皆様にご好評いただいています、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」も残すところあと2週間余りとなりました。もうご覧いただけましたか?
今回は、松林図のちょっとツウな楽しみ方についてお届けします。
国宝 松林図屏風の複製と映像のインスタレーションをお楽しみいただいている第一会場「松林であそぶ」には、松林図屏風10分というサインを出しています。
実は、そのうち
6分間が 「映像の時間」
4分間は 「屏風の時間」 です。
「映像の時間」には、高さ5メートル、直径15メートルの半円形のスクリーンを使って、松林の外に広がっていたかもしれない広い風景とその四季のうつろい、さらに、松林の中の世界をご覧いただいています。
映像の時間
屏風の時間は、映像ぬきの屏風だけの時間です。なかには映像が終わるとその場を立ってしまうお客様がおられるのですが、実はこの屏風の時間も「びょうぶとあそぶ」の大切な一部分なのです。
映像が終了すると同時に、屏風の形にきれいにマッピングされたプロジェクターの光が、松林図を暗がりのなかにふわっと浮かび上がらせます。
屏風の時間
少し硬質な光で、きっと今までに見たことのない松林図の表情が出ていると思います。直前まで繰り広げられていた映像で刺激された想像力を自由にはばたかせて、自分だけの松林図屏風の世界に遊んでいただける時間です。
やがて、照明は徐々に暗くなります。この暗くなる瞬間をお見逃しなく。松林の表情が劇的に変わります。
そして、ほどなく照明は完全に落ちて、会場の地灯りだけに。昔の日本建築のなかで眺める松林図は、もしかしたら、この暗がりに溶け込みそうな松林図だったかもしれません。
「松林図であそぶ」で展開される、ドラマチックな4分、屏風の時間を、ぜひご堪能ください。
「びょうぶとあそぶ」公式サイトでは、このほかにもびょうぶの楽しさが広がる情報を発信中。ぜひ、アクセスしてみてください。
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posted by 小林 牧(博物館教育課長) at 2017年08月16日 (水)
皆さん、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」は、もうごらんになりましたか?
畳の上で、ガラスケース越しではなく、国宝「松林図屏風」の高精細複製を映像プロジェクションと共にお楽しみいただく体験型の展示です。この展示に関連し、ダンス・パフォーマンスイベント「びょうぶとおどる」が7月に開催されました。
ダンサー・振付家の酒井幸菜さん
踊ってくださったのは、ダンサーの酒井幸菜さん。「びょうぶとあそぶ」の展示や映像、音楽を事前にじっくり鑑賞され、振り付けを考えて下さいました。本番までのあいだに、なんども会場のステージでの練習を行いました。
当日。開始時間には、第一会場の畳ステージ前にマットが敷かれ、たくさんのお客さまが待ち受けていました。ダンス・パフォーマンスの開始アナウンスが流れ、映像が始まります。実はこの時、ダンサーの酒井さんは、第一会場の入り口から、アプローチ「松林の道」を通り、少しずつステージに近づいてきています。もうここから、ダンスが始まっているのですね。
松林の中を進んでいきます
畳のステージに酒井さんが登場すると、場の空気が変わりました。
踊る酒井さんが、映像の中を滑空する烏のように見えたり、松林の中で風に揺れる一本の松の木の精に見えたり、あるいは羽衣をまとった天女のようにも見えます。そうなると、この松林は、羽衣伝説のある三保の松原のようにも見えてきます。
投影される風景の中の、桜や紅葉、雪といった季節の移り変わりも、周囲を飛び回る烏も、海辺の風も、波の音も。松林図屏風の周りにあって、長谷川等伯が見たかもしれないさまざまなものを、ふたたび丁寧に集めてそっと屏風の中に置いて見せてくれる、そんな時間でした。
20分弱のイベントですが、背後に流れる映像は、このイベントに合わせて編集されました。音楽も、会場の音楽を担当された高橋琢哉さんによって新規に作曲されたものです。
松林図屏風の前のぜいたくな時間を、ぜひ体験してみてください。
ダンス・パフォーマンス「びょうぶとおどる」は8月15日(火)にも11時と14時の2回、行われます。
「びょうぶとあそぶ」公式サイトでは、 このほかにもびょうぶの楽しさが広がる情報を発信中。ぜひ、アクセスしてみてください。
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2017年08月10日 (木)
7月30日は子どものためのとくべつな1日、トーハクキッズデーでした。
たくさんの子どもたちがワイワイ楽しむトーハクを夢見て、職員は数か月前から準備をはじめていました。でもなぜか、前日は土砂降り。当日の朝、いつもより早起きをしてカーテンを開けると、雨。「こども、来ないんじゃないだろうか・・・」そんな不安を胸に開館時刻を迎えることになったのです。
でも、次第にお天気もよくなり、正門前にはたくさんの子どもたちの姿が!スタッフは「やったー!」とささやきあいながら、お出迎えいたしました。
子どもたちは入館と同時にトーハクくんのサンバイザーをつけ、本館までの道のりで顔はめ撮影。もちろんテンション急上昇!
トーハクサンバイザー(写真左)と顔はめボード(写真右)。トーハクの作品に大変身!
そのテンションは、展示室でももちろんキープ。和太鼓で日本のリズムを感じ、楽しみます。トーハクくん、ユリノキちゃんも子どもたちと頑張っていました。トーハク劇場では縄文時代にタイムスリップ!縄文人たちと出会う不思議な体験をしました。
日本の楽器のコンサートでの、和太鼓の体験コーナー。
トーハクくん、ユリノキちゃんも挑戦しました。
子どもツアー「トーハク劇場へようこそ!考古編」。
縄文人の登場にちょっとびっくり!
トーハクの作品をモチーフにしたぬりえにじっくり取り組み、みんなのぬりえで貼り交ぜ屏風を作ったら、ギャラリートークで楽しくまなび、キッズコーナーで休憩タイム。
みんなでつくる貼り交ぜ屏風(ぬり絵)
みんなのぬり絵を貼った、すてきな屏風をつくりました。
子どものためのギャラリートーク
子どもたちが展示を楽しむためのヒントがいっぱい!
キッズコーナー
授乳コーナー、離乳食コーナーもありました。
最後は親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」(~9月3日(日))で屏風の世界で遊びます。
親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」第2会場(本館特別4室)
屏風からでてきた鶴を追いかけるうちに、屏風の世界に入ってしまいます。
子どものためのとくべつな1日「トーハクキッズデー」。ここには紹介しきれなかった企画もありました。展示室からは、作品について、博物館について、子どもたちが話す声が聞こえてきます。その声にこたえているのはきっとご家族でしょう。
昨年に引き続き開催となったのは、多くのパパ、ママからのリクエストがあったから。お子さんがのびのび展示を楽しむ姿を、目を細めてみているパパ、ママの姿がありました。もしかしたら、トーハクファンのパパ、ママたちにとっても「とくべつな1日」になったのかもしれません。
そして、私たちスタッフにとっても、大好きなトーハクがみんなの笑顔と笑い声で包まれる「とくべつな1日」でした。トーハクキッズデーの思い出が、子どもたちにも、パパ、ママにも、スタッフにも、みんなにとっての「とくべつ」になったらいいな。来年も、再来年も、大きくなってもまた来てね。キッズデー以外の日だって、トーハクはみんなを待っていますよ!
そう思いながら、みなさんをお見送りしました。
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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2017年08月04日 (金)
7月30日、子どもたちのための特別な1日、トーハクキッズデーを開催します!
「小さな子ども連れだと博物館には行きづらいなぁ…」「子どもには博物館は難しくて…」という方も、ご安心ください。当日はキッズデーだけの企画がもりだくさんです。
まずは、子どものためのギャラリートークが、いろいろな内容で6種類。誰でも参加できます。
子どものためのギャラリートーク
それから、いろいろなワークショップ。
スタンプでつくる松林図屏風
扇形のオリジナルぬり絵を屏風に貼って完成!
滑石を磨いて勾玉つくり(整理券制)
お芝居仕立ての子どもツアー、「トーハク劇場へようこそ!」では、古墳時代のあの英雄や、キュートな弥生人に会えます。
ご本人たちから、当時の話を聞きましょう
日本の楽器のコンサートでは、和太鼓の体験コーナーも。
和太鼓に挑戦!
トーハクくん、ユリノキちゃんと握手できる時間は、11:00、13:00、14:00、15:00の4回!本館前に集合してください。
9:30~正門プラザでプレゼント配布
他にも、見学ガイドアプリ「学校版トーハクなび」貸出サービスで、見学レポートを作るのも、夏休みの宿題におすすめです。
館内には授乳スペースや、離乳食のためのお湯、電子レンジのあるキッズコーナーもあるので、小さいお子さんのいる方も、のんびりお楽しみいただけます。
当日は、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」も開催中(9月3日まで)。畳の上でごろんとリラックスしながら、屏風を楽しめる展示です。
当日は、博物館の約束を守って楽しんでくださいね!
トーハクくんとユリノキちゃんからのお願い 博物館の4つの約束 (PDF:271KB)
ご家族で、そしてお友達どうしで、1日たっぷりトーハクをお楽しみください!
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2017年07月26日 (水)
こんにちは、博物館教育課の小林です。
今回は、「びょうぶとあそぶ」第2会場「つるとあそぶ」をご案内します。
第1会場「松林であそぶ」の案内は11日公開のブログでトーハクくんにしてもらったのですが、すっかり会場が気に入ってしまったようで、ちっとも出てこないので、代わって私がご案内しますね。
「つるとあそぶ」は琳派を代表する絵師、尾形光琳の名作「群鶴図屏風」を映像とともに楽しんでいただく部屋です。会場に入ると、左手のスクリーンにつるが飛んでいます。
金色のバックは金箔をはった金屏風のイメージです。のびやかで美しいつるたちの飛翔をお楽しみください。
あ、地面に舞い降りました。
実は、スクリーンの前にいる人の数だけ、つるが舞い降りるようになっています。
ただし、最大9羽まで。なんでそんなことができるのかって?
うふ。それはヒミツです。*1
ところで、金屏風の金地ってなにを表しているのでしょうか。
こうしてみると、空のようでもあるし、地面のようでもある。つるの足元を見ると、水文が見えるので、水? いやいや、もしかして、これは空気?
絵画に奥行のある空間をつくる、金屏風のマジックです。
会場にいらしたら、ぜひ試していただきたいことがあります。
それは、「つるに近づく」こと。
何が起こるか。 それはヒミツです。*2
やがて、金色のバックが黒に変わると、つるたちが歩いて、屏風のなかに消えていきます。
実は、ここからが第2会場の見どころ。
左端から照明がともり、屏風を照らします。
下からあてた光は、まるでろうそくや行灯の明かりのよう。金地がゆらゆらとゆらめいて、
つるが動いて見えませんか? これも金屏風の偉大なマジックです。
群鶴図屏風は、アメリカ・フリーア美術館の所蔵する作品です。
フリーア美術館の作品は門外不出とされ、決して日本への里帰りはかないません。
こうした優れた複製で、鑑賞できるのはとてもうれしいことです。
*1 のヒミツの答え
舞い降りたり、飛んだり、つるたりを操っているのは会場に設置されたこのセンサーです。
これが、みなさんの動きを読みこんで、つるに指令を出しています。
*2 のヒミツの答え
こればっかりは教えられません。
ぜひ、会場でお試しくださいませ。
【関連イベント情報】
<イベント> ダンス・パフォーマンス「びょうぶとおどる -酒井幸菜 松林図をおどる」
7月15日(土)14:00~/18:00~、21日(金)19:30~ ※当日自由参加
<ワークショップ> ファミリーワークショップ「びょうぶをつくる」
8月13日(日)、8月20日(日) ※事前申込制
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posted by 小林 牧(博物館教育課長) at 2017年07月14日 (金)