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陶片の美

  • 『百間窯址出土陶片(肥前窯址出土陶片のうち) 伊万里 佐賀県武雄市山内町宮野出土 江戸時代・17世紀』の画像

    百間窯址出土陶片(肥前窯址出土陶片のうち) 伊万里 佐賀県武雄市山内町宮野出土 江戸時代・17世紀

    本館 14室
    2011年10月4日(火) ~ 2011年12月4日(日)

    陶磁器を製作するとき、焼成不良品や窯道具は窯場に廃棄されます。窯址出土の陶片は、産地や製作技法の解明に欠かせない研究資料です。実物に即した実証的な陶磁史研究は、窯址の調査とともに進展したと言っても過言ではありません。

    一方、陶磁器は化学的に安定しているため、土中に埋もれても当初の色や艶を保ちます。窯址出土品にはしばしば伝世品にみられない器形や文様、技法の陶片がみられますが、これらは時とともに忘れ去られていった「歴史の断片」といえるでしょう。

    東京国立博物館には数カ所の窯址出土陶片が収蔵されていますが、これまでまとまって公開される機会がありませんでした。今回は元杭州領事の米内山庸夫(よないやまつねお)氏によって採集された中国越州窯址(えっしゅうようし)出土陶片、南宋郊壇下官窯址(なんそうこうだんかかんようし)出土陶片、元京都市陶磁器試験所研究員の水町和三郎(みずまちわさぶろう)氏によって採集された肥前古窯址(ひぜんこようし)出土陶片、蜷川第一(にながわはじめ)氏らによって採集された御室仁清窯(址(おむろにんせいようし)出土陶片をご紹介いたします。陶磁器のかけらが語る歴史の実像に思いを馳せてください。
     

    担当研究員の一言

    小さな「せともののかけら」ですが、想像力をふくらませながら、楽しんでご覧になってください。/今井敦・横山梓

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
肥前窯址出土陶片 肥前窯 安土桃山~江戸時代・16~19世紀
御室窯址出土陶片 御室窯 江戸時代・17世紀 京都府京都市右京区御室竪町出土
越州窯址出土陶片 越州窯 中国 唐~北宋時代・9~10世紀 浙江省慈渓市上林湖畔越州窯址出土
南宋官窯址出土陶片 南宋官窯 中国 南宋時代・12~13世紀 浙江省杭州市郊壇下官窯址出土

 

関連事業

<ギャラリートーク>   肥前の古窯址出土陶片
本館 14室  2011年10月25日(火)   14:00 ~ 14:30   当日受付

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