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140周年ありがとうブログ

仕事と職場の皆にありがとう

こんにちは。はじめまして。

保存修復課保存修復室の米倉と申します。
私は保存修理技術者として、収蔵品が今より少しでも傷まないように維持、保存してゆくためのお仕事をさせていただいております。
私が現在取り組んでいるものは、展示用書見台の製作です。
「それって修理や保存とは関係ないのでは?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが実は大切な仕事なのです。

展示中の収蔵品は結構過酷な状況に置かれています。
お客様に見やすく、美術的価値が損なわれないような状態で展示することは重要です。
しかし長期間となると、デリケートなものにとっては負担になることもあります。

そこで、収蔵品の受けるストレスを可能な限り軽減させるために、書見台などの展示装置が役に立ちます。
負担のかかる箇所を的確にサポートできるように1ミリ単位でサイズを計測して作製します。
お客様の鑑賞の妨げにならないように、デザインにも気を付けます。材料も収蔵品に直接触れても安全なものを使用します。


書見台製作中

これは我々保存修復課の活動のほんの一端ではありますが、このように「公開」と「保存」を両立させることは、博物館の中における私たちの仕事の重要な部分です。
私はトーハクでこの仕事をやらせていただいている事がとても幸せです。
やりがいを感じますし、何より皆と一緒に仕事ができる事に喜びを感じております。
そんな気持ちで仕事ができるのも、こんな私をいつも支えてくださる職場の皆さんのおかげです。
この場をお借りして「仕事と職場の皆にありがとう(ございます)!!」を言わせていただきたいです。

感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進してゆこうと思います。


東京国立博物館140周年特集陳列 大正元年 帝室技芸員からの寄贈品」の書籍のコーナー。
(2012年9月19日(水) ~ 2012年12月9日(日) 本館 18室・19室 にて展示中)
段差をつけた書見台を作り、折り帖を開いた状態でも頁と頁の接続部分に負担がかからないようにしている(手前)。
展示台が少し高いため、お客様に見えやすく、なおかつ作品が不安定にならない角度で書籍を立てられるように気を付けた(奥)。

カテゴリ:2012年10月

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posted by 米倉乙世(保存修復室) at 2012年10月09日 (火)