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posted by 六人部克典(東洋室) at 2025年03月11日 (火)
台東区立書道博物館の春田賢次朗です。
週刊瓦版
台東区立書道博物館では、本展のトピックスを「週刊瓦版」という形で、毎週話題を変えて無料で配布しています。
東京国立博物館、九州国立博物館、台東区立書道博物館の学芸員が書いています。展覧会をたのしく観るための一助として、ぜひご活用ください。
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posted by 春田賢次朗(台東区立書道博物館専門員) at 2025年02月26日 (水)
台東区立書道博物館の鍋島稲子です。
東京国立博物館(以下「東博」)と台東区立書道博物館(以下「書道博」)の連携企画「拓本のたのしみ」【3月16日(日)まで】は、開幕当初から中国のお客様が多く来館されています。
中国の旧正月「春節」の時期は、来館者の半数近くが中国の方々で、みなさんとても熱心に鑑賞されていました。来日した小学生の女の子が、王羲之「蘭亭序」の拓本の前で冒頭からすらすら読み始め、隣りのお母さんが頷きながら聞いているという微笑ましい光景を目にしました。親子や友人と博物館へ出かけて作品を観るのも、たのしいひとときかもしれません。
さて、今回の1089ブログでは、歩いて行ける東博から書道博への「ミチクサ道案内」と、「2館の展示をたのしむ」見どころについてお話したいと思います。
まずは東博から書道博へ向けての「ミチクサ道案内」、レッツゴー!
東博から書道博への道のり
東京国立博物館の正門を出て右へ進み、信号を右に曲がると、左手に黒田記念館や国際子ども図書館が見えてきます。どちらもカフェテリアがありますので、ちょっと休憩したい方にはおススメです。
国際子ども図書館を過ぎてすぐに左へ曲がると、右手に上野中学校、その先に寛永寺があります。寛永2年(1625)、徳川幕府の安寧と万民の平安を祈願して建立された寛永寺は、今年創建400周年を迎えます。9時から17時まで開門していますので、ぜひ散策してみてください。
寛永寺
寛永寺の正門を入ると、境内には石碑が点在し、本堂(根本中堂)に向かって右側には、ひときわ大きな石碑があります。彰義隊と明治新政府軍との間でおこった上野戦争の経緯を記した碑です。彰義隊の名付け親で知られる阿部弘蔵の撰文で、清国の費廷桂(ひていけい)が唐時代の顔真卿(がんしんけい)風の楷書で堂々と書いています。
「上野戦争碑記」
「上野戦争碑記」の左奥には、江戸時代、黄檗宗の僧であった了翁禅師の顕彰碑があります。これは日本でも大変珍しく、亀趺(きふ)という亀の形をした台座のある石碑です。中国における石碑の様式を伝える貴重な遺例で、今回の「拓本のたのしみ」で展示されている石碑の拓本の数々が、もとはどういう姿であったのかをホンモノで見ることができます。
「了翁禅師塔碑」
さて、寛永寺の根本中堂を右に、寛永寺幼稚園を左に見ながら、左手にある通用門を出ると、正面に谷中墓地へ続く桜並木が見えます。3月になると見事な桜のトンネルになりますので、開花したらぜひくぐってみてください。
昨年の桜並木
桜並木の手前の言問通りを右に曲がり、200mほど進んで寛永寺陸橋(橋の下には電車が走っています)を渡った先に、エレベーターと階段がありますので下りてください。小路を100mほど進み左折すると、書道博物館に到着します。東博から約15分の道のりです。
2月4日からは後期展が始まり、展示作品も一新します。
「2館の展示をたのしむ」見どころを3つご紹介しましょう。
(1)褚遂良(ちょすいりょう)のあとさき
東博では、初唐の三大家の一人、褚遂良の晩年の最高傑作「雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)」が登場。装釘の違いがたのしめるよう、石碑の姿がわかる整本(せいほん)と、切り貼りして折帖に仕立てた剪装本(せんそうぼん)を展示します。当時、この書風を追随する者が後を絶たず、一世を風靡しました。石碑は、陝西省西安の大雁塔に「聖教序」と「聖教序記」の二碑が現存します。
雁塔聖教序 褚遂良筆 唐時代・永徽4年(653)
東京国立博物館蔵【東博後期展示】
雁塔聖教序 褚遂良筆 唐時代・永徽4年(653)
高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵【東博後期展示】
書道博では、隋時代の様式が残る褚遂良のウブな作品「孟法師碑(もうほうしひ)」の剪装本を展示。石碑はすでに亡失し、拓本もこれが唯一で、清時代の大コレクターである李宗瀚(りそうかん)が愛蔵した天下の孤本です。コレクターの想いが込められた装釘もおたのしみください。
孟法師碑(唐拓孤本) 褚遂良筆 唐時代・貞観16年(642)
三井記念美術館蔵【書道博後期展示】
(2)顔真卿の宋拓本、ワン・ツー・スリー
忠臣烈士として知られる唐の四大家の一人、顔真卿の「麻姑仙壇記(まこせんだんき)」は、蚕頭燕尾(さんとうえんび)といわれる、蚕の頭のような起筆と、燕の尾のような払いの筆法が特徴的な、晩年の楷書の名品です。世に宋拓本と伝わる「麻姑仙壇記」は10点に満たないといわれ、今回、東博で1点、書道博で2点を展示します。同じ宋拓でも、墨調や拓のとり方による印象の違いをおたのしみください。
麻姑仙壇記 顔真卿筆 唐時代・大暦6年(771)
高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵【東博後期展示】
麻姑仙壇記 顔真卿筆 唐時代・大暦6年(771)
個人蔵【書道博後期展示】
(3)欧陽詢(おうようじゅん)と欧陽通(おうようとう)の親子対決!
初唐の三大家の一人、欧陽詢の書は、険(けわ)しさと勁(つよ)さのある字姿ですが、息子の欧陽通は父よりもさらに険しく、トゲトゲしさが際立ちます。
東博では、欧陽通の「道因法師碑(どういんほうしひ)」の整本2点を、濃墨と淡墨の拓本で紹介します。同じ石碑からとった拓本でも、墨調の違いで雰囲気がガラリと変わります。字口(文字の輪郭線)の鋭さも見どころの一つです。
道因法師碑 欧陽通筆 唐時代・龍朔3年(663)
東京国立博物館蔵【東博後期展示】
道因法師碑 欧陽通筆 唐時代・龍朔3年(663)
東京国立博物館蔵【東博後期展示】
書道博では、欧陽詢の「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」を、整本1点と剪装本7点で紹介します。文字の太細や欠損の状態がそれぞれ異なりますが、どれもみな美しく惚れ惚れする楷書です。
九成宮醴泉銘(端方旧蔵整本) 欧陽詢筆 唐時代・貞観6年(632)
台東区立書道博物館蔵【書道博後期展示】
九成宮醴泉銘(黄自元本) 欧陽詢筆 唐時代・貞観6年(632)
台東区立書道博物館蔵【書道博後期展示】
楷書の極則といわれる、非の打ちどころのない理知的な楷書を書いた父の欧陽詢、険しく古風な筆致を特徴とする息子の欧陽通。親子対決を2館でおたのしみください。
週刊瓦版
台東区立書道博物館では、本展のトピックスを「週刊瓦版」という形で、毎週話題を変えて無料で配布しています。
東京国立博物館、九州国立博物館、台東区立書道博物館の学芸員が書いています。展覧会をたのしく観るための一助として、ぜひご活用ください。
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posted by 鍋島稲子(台東区立書道博物館 館長) at 2025年02月04日 (火)
東京国立博物館(以下「東博」)と台東区立書道博物館(以下「書道博」)は、連携企画として、毎年時期とテーマを合わせて中国書画に関する展覧会を開催しています。
22回目となる今回の連携企画は「拓本のたのしみ」と題して、両館で様々な拓本の魅力をご紹介しています。
東京国立博物館 東洋館8室 特集「拓本のたのしみ―明清文人の世界―」
前期:2025年1月2日(木)~2月2日(日)、後期:2月4日(火)~3月16日(日)
台東区立書道博物館 「拓本のたのしみ―王羲之と欧陽詢―」
前期:2025年1月4日(土)~2月2日(日)、後期:2月4日(火)~3月16日(日)
東博 東洋館8室の展示風景
書道博の展示風景
本展を多くの方々にお楽しみいただこうと、東博と書道博の研究員でリレー形式による1089ブログをお送りします。初回は東博展示から、前半部の概要を中心にお伝えします。
拓本は、石や木に刻まれた文字・図像など、立体物の表面にみられる凹凸を、紙と墨などで写し取った複製です。
いわゆる版画とは違い、版(原物)の上に紙を置き、紙の上から墨を重ねます。そのため、左右反転せず、版と同じ向きに写し取ることができます。
版に直接墨を付けない拓本は、とり方にもよりますが、原物の保存という点でも画期的な複製技法と言えます。
書の拓本には、主に青銅器や石碑などをもとにした金石拓本(碑拓)や、肉筆による歴代の名筆を版に刻して拓本にとり編集した法帖があり、碑拓法帖とも呼ばれています。
碑拓法帖は、金石文字や肉筆にかわり、先人が記した歴史上の出来事、その時代・筆者の文字・文章、ひいては社会・文化を伝える貴重な資料です。
後世の文人たちは、碑拓法帖に儒学や歴史学など様々な学問的価値を見出したばかりでなく、その字姿や書法に心を傾け、収集・鑑賞・研究の対象としました。
サブタイトルに「明清文人の世界」と題した東博展示では、前半部(「拓本あれこれ」、「碑拓法帖の優品」)で拓本そのものの魅力に注目し、後半部(「鑑賞と研究」、「収集と伝来」)で拓本を愛好し楽しんだ明清時代の文人の活動に焦点を当てています。
宋拓漢石経残字(部分) 伝蔡邕筆
後漢時代・熹平4年(175) 東京国立博物館蔵
【東博通期展示、巻き替えあり】
儒教の経典の標準テキストを石に刻し、後漢の首都洛陽の太学(最高学府)に建てた「熹平石経(きへいせっけい)」の残石の拓本。後漢の公式書体、八分という隷書で記されます。
原石は建立後ほどなく戦乱で損壊し、清末以降に残石が出土するまで、時代とともにほとんど見られなくなり、拓本が珍重されました。希少な宋時代の拓本を入手した銭泳(せんえい、1759~1844)は、拓本の側に自らの考証や釈文を記しています。碑帖研究の大家の翁方綱(おうほうこう、1733~1818)は、銭泳を称賛するかのように、本作を手にした銭泳の肖像(巻頭)に隷書で題を記しています。
「拓本あれこれ」
書の拓本は、もとになる金石文字と肉筆の違いもさることながら、版の作り方や状態、そこから紙墨などでいかに写し取るかにより、字姿や趣が大きく変わります。また、装幀の仕方も拓本の見え方に影響します。ここでは、各種の碑拓法帖から、様々な味わいの拓本を展示しています。
「碑拓法帖の優品」
歴代の能書や歴史上の偉人の筆跡をとどめる拓本は、書の古典として珍重されました。とりわけ、唐時代の能書の手になる碑拓と晋・唐時代の名筆をもとにした法帖は、鑑賞や手習いの対象として、盛んに制作・収集されました。ここでは、古典として尊ばれた晋唐の書を伝える碑拓法帖の優品を展示しています。
皇甫誕碑 欧陽詢筆
唐時代・貞観元~15年(627~641) 東京国立博物館蔵
【東博前期展示】
皇甫誕碑 欧陽詢筆
唐時代・貞観元~15年(627~641) 高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵
【東博前期展示】
隋朝の忠臣の皇甫誕を顕彰した石碑の拓本。上は原石の形をとどめる拓本で、整本(せいほん)や全搨本(ぜんとうぼん)と呼ばれます。下は切り貼りして折帖に仕立てた剪装本(せんそうぼん)という拓本です。もとの形を知ることができたり、鑑賞がしやすかったりと、それぞれの良さがあります。
皇甫誕碑の原石は、明の万暦年間に地震により断裂しました。上は断裂後の拓本、下は断裂前の未断本です。〇印の「碑」字のように、文字の残存状況や損傷具合に違いがあります。より古い時代にとられた希少な拓本は、原石本来の字姿を伝えることから、とりわけ珍重されました。
この石碑の書は、右肩上がりと、背勢という文字の内側を引き締める構え方が強調されており、初唐の三大家に数えられる能書、欧陽詢(おうようじゅん、557~641)による楷書のなかでも、特に険しく勁さのある字姿です。
今回は東博展示の前半部をお伝えしました。ぜひ会場で魅力あふれる拓本をお楽しみください。
カテゴリ:研究員のイチオシ、中国の絵画・書跡、「拓本のたのしみ」
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posted by 六人部克典(東洋室) at 2025年01月22日 (水)
東洋館8室では、毎年秋恒例の名品展、特集「中国書画精華―宋・元時代の名品―」が開催中(~2024年12月22日〈日〉)です。
中国の書画は古来日本人に愛され、現在に至るまで多くの優品が大切に伝えられてきました。ただ、現代の私たちの目には少しとっつきづらい、どこを楽しめばよいかわからない、というジャンルでもあります。
ここでは、「見どころ紹介」と題して、いくつかの作品について、鑑賞のおすすめポイントを説明したいと思います。
1. 修理後初公開!表装にも注目!!
山水図軸 伝夏珪筆 南宋時代・13世紀 中国
山水図軸(風帯)
本作は2022年に修理を終えてから初めての公開になります。現在の表装は、公家の名門近衛家(このえけ)で仕立てられた可能性があり、風帯(ふうたい)と一文字(いちもんじ)には、紫に染められて金箔が貼られた、羅(ら)という織り方の最高級の裂(きれ)が、おそらく非常に貴重であったため、端切れをつなぎあわせた形で使われています。
また、風帯は通常本体に縫い付けられて、巻いた状態では折りたたむように収納されるものですが、本作では、裂がこれ以上いたむのを避けるため、取り外しができるようになっています。これを掛風帯(かけふうたい)といいます。
修理前は、不安定であったため、掛風帯を使用することができなかったのですが、修理を経て風帯を掛けた状態で展示できるようになりました。近衛家で愛された本来の姿をお楽しみください。
2. 鳥は何羽?
重要文化財 雪汀遊禽図軸 羅稚川筆 元時代・14世紀 中国
雪汀遊禽図軸(部分)
手前の木々は葉を落とし、枝先は蟹の爪のようにとがり、枝と幹がねじれ複雑にからみあっています。後ろには、川面と白く雪の積もった岸、そして山々が水平方向にどこまでも広がっていきます。
色彩のない荒涼たる空間のようですが、目を凝らすと、寒さの中に息づく生命のいろどりを見つけることができます。枝の上には、水色の長い尾をもつ山鵲(さんじゃく)のような鳥2羽、首と腹の白い鳥(コクマルガラスか)の群れが、寒さに羽毛をふくらませてとまり、水辺には橙色の鴨の群れが身を寄せています。
宋・元時代の画家たちは、このような墨と色彩の効果的な対比を得意としました。
3. 「金」、使ってます!
重要文化財 猿図軸 伝毛松筆 南宋時代・13世紀 中国
猿図軸(目)
南宋時代の絵画には、要所要所で、非常に洗練された金の使用が認められます。本作はその好例で、ふさふさとした毛を描く細い線には、墨や赤茶に加えて金泥(きんでい)が使われ、白目には絹の後ろから金箔あるいは金泥が施されています。これらにより、繊細にきらめく光を表現しているのです。
特に白目の部分は、肉眼では光を感じるだけで、なかなかはっきりと金の存在を確認できません。しかし顕微鏡で拡大してみると、絹糸の後ろにしっかりと詰まった金箔(金泥)の存在を見ることができます。
4. 高僧と能書の競演
重要文化財 禅院額字「釈迦宝殿」 無準師範筆 南宋時代・13世紀 中国
禅院額字「釈迦宝殿」(部分)
無準師範(ぶじゅんしばん)が円爾(えんに)に贈った一群の額字(がくじ)・牌字(はいじ)には、筆者を無準とするものと、能書の張即之(ちょうそくし)とするものの2種があります。
展示中の禅院額字「釈迦宝殿(しゃかほうでん)」は無準、同じく「旃檀林(せんだんりん)」は張の書です。ともに太く堂々とした書きぶりですが、線質や点画の構成などには違いがあります。無準はややニジミがあり、粘りのある重厚な線質。点画の太細(たいさい)や疎密(そみつ)など、構成にバランスを欠くところもありますが、かえってそれが厳しくもどこか温かさのある独特な雰囲気を醸(かも)しているようです。一方、張は重厚かつ鋭い線質。点画が整然と配され、揺るぎのない字姿をつくっています。南宋を代表する高僧と能書による迫力満点の書。ぜひ見比べながらご堪能ください。
5. 修理後初公開、過去から未来へ
傑山偈 古林清茂筆 元時代・泰定3年(1326) 中国
傑山偈(修理前)
本作は2022年10月から1年をかけて本格修理が実施されました。本紙には強い折れや汚れが多く見られ、亀裂(きれつ)等によって墨書の一部に剥落(はくらく)が生じていました(上図の5行目2・5・6字目「若・低・可」)。剥落が進行する前に、作品を解体してクリーニングや補修等の処置を行い、本紙と表装の状態は改善され、今後の保存活用に支障がない健全な状態となりました。修理後はまず収蔵庫内の安定した環境で1年ほど保管、経過観察をして、今回晴れてお披露目することとなりました。
修理に際しては、もとの軸木(じくぎ)に江戸時代・天明(てんめい)元年(1781)の修理時の墨書が確認されました。先人たちが過去から現在まで大切に伝えてきた本作は、今また未来へとつなぐ準備が整いました。
6. 篆書もスゴイ!
楷書玄妙観重脩三門記巻 趙孟頫筆 元時代・14世紀 中国(部分)
本紙の末には、1字分下げて4行にわたって署名が添えられます。ここに「趙孟頫書幷篆額」とあり、行楷書による本文と冒頭にある篆書(てんしょ)の題額はともに趙孟頫(ちょうもうふ)の書であることがわかります。
趙孟頫と言えば、書聖・王羲之(おうぎし)を規範とした行草書や、碑文を得意とした唐の能書、李邕(りよう)を素地とした、本作のような行楷書などで知られます。碑文という性格を意識したのか、本文は余白がよく整った、見やすく美しい字姿をしています。点画の配置とその間の余白(分間布白(ぶんかんふはく))は、文字の視認性に直結します。その点で、厳格な分間布白や左右対称の字形、均一に保つ線などを基本とする篆書では、その技量が試されます。本作の題額は、趙孟頫の篆書の技量の高さを示しています。
展示会場風景
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posted by 植松瑞希(絵画・彫刻室)、六人部克典(東洋室) at 2024年11月27日 (水)