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能装束の華-唐織-

能装束の華-唐織- / 本館 9室   2006年8月29日(火) ~ 2006年10月29日(日)

  
唐織 金地松帆模様 江戸時代・18世紀

 能舞台を華やかに彩る唐織(からおり)は、主として女性を演じる際に着用する表着(うわぎ)のことですが、 もともとは織物の名称でした。室町時代末期に日本で織られるようになった唐織は、刺繍(ししゅう)のような風合い、ヴァリエーション豊かな模様表現が、中国にはない日本独特の織物です。それなのに「唐織」の意味は「中国風の織物」なのですから不思議です。一言に「唐織」といっても、時代によってさまざま。金糸のきらびやかさも最初からではなく、元禄文化とともに花開きました。模様と色が織り成す唐織の表現は、能舞台を幽玄(ゆうげん)に演出します。楊貴妃(ようきひ)のように高貴な身分の美女ならば、金糸や色とりどりの絹糸がかがやく牡丹(ぼたん)や鳳凰(ほうおう)といった吉祥(きっしょう)模様、少し年齢のいった母親のような役柄でしたら、紅色を抑えたしっとりとした秋草模様といったように、唐織のデザインは主人公の性格を象徴します。唐織はまさに、能という芸能がはぐくみ、江戸時代の卓越した織物技術によって発展を遂(と)げた日本が誇る伝統織物なのです。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
唐織 金地松帆模様 江戸時代・18世紀
厚板 紫地入子菱繋丸紋散模様 奈良・金春座伝来 江戸時代・17世紀