トーハクくんがいく!~本館16室で「いいもの」発見~
ほほーい! ぼくトーハクくん。研究員の井出さんが「いいものを見せてあげるよ」って言うから、今日は本館16室にやってきたほ。
リニューアル以来、16室をゆっくり見るのは、実は初めてなんだほ…。てへ。

2014年4月にリニューアルオープンした本館16室。
「いいもの」って一体なんでしょう…?
井出さーん、遊びにきたほー!
こんにちは、トーハクくん。16室へようこそ。
早速だけど、これを見てみてよ。

タマサイ(首飾り)
北海道アイヌ 19世紀 徳川頼貞氏寄贈
首飾り?
これはアイヌの首飾りなんだ。
さあ、よーく見て。かわいいものがあるでしょ?
………。
どうよ?
………わからないほ。
トーハクくんもまだまだだなあ。
…!
ほら、この右側の玉を見て。魚の飾りがついてるでしょ。

か、かわいいほ!
でしょー! これをみんなに見て欲しいんだ。でも、小さいから気がつかないかな、と思って、展示室まで来てもらったんだよ。
まあ、実はボクも今回の展示をして、初めて気づいたんだけどね。てへへ。
…。(なんだか心配な人だほ)
こんな細かなところにまで気を配って、きっとおしゃれなアイヌの人だったんだろなぁって思うよ。

魚の飾りは小さいので、見逃さないように注意!
アイヌって何のことだほ?
アイヌっていうのは、彼らの言葉で「人間」っていう意味らしいよ。
もともとアイヌの人たちは、現在の北海道やロシア沿海地方などを中心に広く暮らしてきた民族なんだ。身近な自然そのものに神が宿ると信じ、自然を敬いながら、狩猟採集など伝統的な生活を営んできたんだよ。
アイヌの文化は、鎌倉時代に成立したと考えられているんだ。
なるほー! 16室に展示しているものは、アイヌの人たちのものなんだほ!
そうそう、民族資料っていうやつだね。16室はアイヌと、そして琉球の作品を展示する部屋で、今は「アイヌの祈り」というテーマで展示をしているんだ。
このタマサイも「祈り」に関係しているんだほ?
もちろんそうだよ。タマサイは、アイヌの女性たちが儀礼など特別な日に身につけたものなんだ。
よーし、せっかくだからこっちも見て行ってよ。

ウミガメ頭骨
北海道アイヌ 19世紀
これはなんだほ?
カメだよ。ウミガメの頭部。
北海道にもウミガメがいるの?
お、さすが、いいところに気がついたね。
いや~、それほどでも~(でれでれ)。
トーハクくんの言うとおり、北海道にウミガメはめったに来ない。もしかしたら漂着したのかもしれないね。アイヌの人たちにしてみれば、見慣れない生き物が遠くからやってきたぞってことになる。
ふむふむ。
アイヌの人たちは、万物に神様が宿ると考えているから、この「見慣れない生き物」が流れ着いた時、神様が、もしくは神様のお使いがやってきたぞ、と思ったんじゃないかな。
中に詰められていたり、頭に巻きつけられているのはなんだほ?
これは「ケズリカケ」と呼ばれているもので、木を削ったものだよ。ケズリカケを詰めることで、このウミガメを大事に敬う気持ちを表したんだ。
ほら、この「イナウ」とケズリカケ、似ていると思わない?

イナウ(儀礼用の木幣)
北海道アイヌ 19世紀 徳川頼貞氏寄贈
あ、木の棒の上側を削っているほ!
すっごく簡単に言っちゃうと、イナウの棒がないバージョンがケズリカケだね。
イナウって何に使うんだほ?
神様だったり、神様にメッセージを伝えるアイテムだったり、災いや魔除けにも使ったよ。
アイヌの人にとって大事なものなんだほ。
そのとおり! ケズリカケもイナウと同じように神聖なもので、それで飾ることで「ウミガメを大事に大事に扱っていますよ」っていうことを表現したんだ。
なるほー!

蝦夷漫画
松浦武四郎著 江戸時代・安政6年(1859)
さまざまなイナウが紹介されています。イナウとあわせてご覧ください
16室に展示されているのは、美術作品とはちょっと違う感じがするほ。
そうだね。美術品というよりも、もっと生活に根ざしたものというイメージかな。
「わあ、キレイ」っていうようなものではないかもしれないけど、こういった展示にも独自のおもしろさがあるから、注目してもらえたらうれしいな。
ほー!(さっきは頼りなさそうな感じがしたけど、見直したほ。)
夏はこの16室で琉球の展示をやるから、見においでよ(「琉球のくらし」6月16日(火)~9月13日(日)予定)。また案内するよ!
16室で待っててほー! 井出さん、今日はありがほーございました。

16室での再会を約束して、次回の展示がますます楽しみになったトーハクくんなのでした
カテゴリ:研究員のイチオシ
| 記事URL |
posted by トーハクくん at 2015年04月04日 (土)