重要文化財 埴輪 盛装女子
1階 日本の考古(盛装女子) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~
2022年12月18日(日)
1階の考古展示室では、考古資料で旧石器時代から江戸時代までの日本の歴史をたどります。縄文時代の土偶や、弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪など教科書でみたあの作品に出会えます。また、講演会やさまざまな催しのための講堂、およびガイダンスルームがあります。2階は特別展示専用の展示室です。
重要文化財 埴輪 盛装女子(部分)
群馬県伊勢崎市豊城町横塚出土
古墳時代・6世紀
1階 日本の考古(盛装女子) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月18日(日)
日本列島における、独自性の高い古墳文化を象徴する代表的造形として埴輪があります。埴輪のなかでも、女子埴輪の代表的な作品である盛装女子は、華やかに着飾り、全身を表現する女性として著名であり、本作品を考古展示室の導入部で展示します。
彫器 新潟県長岡市 荒屋遺跡出土 旧石器時代(後期)・前16000年 星野良氏寄贈
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
日本列島に人びとが住みついたのは、約4万年前のことです。これ以後、土器が作られるようになる約1万3千年前までを旧石器時代と呼んでいます。この時期はマンモスやナウマンゾウ、オオツノジカなどの大型哺乳類が生息する寒冷な氷河期で、日本列島はまだ大陸と陸続きでした。そして、当時の人びとは石器や骨角器などの道具を使って狩猟や採集を行い、移動しながら暮らしていました。ここでは後期旧石器時代から縄文時代草創期の代表的な石器の変遷をたどり、製作方法の変化もあわせて紹介します。
鉢形土器 茨城県稲敷市 福田貝塚出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
今から約1万3千年前に氷河期が終わると、温暖化が進み海面の上昇によって日本列島が誕生しました。自然環境の変化に合せて、狩りには弓矢が使われるようになり、土器が発明され、人びとは定住するようになりました。その後、約1万年にわたって続く新石器時代の幕開けです。一般的に新石器時代には農耕や牧畜が始まりますが、日本列島ではおもに、採集・漁撈・狩猟による暮らしが続けられていました。 この時代の土器は、粘土を器の形にして焼いた素焼きのもので、縄目を使った文様から縄文土器と名づけられ、その名にちなんで、この時代を縄文時代と呼んでいます。ここでは縄文時代に最も多く作られた道具の一つである縄文土器を紹介し、形や文様そして器の組み合わせの変遷をたどります。中期は東京都多喜窪遺跡第1号住居跡の一括資料、後期は茨城県、晩期は北海道の出土土器を中心に展示します。
甕 大阪市平野区瓜破出土 弥生時代(前期)・前4~前3世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
約2400年前、中国や朝鮮半島から水田稲作とともに青銅器や鉄器などの金属器が伝えられ、九州や四国そして本州に広まり、人びとは灌漑(かんがい)設備のある水田のそばにムラを作って暮らし始めました。農耕を生業とする弥生時代の始まりです。この時代の土器は弥生土器と呼ばれ、縄文土器と同じ素焼きの土器でも、焼き方が覆い焼きへ変わり、色は明るく薄く硬い特徴があります。また、農耕という生業の変化は煮炊き用の甕(かめ)・貯蔵用の壺・盛り付け用の高坏(たかつき)を基本とした用途別の器を生み出しました。ここでは農耕社会の土器である弥生土器を紹介し、前期は九州と近畿、中期は九州・関東・東北、後期は九州と近畿から出土した土器を中心に展示します。
重要文化財 三段式神仙鏡
群馬県前橋市 前橋天神山古墳出土 古墳時代・4世紀〔中国製・2~3世紀〕
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年6月7日(火) ~ 2022年12月4日(日)
日本列島における政治的社会の成熟は、弥生時代末頃に各地に出現した大規模な墳丘をもつ墳墓と、古墳時代初頭の大規模な前方後円墳の成立から知ることができます。このような転換期の動向を土師器の成立とその地域間交流、および三角縁神獣鏡の成立とその文様の多様性と変遷で展示します。今回は近畿地方の壺と一つの古墳に副葬された多様な鏡を象徴的に示すとともに、併せて前橋天神山古墳から出土した副葬品を展示します。
重要文化財 狩猟文鏡
伝群馬県高崎市八幡原町出土 古墳時代・4~5世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年6月7日(火) ~ 2022年12月4日(日)
古墳時代前期(3世紀後半から4世紀)には東北から九州地方まで大型前方後円墳が築かれ、各地の有力者が結びついたことがうかがえます。ヤマト(倭)王権は政治的・祭祀的権威を表象する宝器や儀器を自ら創り出し、国産の銅鏡や貝輪形の石製品・銅製品などを生産するようになります。これらは各地域の首長に配布されて、埋葬儀礼で用いられ副葬品として納められました。ここでは4世紀を中心とした王権の伸長を、宝器の分布からみてみます。
金銅製眉庇付冑
千葉県木更津市 祇園大塚山古墳出土 古墳時代・5世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年6月7日(火) ~ 2022年12月4日(日)
古墳時代中期には、畿内地方を中心に埴輪をめぐらした巨大な前方後円墳が築かれます。王権の権威を表象する器物も鉄製武器・武具や各種農工具に変化し、鉄器生産などが飛躍的に増大しました。ここでは、その日本列島独自の武具である帯金式甲冑など各種鉄製品、および新来の技術で製作され日本陶磁の源流となる初期須恵器を中心に展示します。
五鈴鏡
群馬県利根郡昭和村森下出土 古墳時代・5~6世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年6月7日(火) ~ 2022年12月4日(日)
古墳時代後期は群集墳が増加し、古墳を築造できる階層が大幅に拡大したことがうかがわれます。そして、馬具や装飾大刀などを中心に、金銅などの金属工芸の発達やデザインの日本列島(倭風)化が展開されました。追葬が可能な横穴式石室も普及し、須恵器を用いた葬送儀礼に転換します。
展示の後半では横穴式石室から出土した須恵器を一括で展示し、葬送儀礼の実態に迫ります。
海獣葡萄鏡
古墳(飛鳥)時代・7世紀 奈良県高取町 松山古墳出土
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年6月7日(火) ~ 2022年12月4日(日)
古墳時代終末期は前方後円墳の終焉後、畿内地方に集中する横口式石槨墳を中心に、寺院建築等の影響を受けた特異な終末期古墳が発達します。ここでは大阪府塚廻古墳出土を中心に古代東アジア文化の受容と他界観の急速な変容を示し、X線CT分析で鉄鏡の詳細な構造や文様が判明した奈良県松山古墳にも光を当てます。あわせて吉備地方に展開した独特な陶棺も展示し、この時期の多様な文化を紹介します。
重要文化財 骨蔵器
奈良県葛城市加守出土 奈良時代・8世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月21日(水) ~ 2023年3月12日(日)
この展示室では、仏教との関わりから律令国家の幕開けを概観します。6世紀半ばにわが国に伝来した仏教は律令社会や文化に大きな影響を与えたといえます。そのひとつに、天皇家や有力豪族に広まった火葬の風習があり、当館所蔵の火葬墓出土品を通じて葬制の変化を解説します。また、6世紀終わりに伝来した瓦は当初、主に寺院に葺(ふ)かれていましたが、藤原京の造営以降、宮廷や役所にも用いられるようになり、やがて聖武天皇の国分寺と国分尼寺建立の詔(みことのり)によって、全国に生産が展開しました。ここでは伝来当初の初期寺院出瓦から各国の国分寺出土瓦まで、その変遷を辿るように紹介します。
重要美術品 押出蔵王権現像
奈良県天川村 大峯山頂遺跡出土 平安時代・10~12世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月21日(水) ~ 2023年3月12日(日)
奈良時代の終わりから平安時代にかけて、山林で修行する僧によって広められた山岳信仰は、わが国の古代社会において独自の発展を遂げた信仰形態のひとつであり、やがて修験道へと展開していきます。本展示では、山岳信仰の代表的な霊場として著名な奈良県大峯山頂や栃木県日光男体山の山頂の出土品を展示し、山岳信仰で用いられた品の種類や使われ方などを紹介します。
重要文化財 青磁鉢
中国神奈川県鎌倉市大町1448番地出土 鎌倉時代・13~14世紀[製作:元時代・14世紀]
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月21日(水) ~ 2023年3月12日(日)
鎌倉時代から室町時代の武家の社会や文化を「この世」と「あの世」という2つのまとまりから概観します。「この世」では出土した輸入陶磁器や国産陶磁器の扱われ方を通じて武家社会の威信財に着目し、「あの世」では骨蔵器に用いられた国内外の陶磁器と武家の供養碑である板碑を展示して、当時の葬制や他界観を紹介します。特に板碑の展示においては、当時を復元するよう展示し、板碑に刻まれた銘文から葬制や造立された社会背景などを解説します。
金箔梅鉢紋軒丸瓦 東京都千代田区有楽町出土 江戸時代・17世紀
1階 日本の考古(通史展示) 考古展示室
2022年9月21日(水) ~ 2023年3月12日(日)
江戸時代、アジアでも有数の巨大都市に発展した江戸は、将軍の政務や居住の場である江戸城を中心に、大名や旗本、御家人などが居住する武家屋敷のほか、寺社、町屋、宿場町などが区割りされた複合都市だったといえます。本展示では、江戸の藩邸跡(大名屋敷跡)から出土した家紋入りの瓦、江戸城出土とされる鎮壇具と関連資料、さらに上野出土の市井の品々など、江戸から掘り出されたモノを紹介します。また江戸時代の通貨である金貨、銀貨、銅貨(銭)を展示し、江戸時代に流通した貨幣を解説します。
燕形銛頭 岩手県陸前高田市 中沢浜貝塚出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年 徳川頼貞氏寄贈
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
縄文時代になると食料獲得のために採集・漁撈(ぎょろう)・狩猟が活発に行われ、そのためのさまざまな道具が用いられました。代表的な石器としては、狩猟具である石鏃(せきぞく)、木工具である磨製石斧(ませいせきふ)や土掘り具である打製石斧(だせいせきふ)に加えて、粉食具である石皿(いしざら)や磨石(すりいし)などがあります。また、骨や角で作られた鏃(やじり)・銛頭(もりがしら)・ヤス状刺突具(やすじょうしとつぐ)・釣針(つりばり)などの漁撈具の発達も見られました。
硬玉製大珠 群馬県富岡市七日市出土 縄文時代(中期)・前3000~前2000年
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
縄文時代の人びとは、動物の骨や角、粘土や石など素材の特性を活かしてさまざまな装身具を作り身に着けました。これらの装身具は他者との違いを表わしたり、同じ集団であることを示す役割を果たし、ときに邪悪なものから身を守る役割も担いました。土偶などとともに縄文時代の代表的な祈りの道具として、石棒があります。石棒のような石で作られた儀礼の道具には、石刀や石剣に加え、独鈷石や御物石器などがあります。
重要文化財 遮光器土偶 宮城県大崎市田尻蕪栗字恵比須田出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
縄文時代の祈りの道具の代表として土偶があります。土偶の多くは妊娠した女性を表わした例が多く、子孫繁栄や豊饒を祈るために作られたと考えられています。また土偶とともに用いられた祈りの道具として土面や土版に加え、動物や植物などをかたどった土製品があります。このような土製品は縄文時代の人びとの精神世界を解明する手がかりとして重要なものです。
石包丁 大阪市平野区瓜破出土 弥生時代(中期)・前2~前1世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
弥生時代になると中国や朝鮮半島から稲作とともに、新たな道具作りの技術が伝来します。その代表例が、穂積具である石庖丁、木製農耕具を作るために用いられた太型蛤刃石斧(ふとがたはまぐりばせきふ )・柱状片刃石斧(ちゅうじょうかたばせきふ )・扁平片刃石斧(へんぺいかたばせきふ)などです。のちにこれらの道具の一部は鉄器で作られるようになり、生産活動は向上し、人びとの生活や社会を大きく変化させました。
馬鐸(舌共) 長崎県対馬市豊玉町佐保出土 弥生時代(後期)・1~3世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
弥生時代になると縄文時代以来の動物の骨や角そして石などで作られた装身具に加えて、青銅製の指輪や釧、ガラス製の勾玉や管玉、小玉や釧などの装身具が登場します。ガラス製の装身具の製作技術は、金属器の鋳造技術が基盤となりました。また青銅製の武器を模した磨製石剣や磨製石戈が新たに作られています。
重要文化财 銅戈鋳型 佐賀市久保泉町大字上和泉字櫟の木出土 弥生時代(中期)・前2~前1世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
弥生時代になると、まず朝鮮半島から北部九州へ青銅器や鉄器が伝えられ、前期末から中期初頭にはその生産がはじまり、ほどなく瀬戸内をへて近畿地方へも広がりをみせました。弥生時代前期(前4~前3世紀頃)に北部九州に出現した銅剣・銅矛・銅戈の青銅製の武器は、当初は朝鮮半島から伝来した細形の実用品でしたが、まもなく日本でも作られるようになり国産化が進みます。やがて大型で偏平な祭祀のための道具へと変化していきます。銅鐸は、ほとんどが近畿地方で発見されています。その起源は中国の銅鈴や朝鮮半島の小銅鐸にたどることができるといわれていますが、当初から銅鈴や小銅鐸よりも大きく、表面を文様で飾るなど日本独自の特徴をもちます。20センチメートル前後の大きさの「かね」として誕生した銅鐸は、徐々に大型化し、音を奏でることのない極めて装飾的なものへと変化します。これらの祭器は豊作や集落の繁栄を祈るために使われたものと考えられています。
魚形石器 出土地不詳 続縄文時代(前期)・前2~前1世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年9月6日(火) ~ 2023年3月5日(日)
寒冷な気候のために水田稲作が定着しなかった北海道では、本州・四国・九州が弥生時代や古墳時代に入ったのちも、漁撈・狩猟・採集を中心とする暮らしが続いていました。これを続縄文時代と呼んでいます。
続縄文時代には両刃や片刃の磨製石斧(ませいせきふ)の他に、海獣(かいじゅう)などの狩猟や解体に用いた石銛(いしもり)や石製ナイフなど多種多様な石器が用いられました。また、続縄文化に特徴的な石器としては魚形石器があり、これは疑似餌として使われたと考えられています。土器は、縄文時代に引き続き豊かな装飾をもつものが作られました。
横瓶
和歌山市 岩橋千塚古墳群出土
古墳時代・6世紀
谷口松太郎氏他3名寄贈
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
古墳時代中期(5世紀)に朝鮮半島から新しい窯業技術が伝えられ、日本列島で須恵器生産が始まりました。技術のみならず、その器形にも朝鮮半島の陶質土器に共通する特徴がみられ、須恵器の生産開始以後も、朝鮮半島との関係がうかがわれる須恵器がみられます。一方、日本列島での生産が各地で展開する中で、日本列島の独自の特徴も現れてきます。ここでは、須恵器の登場から奈良時代までの須恵器を展示し、技術と交流の歴史と、造形の多様性を示します。
重要文化財 画文帯同向式神獣鏡
大阪府和泉市 和泉黄金塚古墳出土
古墳時代・4世紀〔中国製・景初三年(239)在銘〕
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
弥生時代から古墳時代における暦年代研究の出発点となった紀年銘鏡と、古墳時代社会の特質をうかがわせる伝世論の根拠となった中国製古墳出土鏡を比較し、日本考古学における暦年代論の基準資料を展示します。
国宝 硬玉勾玉
奈良県天理市 東大寺山古墳出土 古墳時代・4世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
古墳時代装身具の代表である玉類には硬玉(ヒスイ)をはじめ、碧玉・水晶・瑪瑙・滑石・ガラス製などさまざまな材質があります。ここでは4~5世紀の玉を中心に、勾玉・管玉・小玉・棗玉で石材や種類の豊富さを展示します。
重要文化財 石製槽
東京都世田谷区 野毛大塚古墳出土
古墳時代・5世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
古墳時代には、軟らかく加工し易い石を用いて、実用品ではなく副葬するために作られた器物が登場します。この石製模造品の研究のきっかけとなったのが、当館で黎明期の日本考古学をリードした高橋健自です。この展示では、記念碑的な著作である『古墳發見石製模造器具の研究』(帝室博物館學報 第1冊)1919年 に掲載された石製模造品のうち、今まで公開の機会が少なかった作品を中心に紹介します。さびたり朽ちたりして残りにくい器具の模造品を通して、古墳時代の道具や生活を浮かび上がらせます。
蕨手刀
北海道恵庭市 柏木東遺跡(茂漁第11号墳)出土
擦文時代・8世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
柄の先端を蕨状にした鉄刀を蕨手刀と呼びます。北海道では擦文時代、東北地方から九州地方では飛鳥・奈良時代に相当する、7~8世紀、とりわけ北海道や東北地方の古墳や古墓の副葬品としての出土が目立ちます。蕨手刀が、律令国家の中心地である畿内とは異なる文化を持ち、北海道や東北地方に居住した蝦夷の人々の騎馬用武器としても使われたからでしょう。西日本でもまれに蕨手刀が出土しますが、律令国家との戦争に降伏し、俘囚となり強制移住させられた蝦夷の持ち物だったとする説があります。
金銅装眉庇付冑
福井県永平寺町 二本松山古墳出土
古墳時代・5世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
古墳時代の文化のイメージは古墳から出土した副葬品から形作られています。最初は、前・後の2期区分でしかなかった古墳文化に、中期が提唱されたのは、当館の考古学コレクションが基づいていました。その後、数多くの論争を経て、現在では古墳文化中期(中期古墳)のイメージがほぼ固まっています。この展示では、さまざまな論争を踏まえつつ、中期古墳のイメージとは何かを副葬品で示すことによって、考古学から「文化」を復原する意味について、問い直します。
鈴付f字形鏡板
山口県下関市 上ノ山古墳出土
古墳時代・6世紀
山口県豊西下村寄贈
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室
2022年6月14日(火) ~ 2022年12月11日(日)
古墳時代中期から後期(5~6世紀)には鈴の利用が流行し、縁に沿って鈴を連ねた様々な青銅製品が登場します。腕輪である鈴釧は様々な形状で製作され、鈴鏡は鏡自体の大きさに応じた数の鈴をもちます。馬具では、馬の顔に装着し馬を制御する轡や、馬の体を飾る杏葉に鈴が付けられました。これらの鈴付きの青銅製品は、金属の輝きで人々や馬のからだを飾るとともに、鈴の響きで人々や馬の動きを伝え、儀礼の効果や首長の威信を高める役割を担っていたのでしょう。
素文鏡
奈良県桜井市 山ノ神遺跡出土
古墳時代・4~5世紀
1階 日本の考古(テーマ展示) 考古展示室