東洋館 5室
2014年5月27日(火) ~ 2014年10月13日(月・祝)
本年、特別展「台北 國立故宮博物院―神品至宝―」にて、清の宮廷に伝わった貴重な北宋汝窯(ほくそうじょよう)、南宋官窯(なんそうかんよう)の青磁が公開される運びとなりました。そこで特集「日本人が愛した官窯青磁」では、当館のほか常盤山文庫(ときわやまぶんこ)、アルカンシエール美術財団など国内所蔵作品を通して、日本における官窯研究の歴史をたどります。
幻の名窯、汝窯、北宋官窯、南宋官窯の青磁とはいったいどのような姿であったのか。20世紀初頭から、日本は中国の青磁を大量に受容し守り伝えてきた文化的土壌を基盤に、独自の研究を展開します。米内山庸夫(よないやまつねお、1888~1969)が南宋官窯窯址で採集した陶片資料も、日本の官窯研究を大きく進歩させました。
窯址発掘調査や化学分析による研究が席巻する現在において、かつて日本人がその鑑識眼をもって官窯としてきたものには、未発見の窯の存在をうかがわせる貴重な青磁も含まれております。
本展示により、今後の官窯青磁研究に一石を投じることができましたら幸いです。