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挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」開幕!

挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」が10月16日(水)より開幕しました。

本展は、当館が所蔵する「埴輪 挂甲の武人」が昭和49(1974)年に国宝に指定されてから50周年を迎えることを記念するものです。

国宝 埴輪 挂甲の武人
群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵


東北から九州まで、全国約50箇所の所蔵・保管先から約120件の至宝が空前の規模で集結しています!
展示室の様子をさっそく見てみましょう。

入口で皆さまをお迎えするのは、今年の3月末に修理が完了し初のお披露目となる「埴輪 踊る人々」です。

埴輪 踊る人々
埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀 
東京国立博物館蔵

「埴輪」と言えばこの姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
丸い目とぽかんと開いた口。当館の代表的な所蔵品のひとつです。

第1章「王の登場」は、なんと国宝だけで構成された贅沢な展示室です。

国宝 金象嵌銘大刀(きんぞうがんめいたち)
奈良県天理市 東大寺山古墳出土 古墳時代・4世紀 
東京国立博物館蔵


国宝 金製耳飾(きんせいみみかざり)
熊本県和水町 江田船山古墳出土 古墳時代・5~6世紀 
東京国立博物館蔵

中国大陸や朝鮮半島との関係を示す国際色豊かな副葬品から、当時の朝鮮半島の最新ファッションまで、埴輪がつくられた時代とその背景をうかがい知ることができます。

第2章「大王の埴輪」に進むと、大迫力の円筒埴輪が登場。

重要文化財 円筒埴輪
奈良県桜井市 メスリ山古墳出土 古墳時代・4世紀
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館蔵


大きさもさることながら、驚くべきはその薄さ。技術の高さにもご注目ください。

そしてさらに進むと…

第3章「埴輪の造形」では、北は岩手県、南は鹿児島県まで日本列島の幅広い地域でつくられた埴輪をご紹介します。
かなり個性的で独特な造形の埴輪たちに出会うことができます。

目が合ってしまう円筒埴輪や…

顔付円筒埴輪
群馬県前橋市 中二子古墳出土 古墳時代・6世紀
群馬・前橋市教育委員会蔵(大室はにわ館保管)


中心の家のまわりに四つの小さな建物がついた珍しい家形埴輪など…

重要文化財 子持家形埴輪
宮崎県西都市 西都原古墳群出土 古墳時代・5世紀 
東京国立博物館蔵

まだご紹介したい埴輪がたくさんありますが、次に進みましょう。

第2会場に入ると、遂にあの埴輪たちが集結!

(左から)重要文化財 埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市世良田町出土 古墳時代・6世紀 奈良・天理大学附属天理参考館蔵
埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市出土 古墳時代・6世紀 アメリカ・シアトル美術館蔵
国宝 埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵
埴輪 挂甲の武人 群馬県伊勢崎市安堀町出土 古墳時代・6世紀 千葉・国立歴史民俗博物館蔵
重要文化財 埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市成塚町出土 古墳時代・6世紀 群馬・(公財)相川考古館蔵

5体の挂甲の武人に囲まれると、自分が古墳時代の王になって守られているような気持ちを味わうことができます。
兄弟のようによく似た5体ですが、身につけている武具や足の表現などに細かい違いがあります。ぜひ会場でじっくり360度ご鑑賞ください。

そして、詳細な観察・分析を経て制作された埴輪 挂甲の武人の彩色復元が登場。製作当時の姿をご覧いただけます。

埴輪 挂甲の武人(彩色復元)
令和5(2023)年
原品:群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵
制作:文化財活用センター

第5章「物語をつたえる埴輪」は、複数の人物埴輪や動物埴輪などの組み合わせで表現される”物語”に着目した展示になっています。

古墳をガードする盾を持った人物や、四股を踏み土地を鎮める力士など、様々な役割を担った人物埴輪がずらっと並んでいます。


こちらには動物埴輪がたくさん並び、まるで行進しているようです!



犬形埴輪
群馬県伊勢崎市 剛志(上武士)天神山古墳出土 古墳時代・6世紀
東京国立博物館蔵

こちらは犬形埴輪。首輪には鈴がつけられており、人に飼われていることが分かります。
古墳時代から首輪に鈴をつけていたんですね…

最後の展示室、エピローグ「日本人と埴輪の再会」では、近世以降から現代にいたるまで、埴輪がどのように捉えられてきたかを紹介します。

武人埴輪模型
吉田白嶺 大正元年(1912年) 
東京国立博物館蔵

鎧兜を身につけた平安時代の武者姿。明治天皇陵(京都府京都市 伏見桃山陵)に奉献された埴輪と同じ型でつくられたものといわれています。
江戸時代以降、考古遺物への関心が高まったことで、埴輪が再び注目されるようになりました。

埴輪の魅力が満載の展示室をご覧になった後は、ぜひ会場内特設ショップにもお立ち寄りください!

特別展「はにわ」は12月8日(日)まで、金曜日・土曜日、そして11月3日(日・祝)は20時まで(入館は19時30分まで)夜間開館を実施します。
東京会場でのみ展示の作品もございますので、お見逃しなく!

挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」公式サイト

 

カテゴリ:「はにわ」

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posted by 小松亜希子(広報室) at 2024年10月18日 (金)