本館特別4室にて開催中の、親と子のギャラリー「まるごと体験!日本の文化」。
「浮世絵」「うるし」など東京国立博物館の展示に関連したテーマをとりあげた、大人も子どもも楽しめる、体験型の展示です。
※会場内では消毒等、新型コロナウイルス感染予防対策を徹底して行っています。
※本展はデジタルコンテンツや複製品を用いた体験型展示です。体験のモチーフとなっている作品は展示していません。
「浮世絵」「うるし」と並んで人気だった「よろい」のコーナーが、会期後半に模様替えし、「きもの」コーナーとして生まれ変わりました。
会場で目を引くのは、この複製きもの。
もとになった作品は、当館所蔵の「小袖 白綾地秋草模様(しろあやじあきくさもよう)」(通称:冬木小袖)と、「振袖 白縮緬地梅樹衝立鷹模様(しろちりめんじばいじゅついたてたかもよう)」。
どちらも江戸時代・18世紀につくられたもので、重要文化財に指定されています。
ほんものの作品展示ではなかなか見られない、着付けた状態の複製きもの
複製きものの横にはテーブルと椅子が並べられ、ゆっくりと「きものぬりえ」を楽しめる空間になっています。
足を休めてちょっと一息。ぬりえに没頭できる空間です
こちらのコーナーでは、寛文年間(1661~1673)に初めて刊行された、雛形(ひいながた・今でいうファッション雑誌)に載っていたきものデザインのぬりえに挑戦できます。
ぬりえイメージ
ちなみに江戸時代には、流行に合わせて200種類以上もの雛形本が出回ったそうです。
たとえば、この雛形本の右ページのデザインによく似たきものが、当館のコレクションにもあります。
「新撰御ひいなかた」より 江戸時代・寛文7年(1667)
振袖 白綸子地大菊小花模様(しろりんずじおおぎくこばなもよう) 江戸時代・17世紀
それから、こちらの雛型本のデザインによく似た赤いきものを着ている立ち姿の女性が描かれた絵もあります。
「美女ひいながた」より 江戸時代・享保12年(1727)
婦女納涼図 西川祐信筆 江戸時代・18世紀 井上猛氏寄贈
雛形に出てくるデザインが、実際に町で流行していたものであったことがよくわかります。
雛形をモチーフにしたきものぬりえのデザインを見て、どんな色のきものがあったらいいかなと、想像を膨らませながら楽しんで色をぬっていただければと思います。
思い思いの色をぬって細かい模様やデザインの工夫をお楽しみいただいたあとは、当館で展示している実際のきものをあわせてご覧ください。
日本の文化の奥深さをより感じていただけることでしょう。
本展は2月28日(日)まで開催しています。
※入館は、オンラインでの事前予約(日時指定券)制となっております。
詳しくはウェブサイトをご確認ください。
カテゴリ:教育普及
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2021年02月11日 (木)