本館 16室
2009年4月21日(火) ~ 2009年6月7日(日)
日本各地を訪ねた紀行文や名所・旧跡にまつわる資料を地域ごとに紹介する「シリーズ日本を歩く」は、これまで「蝦夷(えぞ)・北海道編」「東北編」を開催してきました。
3回目にあたる今回は「甲信越編」です。甲信越地方は現在の山梨県・長野県・新潟県の3県を指し、古代律令制下に設けられた甲斐(かい)国(甲州)・信濃(しなの)国(信州)・越後(えちご)国の3国とおおむね一致します。
しかしこの地域は、地域内に核となる行政・経済の中心があるわけではなく、政治・経済、歴史のうえでもまとまった地域区分ではありません。また、甲信地 方は急峻な山岳の中に盆地が点在し、山を越えた越後地方には沃野が広がるというような、多様な地形がこの地域の特徴です。それぞれの国が山々によって隔て られているともいえるでしょう。そのため、この地域には交易・流通の手段がないようにも思えます。しかし、実際には河川や街道を利用し、人や物の往来は盛 んでした。今回の展示では佐渡の資料もあわせて展示いたします。交易や流通で賑わうこの地域の実際の様子を伝える資料を、甲信越をめぐるような気分でお楽 しみ下さい。