本展ポスタービジュアル
中尊寺は岩手県平泉町にある、本坊と山内17ヶ院の支院で構成される寺院です。
参拝入口から月見坂と呼ばれる参道を登っていくと、自然豊かな境内の中に、本堂をはじめとする諸堂を見ることができます。
参道を進み、左手に見えるのが宝物館である讃衡蔵(さんこうぞう)で、その先の小高くなっているところに位置するのが現在の覆堂(おおいどう)です。
昭和まで金色堂は旧覆堂(重要文化財)の中にありましたが、金色堂解体修理(昭和の大修理)の際、現在の覆堂内に移築されました。
中尊寺風景・夏(金色堂覆堂)
国宝 中尊寺金色堂(中央壇)
国宝・中尊寺金色堂は、天治元年(1124)藤原清衡(ふじわらのきよひら、1056~1128)によって建立された東北地方に現存する最古の建造物で、2024年に上棟(じょうとう)から900年を迎えます。
本展は、これを記念して開催するものです。
去る7月4日(火)、平成館大講堂で報道発表会を行いました。
報道発表会の様子
最初に、主催者である中尊寺貫首奥山元照(おくやまげんしょう)氏と、当館副館長富田淳がご挨拶いたしました。
天台宗東北大本山中尊寺貫首 奥山元照氏
当館副館長 富田淳
奥山貫首は、清衡が2つの合戦で自身の家族を亡くしたことをきっかけに金色堂を建立したことに触れ、「戦いによって失われた尊い命を、敵味方の隔てなく極楽浄土に導きたいという願いが金色堂の輝きには込められている。ひとりでも多くの方に東京国立博物館に足を運んでいただき、清衡の平和への願いを感じ取ってほしい。」とお話しくださいました。
富田からは、本展では金色堂中央壇上の国宝仏像11体そろってはじめて寺外で公開すること、また8KCGにより金色堂を原寸大で再現することをご紹介いたしました。
続いて、本展の2つの見どころを、当館主任研究員児島と、NHK メディア総局・第1制作センター統括プロデューサー国見氏より解説いたしました。
当館学芸研究部東洋室
主任研究員 児島大輔
NHK メディア総局・第1制作センター
統括プロデューサー 国見太郎氏
解説に沿って、本展のみどころをご紹介しましょう。
【みどころ1】中央壇上の国宝仏像11体をそろって展示
金色堂内には3つの須弥壇(しゅみだん、中央壇・西北壇・西南壇)が設けられており、その内部に奥州藤原氏の遺体が納められています。
中央壇内部の棺に眠るのが、奥州藤原氏初代にして金色堂を建立した藤原清衡です。本展ではこの中央壇上に安置される国宝の仏像11体をそろって公開します。
国宝 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀
岩手・中尊寺金色院蔵
ふっくらと穏やかで優美な姿が特徴
国宝 増長天立像 平安時代・12世紀
岩手・中尊寺金色院蔵
腰が引き締まり動勢の激しい姿が特徴
【みどころ2】超高精細な8KCGで実物大の金色堂を大型ディスプレイ上に再現
超高精細8KCGにより、金色堂と壇上の仏像をはじめとする堂内空間を、幅約7mの大型ディスプレイ上に原寸大で再現します。
普段ガラスの外からしか拝観できない金色堂を、8KCGにより、まるで堂内に入ったかのように細部まで鮮明にご覧いただけます。
この世の浄土ともいうべき輝きに満ちた信仰空間を体感してください。
8KCGで再現した中尊寺金色堂 ©NHK
世界遺産平泉の黄金文化を上野でお楽しみいただける、またとない機会となっています。
会期は2024年1月23日から。どうぞご期待ください!
カテゴリ:「中尊寺金色堂」
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posted by 天野史郎(広報室) at 2023年09月19日 (火)