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140周年ありがとうブログ

恩師にありがとう

このブログは、トーハク(東京国立博物館)140周年を期に、職員一人ひとりが感謝のメッセージを送る記念企画です。
これから1年間で140人が登場します。
その一番バッターとして、私が恩師への感謝の気持ちをつづります。

島谷副館長
副館長室にて


ありがとうございます、小松茂美先生。
大学入学直後に、当時トーハクの美術課長であった小松博士との出会いがありました。先輩の誘いを受け、夏休みの一ヶ月を、博物館の先生のもとで学ぶことになりました。ここから私の学問への道が始まる、はずでした。ところが、親元を離れて、遊びたいサカリの私には続きませんでした。
それでも、卒論を契機に、厳しく、優しい指導を受け、何とか「三条西実隆の研究」を仕上げることが出来たのです。ようやくにして、学問への歩みを始めました。生意気な私に目を掛け、書の魅力、学問の楽しみに目覚めさせ、そしてトーハクに導いてくださったのが小松先生でした。美術品は年をとったお年寄り、あるいは病人に対する気持ちで扱うこと、所有者との繋がりが大切であるなど、実に多くを教えていただきました。以来35年に渉ってご教示を受けた先生も、今は寛永寺からトーハクを見守るように眠られています。本当に、ありがとうございました。

島谷副館長と小松先生
左から島谷副館長と恩師、小松先生
一緒にトーハクに勤務していた頃の思い出の一枚。


トーハクは、折々に咲く花などの恵まれた環境もあります。もちろん、所蔵する作品もあります。加えて、先輩からの伝統も受け継いでいます。時代の移り代わりとともに親しまれ、愛されるトーハク、私の大好きなトーハクにも、ありがとう。

カテゴリ:2012年1月

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posted by 島谷弘幸(副館長) at 2012年01月01日 (日)