特別展「ポンペイ」は、個人利用にかぎり展示室内で写真撮影ができます。
撮影はご自身で行ってください。
画像をご使用の場合は利用者の責任においてお願いします。
展覧会主催者は一切の責任を負いません。
混雑状況など、主催者の判断により展示室内での写真撮影を中止する場合もあります。予めご了承ください。
注意事項等、詳細は展覧会公式ウェブサイトをご確認ください。
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展覧会のみどころ
第1章 ポンペイの街:公共施設と宗教
第2章 ポンペイの社会と人びとの活躍
第3章 人びとの生活:食と仕事
第4章 ポンペイ繁栄の歴史
第5章 発掘の今むかし
第1章 ポンペイの街:公共施設と宗教
古代ローマの都市生活に欠かせないのが、街のインフラと公共施設です。1万人ほどの人口を擁したポンペイの街にも、フォルム(中央広場)、劇場、円形闘技場、浴場、運動場といった公共施設がありました。
本章では、こうした公共施設にまつわる作品を鑑賞しながら、ポンペイの街へ思いを馳せていただきます。神々を祀る神殿もまた都市に必要な要素でした。ポンペイで信仰されたアポロ、ウェヌス、イシスといった神々に関する作品を通じて、ポンペイにおける宗教と信仰についてもご紹介します。
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ビキニのウェヌス
高さ63cm
沐浴する直前のウェヌスの姿を表現。サンダルを脱ごうとしている美の女神を、プリアプスとクピドが支えている。
装身具を表わす金彩や彩色が残存している。邸宅の広間にあった水盤の前に設置されていた。
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第2章 ポンペイの社会と人びとの活躍
ポンペイの街で暮らした裕福な市民たち。本章では、その暮らしぶりが分かる出土品を展示します。宴席を飾った豪華な品々、教養人であることを示そうとした家財や装飾から、裕福な市民の嗜好が浮かび上がります。 また、街の有力者の多様な出自にも注目します。ポンペイの資産家には、ビジネスの才覚でのし上がった解放奴隷や低い出自の女性もいたのです。こうした人物に因んだ発掘品からは、一発逆転のチャンスがあった古代ローマ社会の動的な側面がうかがえます。
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ブドウ摘みを表わした小アンフォラ
(通称「青の壺」)
高さ32cm
カメオ・ガラスと呼ばれる技法で制作された容器で、紺青色ガラスに白色ガラスを重ねています。
精緻な浮彫りが白色ガラスの層に施され、ワイン作りに勤しむクピドたちの姿などが表現されています。
完全な形のまま現存するカメオ・ガラス容器はとても貴重です。
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第3章 人びとの生活:食と仕事
ポンペイの街中にはパン屋や、テイクアウト可能な料理屋があり、手軽に食事をとることができました。裕福な家には台所があり、使用人たちが調理し、食事を供しました。 本章では、台所用品や食器類、出土した食材を展示し、都市の食生活にせまります。また、医療用具、画材、農具、工具など、ポンペイの住民が使っていた仕事道具を紹介し、 実際にポンペイに生きた人びとの日常生活に触れていただきます。
当時の主食は今と同じパン。ポンペイ全体で30軒ほどのパン屋があったと考えられています。実際にこのフレスコ画に描かれたものと似た形をしたパンそのものも出土しており、本展でも展示します。
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第4章 ポンペイ繁栄の歴史
本章では、ポンペイ繁栄の歴史を示す3軒の邸宅「ファウヌスの家」「竪琴奏者の家」「悲劇詩人の家」に注目し、会場内に邸宅の一部を再現します。モザイクや壁画の傑作、出土した生活調度品を鑑賞しつつ、 2000年前の邸宅の雰囲気を感じていただきます。「ファウヌスの家」は前2世紀にさかのぼる古い邸宅で、ヘレニズム美術屈指のモザイク装飾が残されています。「竪琴奏者の家」ではポンペイがローマ化し、 帝政期になってローマ文化が黄金時代を迎えた頃のフレスコ画、「悲劇詩人の家」では噴火直前に描かれたフレスコ画が知られています。順を追って展示品を鑑賞することで、ポンペイの繁栄の歴史を見ることができます。
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踊るファウヌス
高さ71cm
サテュロスとも同一視された牧神ファウヌスの躍動的なブロンズ像。
発見されたのはポンペイ随一の邸宅で、この像の存在により「ファウヌスの家」と名付けられました。ヘレニズム彫刻の傑作です。
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第5章 発掘の今むかし
本章では、18世紀から現在に至る発掘の歴史を振り返ります。79年のヴェスヴィオ山の噴火で埋没したエルコラーノ(ヘルクラネウム)、ポンペイ、ソンマ・ヴェスヴィアーナの3遺跡をとりあげます。 かつての発掘は美術品を獲得するための「宝探し」でしたが、現在では厳密で慎重な発掘調査が行われています。同時に、遺跡や出土物の保護が、特に重要な課題となっています。 有名な「アレクサンドロス大王のモザイク」も表面の保護に続き、裏面の補修に向けた状態の確認作業が始まっています。本章では、こうした現在進行中の修復作業についても、リアリティのある映像を交えてご紹介します。
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*所蔵表記のない作品図版はすべてナポリ国立考古学博物館蔵
Photos©Luciano and Marco Pedicini