ほほーい、ぼくトーハクくん!
10月21日(金)、京都国立博物館からトラりんが特別展「禅-心をかたちに-」のPRもかねて遊びに来てくれたんだほ!
「禅」展 会場の平成館前でのスリーショット!
ぼくは今年の5月に初出張でトラりんに会いに行って以来の再会。ユリノキちゃんは初対面だったんだけど、2人はすぐに仲良くなったんだほ!
早速3人で展覧会会場の平成館玄関、ラウンジの写真コーナーや会場入口に登場したんだほ!
「禅」展 撮影コーナー(平成館ラウンジ)にて
トラりん人気はトーハクでもすごくって、本当にここはぼくのホーム?って思ったほ…。
トラりんの前にはたくさんの人が!
そうそう、トラりんから京都土産のお菓子(京都と言えば、というやつ)をもらったんだほ。早速食べたけどはにわクッキー並みにおいしくってびっくりしたほ。京都ってやっぱりすごいほ!トラりん、ありがほー!
トラりんからお土産をもらったほ!
トラりん、初めてのトーハクをとっても楽しんでくれたみたいでうれしかったほ。
トラりんもエスカレーターに乗って「禅」展会場入口へ
特別展「禅-心をかたちに-」は11月27日(日)までの開催だほ!国宝22件・重要文化財102件、禅の名宝がトーハクにいっぱい集まった見どころ満載の展覧会、たくさんの人に来てほしいんだほ!
さて、実は次にトラりんと会えるのはもうすぐなんだほ!11月5日(土)・6日(日)に愛媛県松山市で開催される「ゆるキャラ®グランプリin愛顔のえひめ」に3人で出場するんだほ!体調万全で思いっきり楽しんでくるほ!
カテゴリ:news、トーハクくん&ユリノキちゃん、2016年度の特別展
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posted by トーハクくん at 2016年10月26日 (水)
今年は10月に入っても暑い日が続き、秋の訪れは遅いのかな?と思われましたが、10月下旬になり、ようやく風も心地よい、秋らしい陽気になってきました。
トーハクでは10月25日(火)より、「秋の庭園開放」が始まります(12月4日(日)まで)。
池のほとりのベンチも設置され、準備万端です
今年も庭園内の池には、鴨が飛来しています。池に遊ぶその姿は、訪れる皆さまの目を楽しませてくれることでしょう。
元気に羽ばたく鴨たち
鴨のほか、鵜がやってくることもあります。また、白鶺鴒(ハクセキレイ)などの野鳥も多く、さえずりが響きわたります。
都心のちょっとした野鳥の楽園なのかもしれません。
時には鵜も。よいエサがあるのでしょうか
おすすめポイントは、池の対岸から見る本館。
庭園公開をしているこの時期にしか見られない、本館のうしろ姿をぜひご覧ください。
普段はお目にかかれない、本館のうしろ姿です
また、由緒ある5棟の茶室も、近寄ってご覧いただけます(茶室内にはお入りいただけません)。
春とはまた違う趣の茶室(写真は春草廬)もお楽しみください
そのほか、5代将軍徳川綱吉が法隆寺に献納した五重塔や、石碑、燈籠など、庭園を散策しながら探してみてください。
庭園内にはカフェが出店しますので、作品鑑賞の合間のコーヒーブレイクにどうぞご利用ください。
今年の上野公園の紅葉予報は11月下旬とのこと。
葉が色づくにはまだ少し早いですが、自然いっぱいのトーハクの庭園で秋を感じてみてはいかがでしょうか?
昨年(2015年)の紅葉です
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2016年10月24日 (月)
ほほーい! ぼく、トーハクくん!
今日は特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」を見に来たほ。
展覧会の担当研究員の西木さんと、会場入口で待ち合わせしているんだけど・・・
トーハクくん、こっちだよ!
↑西木研究員に似ているかもしれない重要文化財「観音菩薩立像(N-183)」/法隆寺宝物館第2室で展示中
あ、西木さん! こんにちは。
「平安の秘仏」展の会場は本館だよ。間違えないように注意してね。
大きな垂れ幕が目印です
さあ、展示室に行くほー!
ちょっと待って、トーハクくん。展示室に行く前に質問です。
ほ?
滋賀県といえば?
琵琶湖!
ほかには?
えーと、えーと?
滋賀県といえば、琵琶湖、T.M.Revolution、そして仏像だよ!
は、初耳だほ。
滋賀県民の常識です。
※西木研究員は滋賀県出身です。
・・・琵琶湖とT.M.Revolution(滋賀県出身のミュージシャンで滋賀ふるさと観光大使だほ。この前、展覧会を見に来てくれたほ)はわかるけど、え、仏像?
滋賀県は天台宗の総本山、比叡山延暦寺のお膝元だよ! 滋賀県には優れた仏像が多く、国宝・重要文化財に指定される仏像は奈良県、京都府についで第3位の件数なんだよ!! いわば滋賀県は仏像ワンダーランド!!!
ほとばしる滋賀県愛がまぶしいほ。
今回の展覧会は、仏像ワンダーランド・滋賀県の櫟野寺(らくやじ)につたわる、重要文化財の仏像全20体を紹介する展覧会なんだよ。
ほー。
じゃあ、さっそく展示室に行こう。
「なんでこんなに大きいの?」
重要文化財 十一面観音菩薩坐像
平安時代・10世紀
滋賀・櫟野寺蔵
!!!
櫟野寺のご本尊です。
お、大きい・・・。
像高約3.2m、台座と光背も含めると5mを超えるという、重要文化財に指定される十一面観音菩薩坐像では日本一の大きさだよ。
なんでこんなに大きな仏像をつくったんだほ?
これが仏像の理想のサイズなんだ。「仏様に願いを叶えてもらうには、決まった形・大きさで作らないといけない」って、経典に書いてあるんだよ。
こんなに大きいのが理想?
昔の単位で高さ一丈六尺。このサイズでつくられた像を丈六仏(じょうろくぶつ)と、言います。
一丈六尺?
立った状態、つまり立像で4.8m、坐像だと2.4mだね。
ほ? 2.4m?? さっき西木さんは、この観音様は3.2mって言ってたほ。
あ、気がついた? トーハクくん、鋭いね。
ふふん♪
仏像にはさまざま冠の形や髪型があるから、高さがそれに左右されないように、髪の毛の生え際ではかるんだよ。
あ、髪の毛の生え際だと約2.4mだほ!
ね、この像はまぎれもなく丈六仏でしょう?
と、いうことは、この観音さまにお祈りすれば、ぼくのお願いごとも叶えてもらえるってことだほ?!
叶うといいね(笑)。
「大好きなはにわクッキーをおなかいっぱい食べられますように」
いやはや、いくら理想のサイズとはいえ、つくるのにお金も時間もかかって、きっと大変だったんだほ。
実際のところ、かなり大変だったと思うよ。
我々も、運んで展示するのにかなり苦労したからね。観音の大きさを身をもって知ったよ・・・。
ああ、西木さんが遠い目をしているほ。
この像がお寺の外に出るのは、二度とないと思うよ。並大抵のことじゃないからね・・・。
「一木造の大観音」
こんなに大きなご本尊だけど、この像は一木造、つまり頭と胴体を1本の木から彫り出しているんだ。
ほー!
横から見ると元となった木の太さ、大きさが想像できるんじゃないかな。
きっと、とっても立派な木だったんだほ。
台座と光背を除いても740kgもあります。
ユリノキちゃんの体重の何倍かな・・・なんてことをしゃべったら、ユリノキちゃんに呼び出されるところだったほ。危なかったほ。
トーハクくんも、苦労しているんだね(苦笑)。
この一木造ならではの重量感も、この像の魅力だと思うんだ。
「大観音は誰がつくったの?」
現在の櫟野寺本堂(滋賀県甲賀市)
こんなに大きな観音様を、一体誰がつくったんだほ?
うーん、実は記録が残っていなくて、よくわからないんだけど、「最澄(さいちょう)がイチイの大木に仏像を刻んだのが寺の始まり」と、櫟野寺に伝わっているんだ。
最澄さん、よく聞く名前だほ。
日本に天台宗を広めた、平安時代初期のお坊さんだね。
この観音像は、最澄の頃から150年ほどくだった10世紀中頃につくられたものだけど、この時期に延暦寺が、櫟野寺のある滋賀県・湖南地域で布教をしていたようなんだ。だから、この観音像も布教の過程で、延暦寺に関係のある工房でつくられたんじゃないかな。
それにしても、穏やかできれいなお顔だほ。ほっとするほ~。
お顔に注目するとはお目が高い! じゃあ、次は仏像のお顔について話そうか。
ほー!
~【平安の秘仏】トーハクくん×研究員の仏像トーク(その2)に続く~
カテゴリ:研究員のイチオシ、トーハクくん&ユリノキちゃん、2016年度の特別展
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posted by トーハクくん at 2016年10月21日 (金)
臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」が、ついに10月18日(火)に開幕しました!
開幕に先立ち、10月17日(月)に開会式・内覧会を行い、多くのお客様にご出席いただきました。
開会式には、こんなにたくさんのお客様にご出席いただきました
本展は、鎌倉時代から江戸時代にいたる日本における禅の歴史を、禅宗寺院に花開いた禅の美術で辿る展覧会です。
作品数はなんと計239件! 国宝22件、重要文化財102件を含む、禅の名宝がトーハクに集まります。
まずは禅の初祖達磨さんがお出迎え
会場は5章構成になっています。
第1章・2章では禅の歴史について、第3章では戦国武将と禅僧の関係について、それぞれ作品を通してご紹介します。
第3章 左は「織田信長像」 狩野永徳筆 安土桃山時代 天正12年(1584) 京都・大徳寺蔵
11/6(日)まで展示
第4・5章では仏像や仏画、茶の湯、水墨画、障壁画など、禅宗寺院にまつわる禅の美術をご覧いただきます。
第4章展示風景
第5章展示風景
第5章 重要文化財「南禅寺本坊小方丈障壁画のうち 群虎図」 狩野探幽筆 江戸時代 17世紀 京都・南禅寺蔵
場面替えあり。この場面は11/6(日)まで展示
なかには、禅の教えを分かりやすく示した作品や、近世禅画を代表する白隠の作品もあります。
「禅なんて難しそう…」という方も、会場を出る頃には「禅についてもっと知りたい!」と思われるのではないでしょうか。
第3章展示風景 白隠の作品が並びます
臨済・黄檗両宗15派の全面協力のもとに実現した、過去最大級の禅の展覧会です。
まさに「禅宗美術展の決定版」といえます。
また、会期中はお坊さんによる「禅トーク」や、禅語を書く「写禅語」、「尺八コンサート」など、禅を体感できるイベントが盛りだくさんです。
会期は10月18日(火)~11月27日(日)です。
*会期中、一部作品、および場面の展示替を行います。作品リストはこちらです。
この秋、トーハクで禅の美を堪能してください!
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2016年10月20日 (木)
平成館考古展示室の奥、古墳時代の展示スペースの一角に、特集「後期の古墳文化-海北塚古墳展-」(展示期間:2016年7月20日(水) ~ 2016年10月30日(日))がございます。6世紀の後期古墳文化を代表する環頭柄頭、馬具、須恵器を中心に展示しています。
平成館考古展示室の特集コーナー
なかでも展示の核となる大阪府茨木市に所在する海北塚古墳出土品は、明治42(1909)年・昭和10(1935)年に発見されました。
この度、発掘されて100年ほど経ちますが、これまで個別に展示をすることがあっても、まとめて展示をするのは初めてです。
海北塚古墳出土品は、古墳時代の年代を決める上で欠かせない資料として注目されてきました。例えば、環頭柄頭は、朝鮮半島から伝来した日本列島最古のものであり、龍の形がリアルに表現されています。馬具は大変状態が良く、それまでの伝統的な形から「新羅系馬具」への転換を示す、6世紀後半における馬具の基準資料です。そして、須恵器は昭和30年代に「海北塚式須恵器」として全国的に知られるようになりました。これらの資料の特性から、今回の展示コンセプトは「モノの変化」といたしました。
金銅装パルメット文鏡板・杏葉
大阪府茨木市 海北塚古墳出土
古墳時代・6世紀
ここでは刀の柄にあたる部分の装飾に使われた環頭柄頭について、まず、変化の方向についてみたいと思います。環のなかには横を向いた龍や鳳凰がいます。原型となった朝鮮半島の武寧王陵から出土した環頭柄頭の龍は、リアルに表現されています。日本列島に伝来したばかりの海北塚古墳例もまた、比較的、龍の形がはっきりとわかります。しかしながら、龍や鳳凰は日本列島ではあまりなじみがなかったのか、模倣を重ねるにつれて写実的で立体的なものから、簡素なものへと徐々に形が変わります。例えば、龍は歯や頸毛の表現がなくなり、鳳凰は玉を噛まなくなります。まるで伝言ゲームで言葉が変化するみたいです。
単龍環頭柄頭
大阪府茨木市 海北塚古墳出土
古墳時代・6世紀
次に馬具は、日本列島では大陸の影響を受けながら様々な形の馬具が、時期をずらしながら出現したのが特徴です。鏡板は馬を操作するための轡に付属する金具で、杏葉は馬の背中から尻を装飾するための金具です。この鏡板と杏葉の変化をみると、5世紀末頃にはf字形鏡板や剣菱形杏葉が出現し、6世紀にも形を徐々に変えながら普及します。そして6世紀に入ると鐘形・花形・心葉形といった多様な形状をもつ鏡板や杏葉も時期をずらしながら現れます。
左上:変形剣菱形杏葉
群馬県伊勢崎市 恵下古墳出土 古墳時代・6世紀
右上:鐘形杏葉
岡山県倉敷市 王墓山古墳出土 古墳時代・6世紀(矢尾寅吉氏寄贈)
左下:心葉形杏葉
静岡県島田市 御小屋原古墳出土 古墳時代・6世紀
右下:花形杏葉
群馬県前橋市 大日塚古墳出土 古墳時代・6世紀(町田栄之介氏・田村銀平氏外3名寄贈)
最後に須恵器は、個々の種類(器種)ごとに変化します。「世界考古学大系」(昭和34年発行)では、須恵器を9つの段階(様式)に分類しています。その内、古いほうから2番目にあたる「穀塚式」の京都府穀塚古墳出土品、3番目にあたる「陽徳寺式」の福井県獅子塚古墳出土品、6番目にあたる大阪府海北塚古墳出土品を今回展示しました。見比べながら須恵器の変化をご覧いただければ幸いです。
海北塚古墳から出土した須恵器
今回の特集は、10月30日(日曜日)に終わります。ぜひ平成館の考古展示室へお越しいただき、古墳時代のモノづくりに思いを馳せていただければ幸いです。
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posted by 河野正訓(考古室研究員) at 2016年10月14日 (金)