国宝 延喜式 巻一 平安時代・11世紀
本館 2室
2019年1月16日(水) ~ 2019年2月11日(月・祝)
7世紀後半に、中国の法律を学んで日本でも法律が施行されました。それを律令(りつりょう)といいます。律は刑法、令はそれ以外の基本法です。しかし、律令は日本の実情に合わない部分も多く、それを補うために作られた法を格(きゃく)といい、律・令・格を執行するために必要な細かな規則を式と呼びます。式は、平安時代の弘仁(こうにん)11年(820)、貞観(じょうがん)13年(871)、延長(えんちょう)5年(927)など、社会の変化に合わせてたびたび補われ、改められました。延喜(えんぎ)5年(905)、醍醐天皇(だいごてんのう)の命令により編纂を開始した式が延喜式です。弘仁式や貞観式は一部しか残っていませんが、延喜式はほぼ完全な形で伝えられています。しかし、原本は失われ、現存する最も古い写本が、当館所蔵の延喜式です。奈良・平安時代を通じて権勢を誇った藤原氏の一族である九条家(くじょうけ)に伝わりました。律令官制には太政官と神祇官の二官がありました。神祇官は天神地祇の祭祀を執行し、諸国の官社を総管し、その祝部の名帳と神戸の戸籍等を掌るなど、神祇行政全般を管掌した中央官庁です。延喜式では巻1から巻10がそれにあたり、神祇官について、運営に関する規則や先例をまとめたものを神祇式といいます。今回は冒頭の巻一を展示いたします。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 延喜式 巻一 | 1巻 | 平安時代・11世紀 | B-2370-1 |