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140周年ありがとうブログ

ゆかりのある作品の数々や、作品に関わることのできる環境にありがとう

私の感性を育んでくださった数々の作品・資料にありがとうございます。
それらを手から手へ、あるいは地中で守り伝えて下さった先輩方、ありがとうございます。
そして、それらの魅力を伝える仕事に携わる事ができる、そういう環境を作って下さっている皆様に深く感謝申し上げます。

写真の仏像も「ありがとう」を申し上げたいお像の一体で、私に仏教彫刻の歴史と信仰の深さを教えてくださいます。
また、6年前の修理に際しては、たくさん“健康診断”をさせて頂いたご縁もあります。



筆者と菩薩立像(飛鳥時代・7世紀)
(2012年8月26日(日)まで、本館 1室「仏教の興隆―飛鳥・奈良」にて展示中)


背中に「聖徳太子御時代/百済国ヨリ彫刻ノ/千像之其一体也」と書かれた紙が貼られており、このお像が「聖徳太子の時代(7世紀)に百済国から伝えられた」と伝承されていたことがわかります。
だいぶ後の時代に書かれたものですが、紙が「もろく」なっていたことから、剥がしてお像と別に保存する方法も検討されました。
しかし、剥落を防ぐ手当てをおこなって、貼ったまま残すこととしました。


菩薩立像の背中部分

今回の修理を受けて頂いたことで、この先まだまだ100年、1000年と健康なお姿を観せて頂けたら「ありがたい」です。

カテゴリ:2012年7月

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posted by 鷲塚麻季(主任研究員) at 2012年07月23日 (月)