本館 特別2室
2011年10月25日(火) ~ 2011年12月4日(日)
江戸時代中期の天明2年(1782)、幕府のための作画、鑑定などの絵画業務を行っていた御用絵師に、新たな家が追加されました。「板谷家」です。やまと絵を得意とした絵師の家系としては、その始まりが15世紀前半までさかのぼる土佐派がよく知られていますが、江戸時代初期に土佐広通(ひろみち)(住吉如慶(すみよしじょけい))を初代として御用絵師住吉家が誕生し、ここからさらに板谷家が分立して現代まで存続しました。
東京国立博物館は平成21年度に、板谷家最後の当主である板谷廣起氏より、代々板谷家に伝来した絵画・歴史資料1万点あまりをご寄贈いただきました。一家に関わる膨大な絵画資料群は今まで世に公開されたことがなく、現在も分類整理を進めているところです。
今回の特集陳列ではこれまでの調査の中間報告として、当館が所蔵する板谷家と同時期の住吉家の本画、またこれに関連する板谷家伝来の絵画資料など28件をご紹介します。板谷家の総合的な研究はまだ始まったばかりですが、本展示をご覧いただき、これからの展開にご期待いただけましたら幸いです。