本館 15室
2008年7月1日(火) ~ 2008年9月28日(日)
東京国立博物館が保管する琉球民俗資料は、明治17年(1884)に当時の農商務省が沖縄県から購入したものが基本となっています。また、明治15年(1882)にドイツ人類学会が研究用の参考資料として琉球の民俗資料の収集を農商務省に依頼してきており、当館にはドイツに資料を送られた後に東京へ送られてきたもの、複数ある資料の一方を東京に残しておいたものが移管されました。沖縄県では、第2次世界大戦により灰燼に帰した文化財も少なくないですが、それは民俗資料においても同様です。それ故当館が保管する民俗資料は現存するもっとも古いものの一部といえます。さらに、特筆しなければいけないのは、平成10年度に大和良子(やまとりょうこ)氏よりご寄贈いただいた奄美大島大和村のノロ(神女)関係資料です。 これは奄美方言研究者であった長田須磨(おさだすま)氏が大切に保管されていたもので、琉球文化を考える上で極めて重要な資料です。
きらびやかな金工品、あざやかな色が美しい染織品、さまざまな影響を受けてできあがった陶器類、中国からの影響を見ることができる漆工品、ノロが使っていたと思われる各種玉類など、琉球の工芸品の粋をご紹介いたします。