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140周年ありがとうブログ

トーハクという場を通して関わってきた皆さんにありがとう

日本考古を担当している、特任研究員の望月幹夫と申します。
この3月で退任いたします。

展示室にてお気に入りの作品(重要文化財 埴輪 猿)の前で撮影

思い起こせば、1980年にトーハクに就職してから30年余、人生の半分近くを過ごしてきました。
就職した頃のトーハクの考古には、学界の名だたる先生方がいらっしゃって、とても畏れ多いところでした。
若輩者がちゃんと仕事をこなしていけるのか不安がありましたが、
周囲の皆さんに支えられて、何とか今日までやってくることができました。

考古といえば発掘調査ですが、平成館建設に先立つ発掘調査で、
寛永寺の遺構や旧いトーハクの遺構・遺物が検出されましたが、まさにトーハクの歴史の調査でした。
 
(左)平成館地点発掘調査時の航空写真(1994)
()平成館外観

また、5年にわたるパキスタンの仏教遺跡の発掘調査に参加できたのも、貴重な体験でした。

パキスタンの調査で出土した石造彫刻(1999)

展覧会では、パリでの「はにわ」展、モントリオールでの「日本」展と、
海外での日本考古展にかかわれたのも、トーハクだからこその貴重な経験でした。
また、トーハク創立以来の膨大な考古の収蔵品のすべてを見ることはできませんでしたが、手にとって調べていると、140年の歴史を感じました。

トーハクの長い歴史の中で、その一員として仕事ができたことは本当に幸せでした。
明治以来の諸先輩ならびにトーハクという場を通して様々に関わってきた皆さんに感謝です。

カテゴリ:2012年2月

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posted by 望月幹夫(特任研究員) at 2012年02月04日 (土)