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140周年ありがとうブログ

全ての縁にありがとう

こんにちは。特別展室の沖松と申します。トーハクが100周年の年に生まれました。
写真はその頃(より正確には105周年の頃)のものです。

5歳のころの私です。
5歳の頃の私です。
(たぶん、動物園の帰りに)トーハクをバックに記念写真。

特別展室は、特別展運営に関わる諸業務の連絡とりまとめ窓口として、館内外関係各所の間の事務連絡調整等を主な業務としている部署です。

博物館での仕事は基本的にモノが中心にあって、そのモノ自体を見て頂くと同時に、そのモノが具えている文化や歴史等の様々な特性に対して、どの局面からアプローチするかで色々な仕事が生じて動いるといえます。
しかし、どの面(仕事)をとっても単独で存在していることはなく、常にどこかの面と接していたり、あるいは交差していたりと、複数の関係性の中で成り立っています。
実際の仕事でいえば複数の人や部署が関わるということです。
お互いの連絡確認や意思疎通がうまくいっていないと支障が生じてしまいます。8割方はそうした連絡調整が占めているといっても過言ではないと思います。
私は今の部署になるまで、収蔵品の貸出や特別観覧に関わる部署、平常展(現在の総合文化展)の調整に関わる部署、出版に関わる部署を経験させていただきましたが、やはりどの部署でも仕事の中心はそうでした。

とりわけ、当館の特別展は規模が大きい分、館の内外ともに関わる人や部署、組織が多くなります。
館内の主なものでも、展覧会の内容的な部分を担う当該専門分野の研究員で構成されたワーキングメンバーをはじめ、収蔵庫内の遣り繰りや保管中の管理、展示環境やモノの状態確認、応急修理、広報、英文監修や海外とのやり取り、教育普及、警備、経理契約、設備の維持管理などに関わる部署が挙げられますし、場合によっては総合文化展等との関連や館内での撮影やイベント等との調整も取る必要があります。
館外では共に主催するマスコミ各社、作品の所蔵先をはじめ、作品の梱包輸送・展示、英文翻訳、図録やポスター・チラシ等のデザインや印刷、会場施工、音声ガイド、グッズ、清掃の関係などなど・・・。
そして最終的にはお客様にどれだけご出品頂いたモノの良さを伝えられるか、ご意見等をどれだけ汲んでいけるかといった、お客様との意思疎通も重要になります。

元来、思い込みが強く独断に陥りがちで段取りが悪い私が、今、こうして博物館の仕事を多くの方たちと共にしていられるのは、生まれてから今までに直接・間接に縁を頂いた多くの方々のおかげであり、特に博物館に勤めてからは仕事の中で関わる方々とのやり取りを通して多くのことを教えていただき、成長させていただいているからだとつくづく思います。
(モノとの縁も、結局はモノを通してその制作や伝来、保管等に関る人と縁を頂いているといえます。)

縁に恵まれるということほど有難いものはないと思います。
今まで縁を頂いた方々に心から感謝を申し上げます。
そして、その縁から得た事を少しでもよりよい次の仕事に繋げていけるよう努めてまいります。

5歳のころの私です。
今のトーハクをバックに撮影。
35年前に比べ、本館前庭のユリの木が屋根を越えて成長しています。

カテゴリ:2012年7月

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posted by 沖松健次郎(特別展室) at 2012年07月17日 (火)