タイの宝物がみたい

こんにちは、ユリノキちゃんです ![]()
毎日じめじめしたお天気が続いている上野に、湿気を吹き飛ばすようなすごい宝物がやってきたの。
「タイ ~仏の国の輝き~」
今年は、日本とタイの間に正式な国交が開かれてから130年目の年だから、タイから特別にとても大切な作品が日本にやって来ているのです。
ユリの大好きなキラキラしたものや、ちょっとびっくりするものもあるときいたので、来週のオープンを前に、準備まっただ中の平成館会場へGO!

「ユリちゃん、いらっしゃい」
こんにちは、特別展室の熊谷さん。ちょっと見せてもらっていいですか?
「大丈夫よ。あちらが入口ね。いってらっしゃーい」

はい!邪魔しないように行ってきまーす ![]()
あら、何かがらがらがらって大きな音がする。
石でできたタイの観音様のお像を展示するところだわ。


慎重に展示台に安置していきます。
無事、展示台に置かれました。重そうだったけど何キロくらいあるのかしら。

観音菩薩立像 アンコール時代 12世紀末~13世紀初
カンチャナブリー県ムアンシン遺跡出土 バンコク国立博物館蔵
よくみると、体にも足にも小さな仏様がたくさん彫られています。

日本の観音様とはなんだか雰囲気がちがう気がします。
こちらの部屋ではタイの刀剣の展示をするところです。
研究員の末兼さんが、点検しながらじっくりと刀をみています。

「うーん、刃文もないし、地金のようすもわからないなあ。でも、形からすると、日本製の刀身かな~。」
どうしてわかるんですか?
「刀の先に向かって反っているでしょ。日本でいうと、だいたい片手で使う刀の感じなんだよね」

なるほど!![]()
「もっと詳しくわかるように、今度CTの機械で撮影して調査するんだよ。そうすると、この柄の中にある部分がどうなっているかわかるかもしれないからね」
何かみつかるといいですね!
ところで末兼さん、この展覧会のおススメはどれですか?
「ユリちゃんなら、キラキラした金のものが好きでしょう?」
わーい大好きです![]()
「じゃあ、見に行こう!」
あら、これは!
ぞうさん!

金象 アユタヤー時代 15世紀初 アユタヤー県ワット・ラーチャプーラナ遺跡仏塔地下出土
チャオサームプラヤー国立博物館蔵
すごい!金と緑のきれいな石?ガラス?が入ってる。
「これ、耳が動くんだよ」

ええっ 何のために???
「それはわからないなあ(笑) 耳の付け根のところの穴から細い金の線を向こう側に通しているから、動かせるんだ。」
ぱたぱたするんですね!でも、動かすと危ないような。
それにしてもきれいねえ。うっとりしちゃうわ![]()
「緑色のものは、石のところとガラスのところがあるよ」
そうなんですね。いろいろ教えてくださってありがとうございます!

「まあ、本当の僕からのおススメはこちらの鏡なんだけどね」
?鏡?

(左)素文透入柄鏡 東部ジャワ様式(インドネシア) 15世紀
アユタヤー県ワット・ラーチャプーラナ遺跡仏塔地下出土
チャオサームプラヤー国立博物館蔵
(右)素文透入柄鏡 東部ジャワ様式(インドネシア) 15世紀 京都・妙法院蔵
「この二つの鏡は、インドネシアでつくられたものなんだけど、インドネシア以外の国に伝わっていたのはとっても珍しいんだよ。この二つしかない!右側の日本で大事にされてきた鏡は、豊臣秀吉が持っていたって言われているんだ。」

じゃあ、こっちの鏡にはもしかして豊臣秀吉が顔をうつしていたのかしら![]()
この他にも、小さな金の靴や王様の冠もあります。キラキラしたものいっぱいで、楽しい!

金靴 アユタヤー時代 15世紀初
アユタヤー県ワット・ラーチャプーラナ遺跡仏塔地下出土
チャオサームプラヤー国立博物館蔵

金冠 アユタヤー時代 15世紀初 アユタヤー県ワット・ラーチャプーラナ遺跡仏塔地下出土
チャオサームプラヤー国立博物館蔵
と、小さくてかわいらしいものもあるけど、今回見逃せないのは……
じゃじゃーん

ラーマ2世王作の大扉 ラタナコーシン時代 19世紀
バンコク都ワット・スタット仏堂伝来 バンコク国立博物館蔵
タイのお寺の扉です。タイではとても有名で、教科書にも載っているらしいです。
「この扉は王様が自分で彫って作ったんだよ。いろんな動物や植物、模様がびっしり彫られているよね。これ、大きな木から彫りだしていて、あとから飾りで付けたんじゃないんだよ。とてもしっかり彫られているよね」

同扉部分
と扉のお話しをしてくれたのは、タイの国立博物館の保存修復家のサネーさん。
この扉はとても大きいし、壊れやすいから運んでくるのが大変で、無事にここに置いて安心したんだって。

バンコク国立博物館保存修復担当のサネーさん。
この扉の展示スペースは、フォトスポットになります。
今回の展覧会は、タイのいろいろな時代のさまざまなスタイルのものがずらりと揃ってみることができる、貴重な機会で、多くの作品はあまり展示されたことのないものだそうです。
サネーさん、ありがとうございます![]()
「ユリちゃん、こちらの展示も見に来たら?」
特別展室の市元さん、何があるんですか?
「ほら、すごいでしょ」
あっ!

ぞ、ぞうさん!
上にのっているのは?

「王族の乗る象の鞍だよ。けっこう雰囲気でてるでしょ?」
タイの人は象にのって川を渡ることもあるのですね。
「そう。ここの展示はそういうイメージなんだ」
実際の展示がどうなるか、楽しみ♪
おおきな扉やぞうさんから、かわいい金の靴まで、そして、時代もタイ以前から19世紀のものまで、タイの「国宝」と言ってもいい貴重な作品が勢ぞろいします。
ぜひ、この夏は、「タイ」展でアジア気分を満喫してみてくださいね

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん、2017年度の特別展
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posted by ユリノキちゃん at 2017年07月01日 (土)