本館 特別1室
2012年5月22日(火) ~ 2012年6月24日(日)
古くより、書は繰り返し写されてきました。それは、経典、典籍や文学の普及のため、自身の書の修練のため、文化財保護のためなど、さまざまな目的がありました。書にとって、写すことは基本の作業です。写すことで、その書と真剣に向き合い、記憶に焼き付けることができます。書を写すことによって、あらたな創造が行われてきました。
書を写す手段はいろいろあります。臨書(りんしょ)、双鉤塡墨(そうこうてんぼく)、拓本(たくほん)などで写した書を、江戸時代には板本にして広く紹介しました。こうして写された書の中には、原本の失われているものも多く、模写自体が貴重となっています。今回は、さまざまな手段で写された書を、古いものから近代のものまでご紹介します。書と向き合ってきた人々の軌跡をお楽しみください。