本館 14室
2024年7月17日(水) ~ 2024年9月1日(日)
二代平田郷陽は、1955年、重要無形文化財「衣裳人形」保持者(人間国宝)に認定された創作人形作家です。その父・初代平田郷陽は、日本の伝統的な製作技法を用いて極めて写実的に造形する「生人形」作りを職業とし、二代目郷陽自身もまた、生人形作家として作家人生を スタートしました。しかし、人形もまた絵画や彫刻と同様に芸術としての価値があるという思いから、「創作人形」を志すようになります。1936年、改組第1回帝展に入選し、その後、帝展、文展、日展などで活躍するようになりました。郷陽の創作人形は、伝統的な「衣裳人形」の形態を採用し、生人形制作で培われた確かな写実性に基づきながら、人々の生活や心情を情趣ゆたかに表現しています。
戦後は日本工芸会を中心に、創作人形の第一人者として活躍を続けました。伝統的な衣裳人形からの脱却を試み、抽象的なフォルムを持つ木目込人形へと向かう姿勢には、時代とともに変化する芸術の動向に向き合う、郷陽の姿勢が垣間見えます。
本展では、作風の変遷に合わせ4つのテーマで郷陽の創作人形の世界を紹介し、郷陽がリードしてきた創作人形における伝統と革新の一時代を紹介します。