東洋館 8室
2017年10月17日(火) ~ 2017年12月10日(日)
今年も、秋の中国美術の名品展として「中国書画精華」を開催します。わが国には古くから中国の書画が舶載され、日本美術にも大きな影響を与えてきました。特に、宋・元時代の書画は、鎌倉時代以降、禅宗とともに数多く伝えられ、書院や茶室において、日本の美意識にもとづく鑑賞法のもとに愛され、現在まで大切にされています。
また、狩野派を始めとする江戸時代の画家たちは、鎌倉・室町時代以来の価値観を継承しつつ、新たに伝わった明・清時代の絵画の図様や画法も積極的に学んでいきました。現在日本にある中国絵画には彼らの鑑定書や摸写を伴う作品も少なくありません。
そして明治時代以降、日中双方で近代化が進み、往来が盛んになる中で、中国で代々伝えらえてきた書画の名品が次々と日本にもたらされました。従来の日本の価値観に加えて、新たに中国本来のそれを知った近代日本の財界人・文化人は、中国から流出した作品を積極的に収集して、優れた書画コレクションを形成しました。中国の書画がどのように日本に伝えられ、影響を与えてきたのか、日本における受容と発展に注目しながら、その魅力をご紹介いたします。