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日中平和友好条約締結40周年記念 特別企画「中国近代絵画の巨匠 斉白石」開幕!

10月30日(火)、日中平和友好条約締結40周年記念 特別企画「中国近代絵画の巨匠 斉白石」が開幕しました。
会場は東洋館8室です。




皆様は画家である斉白石[せいはくせき]をご存知でしょうか。
日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、
中国ではかなり知名度の高い、中国近代絵画を代表する巨匠です。

この展覧会では、中国にある北京画院が所蔵する斉白石の優品をご紹介します。

この展覧会は斉白石の絵画を花木、鳥獣、山水などの主題で6章に分けて展示し、
第7章で書と印を紹介しています。
また、画稿や日記、文具などの遺品も展示しています。

斉白石は様々な作品を手がけました。

魅力1
華やかな色づかい!


報道内覧会の様子。
左手の作品は斉白石が北京の西に住んでいるときに描いた「桃花源図」(展示期間:~11月25日(日))



斉白石は日々の生活の中で目にし、その中でふと心にとまった植物の美しさを表現に取り入れました。
華やかな彩色やみずみずしい墨面、闊達な筆線といった魅力に溢れている花木の表現にご注目ください。

魅力2
精密な描写


工虫画冊(第一図:白花と鳳蛾) 斉白石筆 中国 1949年 北京画院蔵 (展示期間:~11月25日(日))
絵具のにじみを生かして墨色豊かに仕上げた植物と、繊細に描きこんだ昆虫を組み合わせた画冊です



斉白石には簡素な描写の作品が多いと思われがちですが、触覚や脚、羽の文様など、
細かな特徴を正確に把握した精密な描写で描く作品もあります。昆虫の精密描写は、超絶技巧の極みです。
斉白石が虫の姿をよく観察していたことがうかがえます。

魅力3
語りかけるまなざし


雛鶏出籠図 斉白石筆 中国 20世紀 北京画院蔵 (展示期間:~11月25日(日))
愛くるしいヒヨコのまなざしにご注目ください



斉白石が描く鳥たちの特徴は、なんといってもこちらに語りかけてくるような鳥のまなざしです。
このような鳥たちのまなざしは、斉白石が敬愛する先人の画家が描く作品にも見られます。
先人への共感を鳥たちに込めたのかもしれません。

魅力4
独創的なデフォルメ


(右)執扇仕女図 斉白石筆 中国 20世紀 北京画院蔵 (展示期間:~11月25日(日))
(左)老当益壮図 斉白石筆 中国 20世紀 北京画院蔵 (展示期間:~11月25日(日))



斉白石は若いころ、写実的な肖像画や細密な美人画などを手がけていましたが、
後に単純な造形を好むようになりました。
愛らしく変形された身体でありながら、量感を的確にとらえている技巧には、
新鮮味を失わず、常に創造を求めている斉白石の心意気がうかがえます。

以上、斉白石の魅力を簡単にご紹介しましたが、ご紹介しきれていない魅力はまだまだあります。
この展覧会の作品はいずれも日本初公開、更には、総合文化展観覧料金でご覧いただけます。
会期は12月25日(火)まで、ぜひお見逃しなく。


※会期中展示替を行います。
前期:2018年10月30日(火)~11月25日(日)
後期:2018年11月27日(火)~12月25日(火)

カテゴリ:中国の絵画・書跡特別企画

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posted by 柳澤想(広報室) at 2018年11月02日 (金)