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140周年ありがとうブログ

出会いにありがとう


筆者:修理室にて

保存修復課保存修復室の鈴木晴彦です。
私は博物館における保存修理技術者として作品の保存と活用の両立を
考えながら本格修理・対症修理を行なっています。
また一方では作品との関わりの中で、
文化財を伝え護るための予防的な保存処置対策を検討していくように努めています。

作品の状態と状況は一つとして同じものがありません。
目の前に在る複数の作品は、私の先生です。
すべての作品から多くのことを教えられ、育てられてきた気がします。
すべての作品には、それに関わる人やそれらを支えて来た人の心が、
必ずそこに込められています。
そうした人の心を忘れてはならないと思います。

振り返ってみますと、これまでに数多くの人や作品との出会いがありました。
あらためて出会いの大切さを強く感じます。
それら多くの出会いがあり、恩師や仲間、そして皆様に支えられて今日があります。
出会いに感謝です。
一期一会を大切に、これからも「ありがとう」と感謝の心をもって、
学び歩んでいきたいと思っています。

2011年の東日本大震災で津波などにより貴重な作品が大きな被害を受けました。
私も被災した作品の救援活動に参加させて頂きました。
救援活動を通じて多くの仲間と出会い 、助け合いながら作業を共に進めて参りました。
まだまだ救出しなければならない作品がたくさん残されており、
救援活動を必要としています。
この場を借りて皆様にも救援と修復にご協力をお願いしたいと思います


本館展示室
本格修理を手がけた作品である。
思い出深い作品(先生)のひとつ

桜山吹図屏風 6曲1双 江戸時代・17世紀 田沢房太郎氏寄贈
屏風:伝俵屋宗達筆、色紙:本阿弥光悦
(展示予定は未定)

カテゴリ:2012年6月

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posted by 鈴木晴彦(保存修復室) at 2012年06月08日 (金)