本館 11室
2012年9月25日(火) ~ 2012年12月2日(日)
当館で展示している作品は、当館所蔵の館蔵品と外部のご所蔵者からお預かりしている寄託作品の二つに大きく分けられます。
江戸時代以前の日本彫刻の館蔵品は170件ほどです(法隆寺献納宝物を除く)。仏像、神像、肖像などいずれも寺院や神社に置かれ、信仰の対象となっているので館蔵品は多くはありません。そのため社寺からご所蔵の彫像をお預かりし、寄託品を加えることで展示を充実させています。
しかし、今回は開館140周年を記念して、館蔵の優れた作品13件(19躯)だけで展示を構成しました。これらの70%は明治時代に入手したもので、草創期の博物館が収集に努めた結果です。昭和20年以後当館が購入したのは2躯、ほかは画家・俳人として知られる川端龍子(かわばたりゅうし)氏から御寄贈いただいた1躯、文化庁からの管理換えが3躯です。
文化庁は文化財保護のため、当館より多くの予算を持って重要な作品の収集をしています。国立博物館が独立行政法人になる前、文化庁の下部組織であった頃は、東京・京都・奈良の国立博物館に文化庁が購入した作品が割り当てられました(管理換え)。博物館が国から切り離された現在、管理換えは行われていません。また、彫刻の名品は高額なため、購入し館蔵品を増やすことは難しくなっています。
今ある作品を研究し新たな情報を発信すること、特に照明など展示方法を工夫して今までよく見えなかった表情を出すことなどに努め、日本彫刻の魅力をお伝えしたいと考えています。