本館 14室
2024年4月2日(火) ~ 2024年5月26日(日)
世界では多様な仮面が作られ、使われてきましたが、日本ほど様々な種類の仮面が作られ、さらに古い時代の仮面も数多く伝わっている国はありません。飛鳥時代以降の仮面は主に芸能で使用されており、伎楽(ぎがく)面、舞楽(ぶがく)面、能面、狂言面、神楽(かぐら)面と、その仮面が使用される芸能ごとに分類され、また発展してきました。
今回ご紹介する行道面は寺社で行なわれた法要で使われました。例えば経典や仏舎利などをのせた御輿(みこし)の担ぎ手が、仏教の守護神である八部衆、二十八部衆の仮面を着け練り歩きました。来迎会(らいごうえ、迎え講)では、等身大あるいはそれより大きな阿弥陀如来立像を引き手の付いた車に乗せ、菩薩の面を着けた二十五人の人々が現れて阿弥陀二十五菩薩の来迎を表します。追儺会(ついなえ、鬼やらい)では、毘沙門天が鬼を追い払う様子を演じ、災いを払う仏教の力を視覚化しました。
仮面を着け演じることによって祭礼がにぎやかになり、またわかりやすく人々に受け入れられたのでしょう。使われた時の様子を想像しながら、役柄をどのように表そうとしたのか、造形的な工夫にも注目しながらご覧ください。