 (金)