国宝 三宝絵詞 鎌倉時代・文永10年(1273)
本館 2室
2021年4月13日(火) ~ 2021年5月9日(日)
『三宝絵詞』は、三宝、つまり仏・法・僧について記した、上・中・下全3巻の仏教説話集です。永観2年(984)に、平安時代中期の学者で、詩や文章にすぐれた源為憲(みなもとのためのり)が編纂し、冷泉(れいぜい)天皇皇女で若く出家した尊子(たかこ)内親王に献呈しました。上巻は釈迦の過去世を伝える本生話(ほんじょうわ)、中巻は聖徳太子以下、日本の僧俗18人の徳行や逸話、下巻は仏教行事の解説と説話を記し、各巻に序をもちます。本書中には「有絵」との注記もあり本来は絵もあったと見られますが、現存はしません。
本書は、装訂に糸や紐を全く用いない粘葉装(でっちょうそう)と言われる形態の冊子本で、厚手の雁皮紙(がんぴし)を用い、両紙の表裏に書写されています。本文は、1ページに8行から10行分が漢字と仮名を交じえて書かれ、下巻の奥書から文永10年(1273)8月8日の書写と判明します。上巻末尾に1葉のみを欠く、ほぼ完本に近い形で、京都・教王護国寺(東寺)観智院に伝来しました。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 三宝絵詞 | 3冊 | 鎌倉時代・文永10年(1273) | B-3046 |