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140周年ありがとうブログ

ありがとう表慶館の緑色の屋根

皆様、こんにちは。
トーハクの事務局全般を担当している田浦です。
トーハクでの展覧会や様々なイベントをお楽しみいただいていますか。

私はこの4月にトーハクに赴任しました。
旧文部省に奉職し、最近十数年ほどは大学で教職と大学の運営に携わってきました。
文化行政については25年ほど前、文化庁でオーケストラ、オペラ、バレエ、舞踊、絵画、茶道、華道、琴・三味線・尺八などの邦楽、能といった多彩な文化団体のお手伝いをしていましたので、日本が海外に誇る文化活動の一端に久しぶりにたずさわれることを喜んでいます。

私がトーハクで一番好きな景色は、平成館三階の窓から見える表慶館の緑色の屋根です。
表慶館は明治33年、後の大正天皇ご成婚を記念して計画され、明治42年に開館しました。
国宝迎賓館の設計者、片山東熊の作です。
明治末期の洋風建築を代表する建物として重要文化財に指定されています。


トーハクのゆりの木と表慶館の前で

私は、海外の恵まれない子どもたちを支援するためにベートーヴェン第九交響曲「合唱」のチャリティコンサートを行う合唱団に所属しており、昨年はチェコのプラハ・スメタナホールで演奏会を開催しました。
プラハの街並みはヨーロッパの中でもことのほか美しく、そのときに眺めた教会の屋根の色が表慶館の屋根の色とそっくりだ、とトーハクに着任してすぐに気づきました。
トーハクを訪れてくれたお客様にも見ていただいたところ、まったくそのとおりと驚いていました。

 
(左)プラハ旧市街広場の街並み、(右)表慶館の緑色の屋根

プラハでたまたま一緒になったシンガポール人が「シンガポールは三年で変わるが、プラハは三百年たっても変わらない」と言っていました。
文化財の保存と展示にかかわる私たちにとっても含蓄の深い言葉だと思います。

140周年を迎えたトーハクへの皆様のご来場をお待ちしています。
 

カテゴリ:2012年6月

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posted by 田浦宏己(総務部長・本部事務局長) at 2012年06月01日 (金)