平成館 企画展示室
2010年3月16日(火) ~ 2010年5月9日(日)
この特集陳列は、東京国立博物館所蔵コレクションの保存と修理に関する、当館の活動の一端を具体的に紹介す るもの です。展示は平成12年度から始まり、今年で10回目を迎えました。今回は、主に平成20年度に実施した修理作品のうち、絵画・書跡・工芸・考古・歴史資 料といったさまざまな分野から、技法や形態の点に特徴的な修理内容をもつ作品19件を選び、写真パネルや解説を添えて展示します。
博物館の使命は文化財の公開、そして未来に受け渡す恒久的な保存です。そのためには、展示室や収蔵庫の展示保存環境の整備はもとより、輸送や取り扱いの 方法の改善、安定した状態に復するための応急修理や本格修理の実施、さらに作品に使用された材料や技術の解明など多くの課題があります。私たちは、文化財 の公開と保存は次世代に伝えるために必要な両輪だと考え、日々その両立の実現に取り組んでいます。
この特集陳列を通じて、文化財の保存と修理に関する博物館の取り組み、そして修理内容に対する関心と理解が一層深まることを期待します。