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1089ブログ

トーハクくんのなるほートーハク「考古展示室を潜入調査だほ」

トーハクくんとユリノキちゃんがやってきたのは、リニューアルのため休室中の平成館考古展示室
本日のミッションは、10月14日(水)にリニューアルオープンを控えた考古展示室への潜入調査です。
さてさて、考古展示室はどのように変わるのでしょう?
※今回は、『東京国立博物館ニュース8・9月号』掲載の記事に加筆した、特別バージョンでお届けします。


このトビラの奥に、リニューアルのひみつが隠されているんだほ

いよいよ調査スタート!


1.大スター「挂甲の武人」にいきなり遭遇!
ほー! 挂甲の武人(けいこうのぶじん)さんだほ。
トーハクで大人気の埴輪(はにわ)のひとつね。
武人なのに、あどけないかわいい表情をしていて、このギャップにキュンとしちゃうわ。
いきなりスターを投入してユリノキちゃんをときめかせるなんて、新しい考古展示室はハートをつかむのがうまいんだほ。
スターどころか、トーハクの王子様よ!
むむ。同じ埴輪としてちょっとジェラシーなんだほ…。

 
国宝 埴輪 挂甲の武人
群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀
※(左)現在、展示ケース内の「埴輪 挂甲の武人」はレプリカです


考古展示室に入ってすぐ、2人が出会ったのは国宝「埴輪 挂甲の武人」。
トーハク所蔵の埴輪のなかでも抜群の知名度を誇る作品です。
リニューアルを機に、専用のケースを新設しました。
新しい考古展示室では、トーハクのスター、もといプリンスが皆様をお出迎えします。

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2.もしかして、展示が見やすくなった・・・?
あれ…? そういえば、なんだか展示ケースのなかが見やすくなった気がするほ?
そういわれてみれば、あまりケース越しって感じがしないわ。
もしかして、特別展示室のようにガラスの反射がおさえられているんじゃないかしら?
きっと照明も変わったんだほ。だから見やすいんだほ。
こういう展示室の環境だと、つくりの細かい作品もじっくり見られるわね。

 
まだ作品は展示されていませんが、腕利き調査員(自称)である2人は、展示ケース内がリニューアル前に比べて、より見やすくなっていることに気がつきました。
展示ケースのガラスには低反射フィルムが貼られ、さらにLED照明や有機EL照明も導入し、作品が一層見やすくなります。

やっぱり見やすくなったんだほ。気がついたぼくはスゴイんだほ。
はいはい(ため息)。

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3.展示がバージョンアップ!!
リニューアルっていうわりには、壁沿いのケースはそのままみたいだけど…。
ふふふ…。ユリノキちゃんは、まだまだなんだほ。
な、なによ。
確かに壁沿いのケースはそのままだけど、新しい展示室では、壁沿いに展示を一周すると、日本の歴史がたどれるようになったんだほ。
!!!
時代ごとの「テーマ展示」もあって、各時代についてもっと深く知ることができるんだほ。
なんで、トーハクくんがそんなことまで知っているの?
それはもちろん、ここに来る前に研究員さんにお話を聞いてきたからだほ。
もう、ひとりで行くなんてずるいじゃない!
ふふん♪ どんな展示になるか、今から楽しみなんだほー!

通史展示  
(左)壁沿いのケースでは「通史展示」を展開します
(中央)重要文化財 みみずく土偶(どぐう)
埼玉県さいたま市 真福寺貝塚出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年

縄文人の祈りの形を紹介するテーマ展示で展示されます
(右)素弁蓮華文軒丸瓦(そべんれんげもんのきまるがわら)
奈良県明日香村 飛鳥寺出土 飛鳥時代・6~7世紀
飛鳥時代の瓦のコーナーでは、瓦がどのように葺かれていたかがわかるような展示方法をとります

思わぬトーハクくんの抜け駆けでしたが、おかげでどんな展示構成になるかがわかりましたね。
展示は、大きくは「通史展示」と「テーマ展示」の2種類。
まず、壁沿いに展示室をぐるりと一周すると、旧石器時代から江戸時代まで、考古学で日本の歴史が追えるようになります。
また、テーマ展示によって各時代についての理解を深めることができます。
さらに、展示方法自体の見直しもしているので、リニューアル前よりも一層わかりやすい展示室になります。
随所に工夫を凝らした展示に、ご期待ください。

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4.展示室 in 展示室。謎の小部屋を発見!
こ、こんなコーナーは今までなかったほ。意味ありげな空間だほ。
これは何かスゴイものが展示されるんじゃないかしら?
中にあるのは、展示台がひとつと展示ケースがひとつだけだほ。
つまり、ここには2件の作品しか展示しない…?
そんなスペシャルな作品って何なんだほ?


2人の推理どおり、この独立コーナーに展示されるのはたった2件。
江田船山古墳出土の国宝「銀象嵌銘大刀(ぎんぞうがんめいたち)」と岩戸山古墳出土の重要文化財「石人(せきじん)」です。
「銀象嵌銘大刀」は古墳時代の漢字の使用例として大変貴重な作品で、「石人」は埴輪と一緒に古墳に立てられたもので、北部九州地方の一部にしか見られない独特の作品です。


(左・中央)国宝 銀象嵌銘大刀
熊本県玉名郡和水町 江田船山古墳出土 古墳時代・5~6世紀

(右)重要文化財 石人
福岡県八女市吉田 岩戸山古墳出土 古墳時代・6世紀


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5.埴輪の展示がダイナミックに生まれ変わる!
ほー! このおっきな展示台はもしかして…
ま、まさか…
埴輪の展示台なんだほ?!
リニューアル後は2つの展示台が並んで設置されるのね。
ここにズラリと埴輪(ともだち※)が展示されるんだほ。すごい迫力なんだほ!!
※埴輪と書いてともだちと読む。埴輪であるトーハクくんにとって、形や時代の違いはあっても、埴輪はみんな友達なのです。


リニューアル前の考古展示室のハイライトといえば、埴輪の露出展示です。
この埴輪の展示がリニューアルによって、さらにパワーアップ!
展示台は2つとも作り直し、今までは離れて設置されていたのを、2つが連なるように置かれます。
埴輪がズラリと展示された展示台が連なる様子は、想像するだけでも興奮の迫力です!

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調査終了!

なるほー! リニューアルで考古展示室はいろんなところが新しくなるんだほ。
リニューアル前よりもさらに見やすく、わかりやすい展示室になりそう!
10月14日(水)のリニューアルオープンが楽しみなんだほー!

最後に皆様にお知らせです。
考古展示室リニューアルオープンにあたり、我らがトーハクくんが広報大使を務めることになりました。
リニューアルオープン後、1089ブログで考古展示室の見どころを、トーハクくんがたくさんご紹介する予定です。
どうぞお楽しみに!

カテゴリ:考古トーハクくん&ユリノキちゃん展示環境・たてもの

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posted by トーハクくん at 2015年08月21日 (金)