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140周年ありがとうブログ

特別展をとおして出会う、すべてのひとにありがとう。

トーハクの特別展は、さながらオーケストラの演奏会のようです。
それに例えるなら特別展室の仕事はステージマネージャーといったところでしょうか。

特別展を担当する研究員たちをオーケストラの指揮者に見立てたとき、
広報や教育、国際交流、警備など、館内の関連部署をはじめ、
館外では共催するマスコミ各社や、図録、施工、輸送、会場監視などの
関連する専門業者の方々という、種類の違う多くの楽器群各パートが、
指揮者の考える音すなわち展示を目指し、おのおの持てる力を尽くして、
ひとつの演奏会ならぬ特別展を作り上げていきます。

特別展室では、これらの準備進行をすべて把握し、担当研究員をはじめとする内外の関係者と
打ち合わせを重ね、毎回異なる作品とテーマにあわせた展示環境を用意します。
この過程には、時に百人規模で特別展に関わる人たちの高い技術と経験が不可欠です。
特別展に関わるみなさま、いつもありがとうございます。


先日、しまねっこが特別展「出雲―聖地の至宝―」(本館特別5・4室、~11/25まで開催)を応援しにきてくれました。
しまねっこの背中のちょうちょ結びは島根とみんなを結ぶだにゃ!とのこと。


ちょうど去年の今頃、特別展「北京故宮博物院200選」の準備が佳境にさしかかる中、
困難を極める状況が続き、展示の準備も計画通りに運ばずにいました。
故宮展に関わった人たちは誰も、それぞれの抱える大変厳しい状況に眠れぬ日々を過ごしていたと思います。

そんなにっちもさっちもいかない状況に私自身も頭を抱えていたある時、
ふと通りかかった某部長が、ポンポンと肩を叩いて、笑顔で声をかけてくださいました。

“やまない雨と、開かない展覧会はない。”

本当にその通り!前のめりになりガチガチになったココロと身体では、
周りも全く見えずにフットワークが悪くなるばかり、当然物事もうまく運びません。

たとえ今は雨が降っていても、いずれは晴れるように
どんな困難に直面しても、笑顔で前を向いて歩みを進めていけばいい。
(という意味に受け取りましたが、主旨が違っていたらご指摘ください)


特別展「北京故宮博物院200選」(平成館)思い出の会場入り口グラフィックと会場。
初来日となった「清明上河図」が話題となりました。


そしてその言葉のとおり、よく晴れた今年の1月2日、
平成館は入りきらないほどのたくさんのお客様でにぎやかな年明けを迎えました。

人の手によって生み出された作品は、他でもない、人の手に拠って代々守られ大切に受け継がれてきました。
その歴史を含めた価値を、今を生きる多くの人に伝える機会が特別展だと思います。

特別展と作品をとおして出会う、過去・現在・未来のひとにありがとう。

カテゴリ:2012年11月

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posted by 高木結美(特別展室) at 2012年11月22日 (木)