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本館リニューアル グランド・オープン分野別展示・企画展示 (本館1階・2階)

各展示室のテーマと概要

「やきものが大好き」「名刀をじっくり見たい」・・・。一つの分野の作品をじっくりたっぷり見たい方のために、1階と2階の一部では分野別の展示を展開します。

一つのテーマで数多くの作例を見たり、比較したりする。分野別展示ならではの見方、楽しみ方をご堪能ください。様々な角度からアプローチする特集陳列を交え、日本美術の奥の深さを味わっていただくギャラリーです。

11室 彫刻

日本の彫刻の歴史は、朝鮮半島から仏教が伝来し仏像が造られるようになった6世紀半ば頃まで遡ります。この展示室では、日本独自の木彫技法が全盛期を迎えた平安・鎌倉時代の仏像を中心に、日本彫刻史をご覧いただきます。

千手観音菩薩立像
重文 千手観音菩薩立像 湛慶作
鎌倉時代・13世紀 京都・妙法院蔵
  ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年11月28日)
国宝 四天王立像 広目天 平安時代・12世紀 京都・浄瑠璃寺蔵
重文 千手観音菩薩立像 湛慶作 鎌倉時代・13世紀 京都・妙法院蔵

12室 彫刻と金工

飛鳥から奈良時代の金銅仏や、平安から鎌倉時代にかけて流行した鏡像・懸仏など銅板にあらわされた仏像、さらに供養具・荘厳具・僧具・梵音具・密教法具など寺院で使われたさまざまな仏具を展示します。
    ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年11月28日)
重文 大日如来坐像 鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵
重文 金剛三昧耶五鈷鈴 平安時代・12世紀 東京・護国寺蔵

13室

陶磁 ―江戸と桃山の陶磁

華やかに飾ら れた江戸の陶磁と、独特の造形を誇る桃山の茶陶の二つに焦点を当てます。江戸の陶磁では、初期伊万里に始まり、古九谷様式や柿右衛門様式の色絵、金襴手や 鍋島など、多彩な展開をみせる肥前の磁器、さらに仁清・乾山などの名工を輩出した京焼を紹介。桃山の陶磁では、力強い造形と大胆な意匠による茶の湯の美学 をお楽しみいただきます。
一重口水指
重文 一重口水指 銘柴庵 信楽
安土桃山時代・16世紀 広田松繁氏寄贈
  ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2005年1月25日)
重文 色絵月梅図茶壺 仁清 江戸時代・17世紀
重文 一重口水指 銘柴庵 信楽 安土桃山時代・16世紀 広田松繁氏寄贈

漆工

表面のしっとりとした光沢、漆黒の背景に浮かびあがる金蒔絵の輝き、朱漆の鮮やかさなど、世界を魅了した日本の漆芸の美を紹介します。

御所車蒔絵硯箱
重文 御所車蒔絵硯箱
江戸時代・17世紀
  特集陳列「秋草の蒔絵」
秋の七草(萩・芒・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗)や菊など、秋の植物や風景をモチーフとする蒔絵作品を展示します。

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年12月5日)
菊枝蒔絵手箱 南北朝時代・14世紀
重文 御所車蒔絵硯箱 江戸時代・17世紀

刀剣

刀剣と刀装の歴史を概観します。刀身は平安から江戸時代までの太刀・刀・短刀など各種の刀剣を、刀装小道具は室町時代から江戸時代に至る鐔(つば)・小柄(こづか)・笄(こうがい)・目貫(めぬき)などを展示します。

    ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年12月5日)
国宝 太刀 三条宗近 平安時代・10~11世紀 渡邊誠一郎氏寄贈
重文 吉野龍田図大小揃金具 後藤一乗 江戸時代・19世紀 個人蔵

14室 工芸

工芸作品に様々な角度からアプローチする特集展示を展開します。

黄釉牡丹唐草文広口壺
重文 黄釉牡丹唐草文広口壺 瀬戸
鎌倉時代・14世紀
  特集陳列「中世陶磁」
無釉の大形雑器を焼く渥美・常滑や信楽(しがらき)・越前、中国陶磁を写した施釉陶を焼く瀬戸、須恵器(すえき)の伝統をひき、無釉の壺・甕(かめ)・鉢などを専門に作っていた珠洲・備前など、多様な広がりを見せる中世の陶磁を、時代と系譜を追って展示します。

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年12月5日)
重文 自然釉大壺 常滑 平安時代・12世紀 個人蔵
重文 黄釉牡丹唐草文広口壺 瀬戸 鎌倉時代・14世紀

15室 民族資料―アイヌ・琉球

日本列島の北辺で独特の文化を育んできたアイヌの祭祀具や暮らしの道具などと、中国や日本、朝鮮半島、東南アジアとの交易のなかで独自の文化をつくりあげた琉球王国の絵画、文書、暮らしの道具、古写真などを展示。日本列島の北と南で花開いたふたつの文化を紹介します。

    ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年11月28日)
煙草入 北海道アイヌ 19世紀 徳川頼貞氏寄贈
イクパスイ 北海道アイヌ 19世紀 徳川頼貞氏寄贈
 

16室 歴史資料

江戸時代の人びとが生活のなかで作り上げた文化の様々な姿を今に伝える資料をご紹介します。暮らしに関わる年中行事や娯楽、生け花や俳諧・茶道・歌道といった諸芸など、現代の暮らしの中にも息づく江戸の文化を探ります。

    特集陳列「田中幸穂氏寄贈 田中房種博物図譜資料」

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年10月11日)
群英類聚図譜 江戸時代・19世紀 田中幸穂氏寄贈
カサゴ 明治7年(1874) 田中幸穂氏寄贈
 

18室 近代美術―絵画・彫刻

日本の近代化、それは西欧文明を受け入れることでした。新しい技法を積極的に取り入れようとする人びとと、伝統を守る人びととがせめぎ合い刺激しあいながら、美術の革新がはかられていきました。日本美術の近代化の道筋を、絵画と彫刻作品によってたどります。

グレーの秋
グレーの秋 浅井忠筆
明治34年(1901)
  ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年10月11日)
出湯 小林古径筆 大正10年(1921)
グレーの秋 浅井忠筆 明治34年(1901)
 

19室 近代工芸

東京国立博物館は創立期から博覧会と密接な関係にあったため、明治6年(1873)のウィーン万国博覧会をはじめとする万国博覧会への出品作や、上野で行われた内国 勧業博覧会の出品作、帝室技芸員の制作による作品など、多くの近代工芸作品を所蔵しています。これらを中心に、優れた技巧によって生み出された近代工芸の粋を紹介します。

釉下彩烏柿図大瓶
釉下彩烏柿図大瓶 加藤友太郎作
明治時代・20世紀
  ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年11月28日)
釉下彩烏柿図大瓶 加藤友太郎作 明治時代・20世紀
七宝花蝶文瓶 並河靖之作 明治25年(1892)
 

20室 寄贈者顕彰室

東京国立博物 館の収蔵品は、主に寄贈品と購入品からなっています。明治5年(1872)の創立以来、3000人を超える方から数多くの優れた作品をご寄贈いただいてい ますが、これらの寄贈品は平常展や特別展において随時活用され、多くの来館者の皆様にお楽しみいただいています。リニューアルにあたって、本館1階の20 室を「寄贈者顕彰室」とし、寄贈者のご芳名を紹介して、ながくそのご厚志を顕彰するとともに、寄贈品の一部を展示することになりました。
この部屋にはゆったりとくつろげる椅子を配し、美術鑑賞の余韻を楽しむ憩いの場としてもご利用いただきます。

    ■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2005年4月3日)
山水図大花瓶 鈴木長吉作 大正元年(1912) 鈴木長吉氏寄贈
 

特別1室 企画展示

秋萩帖
国宝 秋萩帖 伝小野道風筆
平安時代・10~11世紀
  特集陳列「古筆を楽しむ」
平安時代から鎌倉中期ころまでの、主として歌集を書写した筆跡「古筆」の特集陳列です。文字 の造形、余白のとりかたなどを目で追って、筆者の美意識を味わい、書写された和歌などを楽しんでください。料紙はもちろん、冊子や巻物の紐や軸、収める箱 にまで行き届いた美意識、表装の美しさも見どころです。

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年10月24日)
重文 継色紙 伝小野道風筆 平安時代・11世紀
国宝 秋萩帖 伝小野道風筆 平安時代・10~11世紀
 

特別2室 企画展示

坪内老大人像画稿
坪内老大人像画稿 渡辺崋山筆
江戸時代・文政元年(1818) 岡野哲策氏寄贈
  特集陳列「肖像画」
江戸時代までの日本の肖像画は、没後に遺族や弟子が画家に描かせたものが一般的でした。描れ かた人物は時代によって変わっていきます。平安時代まではそのほとんどが僧侶ですが、鎌倉時代以降、貴族・天皇・武家・文化人も描かれるようになり、室町 時代末以降は女性やこどもの肖像も稀に作られています。江戸時代には俳人、戯作者、歌舞伎役者、浮世絵師など、肖像画に描かれる人もかなり広い範囲にわた るようになります。今回は江戸時代の俗人男性の肖像画を中心に、鎌倉時代から室町時代の作例を加えてご覧いただきます。

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年10月11日)
重文 後白河法皇像 鎌倉時代・13世紀 京都・妙法院蔵
坪内老大人像画稿 渡辺崋山筆 江戸時代・文政元年(1818) 岡野哲策氏寄贈
 

特別3室 企画展示(リニューアル当初は閉室)

特別4室 企画展示

銅鐸
国宝 銅鐸 伝香川県出土
弥生時代中期・紀元前2世紀~紀元前1世紀
  特集陳列「銅鐸の絵画」
弥生時代の銅鐸には、杵で臼を突く人物、高床式の建物、鹿や鳥などの動物が描かれています。弥生人の暮らしや神話、物語を今に伝えるこれらの絵画に焦点を当てた特集です。

■主な展示作品 (展示期間:2004年9月1日~2004年10月11日)
国宝 銅鐸 伝香川県出土 弥生時代中期・紀元前2世紀~紀元前1世紀
重文 銅鐸 兵庫県豊岡市気比出土 弥生時代中期・紀元前2世紀~紀元前1世紀


*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。