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140周年ありがとうブログ

収蔵品を守り続けていただき、ありがとう

トーハクのミュージアムシアターでは、9月30日まで「江戸城―本丸御殿と天守―」を上映しています。
この作品に使われた江戸城の障壁画の下絵は資料館に保管されています。

資料館が開館した昭和59年(1984)に採用された上席研究員の池田宏です。
最初の仕事は、本館から資料館へ移された拓本や模写図、この下絵などの歴史資料の整理でした。
後に江戸城の障壁画の下絵の調査を絵画史、建築史、歴史の先生方にお願いし、私も参加させていただきました。

江戸城障壁画 西の丸 表 大広間上段の間 伺下絵 狩野晴川院養信筆 江戸時代・天保10年(1839)
江戸城本丸等障壁画下絵 大広間上段(部分) 狩野晴川院筆 江戸時代・19世紀
(展示の予定はありません)


別に保管されていた絵師の日記が、この下絵の筆者のものであるとわかった時の感激は今も忘れられません。
この時の成果は、最初にご紹介したミュージアムシアターのVR作品にも反映されています。

創立以来、収蔵品を関東大震災や戦争中も守り続けてこられた博物館の先輩方、調査をしていただいた先生方、調査当時の同僚に感謝いたします。
ありがとうございました。

カテゴリ:2012年8月

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posted by 池田宏(上席研究員) at 2012年08月27日 (月)