平成館 企画展示室
2008年6月25日(水) ~ 2008年8月31日(日)
夏休み恒例の「親と子のギャラリー」として、今年は当館所蔵品の中から、魚や貝、蟹や亀など海や川で暮らす生き物をモチーフに用いた作品を集めてみました。
会場の奥でひときわ目を引く大きな魚がいます。実はこれは、江戸城の屋根に用いられていた銅製の鯱です。反対に小さいものには浅蜊や蜆の形をした江戸時 代の根付があります。また古いものでは縄文時代の貝形土製品や亀形土製品で、今からおよそ3千年~4千年前につくられたといわれています。こうした身近な 生き物を縄文人たちは何のためにつくったのでしょう。
展示されている魚たちは皿や鉢などの食器をはじめ、文房具、装身具、刀の鐔など様々な用途の品々にモチーフとして表されていますが、江戸時代には本物と 間違えてしまいそうな亀や蟹などの精巧な文鎮や水滴が盛んにつくられました。こうした置物は欧米で好まれ、その後明治時代にかけて盛んに輸出されました。 中国や朝鮮半島、タイやベトナムからやってきた魚たちもいます。
展示はケースを水槽に見立て、まるで水族館にいるかのように工夫しました。知っている魚は何匹いるか、使った人はどんな思いだったのかなど、水槽をながめながら、一つ一つの作品をゆっくりとご鑑賞ください。