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興福寺創建1300年記念 「国宝 阿修羅展」

  • 『国宝 阿修羅像(部分) 奈良時代・天平6年(734) 奈良・興福寺蔵 』の画像

    国宝 阿修羅像(部分) 奈良時代・天平6年(734) 奈良・興福寺蔵 

    平成館 特別展示室
    2009年3月31日(火) ~ 2009年6月7日(日)

     奈良・興福寺の創建1300年を記念し、国宝・阿修羅展を開催します。旧西金堂の八部衆立像(阿修羅・迦楼羅など8体、国宝)、十大弟子立像(現存6体、国宝)が初めて寺外でそろって公開されるなど、天平彫刻の至宝を一堂に展示いたします。また、中金堂鎮壇具や仮金堂の諸仏なども紹介します。

展示作品一覧へ
2009年6月2日(火) 入場者が80万人に達しました。
2009年5月14日(木) 入場者が50万人に達しました。
2009年4月28日(火) 入場者が30万人に達しました。

開催概要
会  期 2009年3月31日(火)~6月7日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 (上野公園)
開館時間 9:30~18:00 20:00 (入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金・土・日曜・祝・休日は20:00まで開館)

※多数の来館者が見込まれるため、2009年5月29日(金)~6月7日(日)は、連日20:00まで開館時間を延長いたします。(月曜休館)

QRコード ※会場の状況についてはこちら
※携帯専用サイトでも入場待ち時間をご案内しております。
右のQRコードを読み込むか、URL(http://m.asahi.com/go/ashura)を入力してご覧ください。
休館日 月曜日(ただし5月4日(月・祝)は開館、5月7日(木)は休館
※5月7日(木)は開館(18:00まで開館、入館は閉館の30分前まで)いたします。
観覧料金 一般1500円(1300円/1200円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障害者とその介護者一名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
当日券は、東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ、閉館の30分前まで)のほか、電子チケットぴあ(Pコード=986-285)、ローソンチケット(Lコード=34500)、イープラス、CNプレイガイドなど主要なプレイガイドおよび、展覧会公式ホームページ上のオンラインチケットにて2009年3月31日(火)から販売。
前売券は、東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ、閉館の30分前まで)のほか、電子チケットぴあ(Pコード=986-285)、ローソンチケット(Lコード=34500)、イープラス、CNプレイガイドなど主要なプレイガイドおよび、展覧会公式ホームページ上のオンラインチケットにて、2009年1月17日(月)から3月30日(月)まで販売。前売券の販売は終了しました。
ペアチケット(2400円)は、チケットぴあ(Pコード=986-286)、CNプレイガイドにて、2008年12月6日(土)~2009年1月16日(金)まで販売。ペアチケットの販売は終了しました。
「阿修羅ファンクラブ」会員特典引換券付き先行前売券(一般1500円)は、ローソンチケット(Lコード=34510)、イープラス、展覧会ホームページ上のオンラインチケットにて、2009年2月28日(土)まで販売。先行前売券の販売は終了しました。
同時期開催の特別展「Story of …」(2009年3月28日(土)~5月31日(日)、表慶館)は別途観覧料が必要です。両特別展の同時開催期間中(2009年3月31日(火)~5月31日(日))、東京国立博物館正門観覧券売場にて両特別展の当日券を1枚ずつ同時購入の場合、観覧料金の合計金額から100円の割引になります。また、片方の特別展の観覧券の半券をもう一方の特別展の会場入口にお持ちいただくと、半券 1枚につき1回のみ、1人1枚の購入に限り、100円割引で当日券を購入できます(他の割引サービスとの併用はできません)
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1500円を1400円(100円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にてお申し出ください。ただし、2008年度版(2009年1月31日まで販売)は、2009年3月31日まで有効です。2009年度版は2009年4月1日より販売いたします。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1000円(200円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
特別展「国宝 阿修羅展」会期終了後の2009年6月9日(火)~6月28日(日)まで、本特別展半券を当館正門観覧券売場にてご提示いただければ、当館平常展を半額の割引料金でご覧いただけます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、法相宗大本山興福寺、朝日新聞社、テレビ朝日
後  援 文化庁、平城遷都1300年記念事業協会
特別協賛 JAバンク
協  賛 株式会社竹中工務店、三菱商事株式会社、凸版印刷株式会社、東日本旅客鉄道株式会社
特別協力 ソニー株式会社
協  力 ニッセイ同和損害保険株式会社、朝日放送、文化放送、朝日学生新聞社
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(2500円)は、平成館2階会場内、および本館地下ミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は500円でご利用いただけます。
お問い合わせ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会ホームページ http://www.asahi.com/ashura/
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。
関連事業
記念講演会
  第1回「興福寺創建と天平文化」
平成館 大講堂 2009年4月11日(土) 13:30~15:00 受付終了
演題:「興福寺創建と天平文化」
講師:法相宗大本山興福寺貫首 多川 俊映 師

 
  第2回「国宝 阿修羅像について」
平成館 大講堂 2009年4月25日(土) 13:30~15:00 受付終了
演題:「国宝 阿修羅像について」
講師:東京国立博物館特任研究員 金子 啓明

 
  第3回「奈良時代の興福寺と阿修羅像」
平成館 大講堂 2009年5月9日(土) 13:30~15:00 受付終了
演題:「奈良時代の興福寺と阿修羅像」
講師:東京大学大学院教授 佐藤 信 氏
興福寺講座「天平の文化空間の再構成」 当日参加
  平成館大講堂 各日 11:30~、14:00~、16:00~ の3回(各回30分程度)
日程:
2009年4月 1日(水)
2009年4月 8日(水)
2009年4月15日(水)
2009年4月22日(水)
2009年4月29日(水・祝)
2009年5月 6日(水・休)
2009年5月13日(水)
2009年5月20日(水)
2009年5月27日(水)
2009年6月 3日(水)
「国宝 阿修羅展」開催記念
  「阿修羅フォーラム」
平成館 大講堂 2010年3月25日(木) 13:00~16:30 受付終了
プログラム
基調講演:「阿修羅とその時代」 奈良大学教授 東野 治之 氏
基調講演:「阿修羅のこころ」(仮) 興福寺貫首 多川 俊映 師
バーチャルリアリティ映像上映:映像 凸版印刷株式会社
パネルディスカッション:
(コーディネーター)東京国立博物館特任研究員 金子 啓明
(パネラー) 東京国立博物館博物館情報課情報管理室長 丸山 士郎
  九州国立博物館博物館科学課環境保全室長 今津 節生
  東京国立博物館環境保存室主任研究員 和田 浩
  日本通運美術品事業部技術顧問 海老名 和明 ほか
WEB限定ワークシート
阿修羅像についての理解を深め、展覧会をより楽しんでいただくためのワークシートです。
ワークシートは小学生向け「八部衆アルバム」と中・高校生向け「阿修羅のひみつ」の2種類があります。それぞれダウンロード、プリントアウトしてご利用ください。

ワークシート「八部衆アルバム」と「阿修羅のひみつ」へ
同時期開催特別展
日仏交流150周年記念 特別展「Story of …」カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶
会期:2009年3月28日(日)~5月31日(日)
会場:表慶館
観覧料:特別展 「Story of …」の観覧券が必要です。
日仏交流150周年を記念し、フランスを代表するジュエラー、カルティエが所有する1370点のアーカイヴピースを中心に、276点を展示。監修・デザインの吉岡徳仁氏が、それぞれの宝飾品に秘められたストーリーを演出します。
巡回予定
九州国立博物館 2009年7月14日(火)~9月27日(日)
展覧会のみどころ
国宝 阿修羅とその世界
 光明皇后は、母の橘三千代が天平5年(733)に亡くなると、一周忌の供養のため興福寺に西金堂を建立し、釈迦如来、釈迦の十大弟子、四天王、八部衆像などの28体の像、また菩提樹や金鼓(こんく)などの荘厳具を安置しました。釈迦の浄土を立体的に表したものです。この章では、そのうち現在まで伝わる、十大弟子と八部衆、金鼓(華原馨(かげんけい))を展示します。八部衆の少年のような清々しさ、十大弟子の醸す静寂さは、天平彫刻の特徴である写実表現の中でも最も優れた作品群です。
阿修羅像

阿修羅像
   阿修羅像はもと興福寺西金堂に釈迦三尊、梵天・帝釈天、四天王、十大弟子像などとともに安置されていた八部衆のうちの1体です。この堂は光明皇后が前年の1月に亡くなった母橘三千代の一周忌に間に合うように創建したものですが、皇后に仕える役所であった皇后宮職をあげての仕事であり、光明皇后の強い意志が感じられます。

3つの顔と6本の腕をもつ少年のような可憐な像ですが、胴体も腕もとても細く、憂いのある敬虔な表情が脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)の技法でとてもリアルに表現されています。阿修羅はインド神話では軍の神で、激しい怒りを表すのが一般的ですが、興福寺の像に激しさはどこにも見られません。

阿修羅像は、当時、唐からもたらされた『金光明最勝王経』をもとにつくられたと考えられます。そこには、これまでの罪を懺悔して、釈に帰依することが説かれています。阿修羅の表情は静かに自分の心を見つめ懺悔する姿を表したものと考えられます。
国宝 阿修羅像(あしゅらぞう)
奈良時代・天平6年(734)
奈良・興福寺蔵
国宝 八部衆像 (はちぶしゅうぞう)
奈良時代・天平6年(734)
奈良・興福寺蔵
 八部衆は仏の眷属(けんぞく)として取り入れられたインドの神々で、6本の腕や鳥の顔といった異形の姿で表されます。これらの像は、異形の中に少年の姿をかさね、清純な表現をつくりだしています。憂いや、瞑想、凝視など目の表現が印象的です。
五部浄 沙羯羅 迦楼羅 鳩槃荼 阿修羅 乾闥婆 緊那羅 畢婆迦羅
五部浄
(ごぶじょう)
沙羯羅
(さから)
迦楼羅
(かるら)
鳩槃荼
(くばんだ)
[4/19まで展示]
  阿修羅
  (あしゅら)
乾闥婆
(けんだつば)
緊那羅
(きんなら)
畢婆迦羅
(ひばから)
[4/19まで展示]
迦楼羅像
迦楼羅像(かるらぞう)
沙羯羅像
沙羯羅像(さからぞう)
 
国宝 十大弟子像 (じゅうだいでし)
奈良時代・天平6年(734)
奈良・興福寺蔵
 釈迦の主だった十人の弟子の像。若年、壮年、老年の相を、顔の皺、眼や口の形状などによって表現しています。そこには自信や強い意思、落ち着きや、悟りといったそれぞれの経歴に由来する内面性がみごとに表されています。
八部衆 八部衆
富楼那
(ふるな)
迦旃延
(かせんえん)
羅ご羅
(らごら)
[4/19まで展示]
舎利弗
(しゃりほつ)
目けん連
(もくけんれん)
  須菩提
  (すぼだい)
富楼那像
富楼那像
(ふるなぞう)
須菩提像
須菩提像
(すぼだいぞう)
 
興福寺創建と中金堂鎮壇具
 明治7年(1874)、中金堂基壇中から、創建時に地鎮のために埋納されたと考えられる金・銀・真珠・水晶・琥珀・瑠璃(ガラス)・瑪瑙などの七宝で作られた各種製品と銅鏡、刀剣など、1400点あまりの鎮壇具が出土しました。さらに、明治17年(1884)にも同じ場所から銀鋺、水晶玉など21点が出土しました。これほど大量の鎮壇具が出土するのは稀であり、いずれも優れた工芸品であることから国宝に指定されて、現在、前者は東京国立博物館に、後者は興福寺に収蔵されています。また、最近の中金堂の発掘調査でも、創建時の鎮壇具と考えられる遺物が出土しています。今回は、東京国立博物館所蔵品、興福寺所蔵品、最近の発掘調査での出土品を一堂に集め、中金堂創建にかかわる鎮壇具の全容が初めて明らかになります。
中金堂鎮壇具   国宝 中金堂鎮壇具(ちゅうこんどうちんだんぐ)
奈良時代(中国・唐時代)・8世紀
東京国立博物館蔵
中金堂再建と仏像
 享保2年(1717)の火災後、文政2年(1819)には仮金堂が建てられました。この堂は近年解体されましたが、昭和50年(1975)に講堂跡に再び建立された仮金堂には、本尊の釈如来坐像、薬王・薬上菩立像、四天王像が安置されています。現在、興福寺では平成22年に中金堂再建の立柱を予定しており、完成後に、いまは仮金堂安置の諸仏が移されることになっています。このうち釈を除く各像が展示されますが、いずれも興福寺の鎌倉復興期の作で、四天王像は運慶の父康慶の作です。このほか注目の出品作品として、焼失した西金堂の旧本尊釈迦如来像の頭部と、その光背に付けられた化仏、飛天などがあります。これらは最近見出された史料から、運慶の作と考えられるものです。
釈迦如来像頭部   重要文化財 釈迦如来像頭部(しゃかにょらいぞうとうぶ)
鎌倉時代・文治2年(1186)
奈良・興福寺蔵
薬上菩薩立像   薬王菩薩立像  
重要文化財 薬上菩薩立像
(やくじょうぼさつりゅうぞう)

鎌倉時代・建仁2年(1202)
奈良・興福寺蔵
  重要文化財 薬王菩薩立像
(やくおうぼさつりゅうぞう)

鎌倉時代・建仁2年(1202)
奈良・興福寺蔵
 
持国天立像   重要文化財 持国天立像(じこくてんりゅうぞう) (四天王のうち)
鎌倉時代・文治5年(1189)
奈良・興福寺蔵
VR製作過程の画像
バーチャルリアリティ映像で再現される阿修羅像(製作過程の画像)
VR映像で阿修羅像に迫る
バーチャルリアリティ(VR)映像上映

 本展では会場内にて、VR技術により、国宝・阿修羅像の姿を、三次元計測+超高精細撮影+色彩計測により余すことなくデジタル化し、阿修羅像をより深く理解できる映像を上映します。また、現存しない中金堂もVRにより再現し、再建に先駆けてその様子をご覧頂けます。復元が計画されている天平文化空間を一足先にVR映像としてよみがえらせます。

制 作:朝日新聞社、凸版印刷株式会社
総監修:法相宗大本山興福寺
監 修:金子啓明、鈴木嘉吉