宮廷の美術-平安~室町
重要文化財 日月山水図屛風(画像は右隻)
室町時代・16世紀
本館3室 3月1日(火)~4月10日(日)
桜や柳など美しい春の景と秋冬の景を対で描く屏風。金属板の日月にも注目。
茶の美術
色絵桜川文徳利
伊万里 江戸時代・17世紀 広田松繁氏寄贈
本館4室 3月15日(火)~6月5日(日)
器面を帯状に分割し、細枝に咲いた桜の花の図と毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)文などを交互に描いています。流れるような捻文を流水に見立て、「桜川」の名称で親しまれています。
屏風と襖絵-安土桃山~江戸
重要文化財 歌舞伎遊楽図屛風(画像は右隻)
筆者不詳 江戸時代・17世紀 文化庁蔵
本館7室 3月8日(火)~4月17日(日)
季節は春。満開の桜で華やぐ舞台上、歌舞伎草創期の役者たちが総踊りをし、老幼男女・僧侶・武士等が見物しています。カルタや双六で遊ぶ女性たちの遊楽図と一対の屏風で、季節も遊びも浮き浮き気分のようです。
源氏物語図屏風(絵合・胡蝶)(画像は左隻・胡蝶図)
狩野晴川院〈養信〉筆 江戸時代・19世紀
本館7室 3月8日(火)~4月17日(日)
金地に鮮やかな濃彩の画面に、満開の桜が白く輝く作品です。
暮らしの調度
色絵桜樹図皿
鍋島 江戸時代・18世紀
本館8室 1月26日(火)~4月17日(日)
桜の幹を皿の輪郭に沿わせ、縁から皿全体を覆うように枝が伸び、満開の桜を見上げるような贅沢な意匠です。そのデザイン性の高さに加え、染付の濃みや細密な上絵付けなど、ゆきとどいた装飾表現は鍋島ならではのものです。
瓢形酒入
船田一琴作 江戸時代・天保14年(1843)
本館8室 1月26日(火)~4月17日(日)
いかにも装剣金工らしい、精巧な技で飾られた酒入です。
書画の展開-安土桃山~江戸
桜下美人図
長沢芦雪筆 江戸時代・18世紀
本館8室 3月8日(火)~4月17日(日)
しだれ桜の下、豪華な装いの若い娘と侍女。生彩な目、精緻な髪の生え際、眉、着物の文様の入念な描写が秀逸。右袖前に舞い落ちる花びらを一片とらえ、右下に蝶3匹を舞わせて気品と動感を生んでいる。円山応挙門下の鬼才、芦雪の数少ない日本美人画の優品。
浮世絵と衣装-江戸(衣装)
打掛 紅綸子地御簾薬玉桜模様
江戸時代・18世紀
本館10室 3月8日(火)~4月24日(日)
鶴模様を織り出した綸子地を鮮やかな紅色に染めて、端午の節供に御簾にかける厄除けの薬玉をデザインした、吉祥模様の晴着です。満開の桜は実際には節供より少し季節がずれますが、華やかさをかもし出します。
浮世絵と衣装-江戸(浮世絵)
重要美術品 夜景内外の図
窪俊満筆 江戸時代・18世紀
本館10室 3月15日(火)~4月10日(日)
派手な色を嫌って墨色を基調に制作された「紅嫌(べにぎら)い」は、天明(1781~89)末から寛政(1789~1801)に流行した上品な浮世絵版画の表現。本図は「紅嫌い」によって夜を暗示し、提灯などの光が薄い色使いで夜桜の景を照らしています。
彫刻
重要文化財 如意輪観音菩薩坐像
平安時代・11世紀 奈良・西大寺蔵
本館11室 1月2日(土)~4月17日(日)
昨年、国の重要文化財にあらたに指定された、二臂(にひ、二本腕)の如意輪観音です。細かな彫刻がほどこされる一方で、表面に彩色しないこのような像を檀像(たんぞう)といいます。白檀(びゃくだん)でつくられるのが基本ですが、わが国に白檀は自生していないため、この像はサクラの木からつくられています。
陶磁
色絵桜樹図透鉢
仁阿弥道八作 「道八」銹絵銘 江戸時代・19世紀
本館13室 1月19日(火)~4月17日(日)
江戸後期の京焼の名工仁阿弥道八(にんなみどうはち)は、乾山(けんざん)焼に倣った作品も多く残し、この作品はその代表作のひとつ。鉢の内外に白泥と赤彩で満開の桜樹を表わし、巧みに配された透しとで、桜の空間を作り出しています。
近代の美術
嵐山春景
塩川文麟筆 明治6年(1873) 塩川文鱗氏寄贈
本館18室 2月23日(火)~4月10日(日)
文鱗は京都に生まれ、江戸時代末から明治初めに活躍し、近代京都画壇の基礎を築きました。霞立つ桜の嵐山を写生をもとにして外連味なく描いています。桜の名所嵐山の春の情景を文鱗はしばしば描いています。