東洋館 第3室
2005年7月12日(火) ~ 2005年10月2日(日)
青花(せいか)とは白磁の素地にコバルトを含んだ顔料を用いて絵付けする技法をいい、日本では染付(そめつけ)とも呼ばれます。中国の景徳鎮窯(けいとくちんよう)で元時代にさかんになり、ベトナムには陳朝(1225~1400)の末期ころに伝えられました。当初は中国の青花磁器に倣(なら)っていましたが、ほどなくベトナム独自の作風が打ち立てられ、15世紀から16世紀にかけてフィリピンやインドネシアなどに向けて大量に輸出されました。素地が純白ではなく柔らか味があり、青花の発色がやや鈍いのが特徴です。また筆遣(づか)いがたおやかで、文様構成に中国の青花磁器のような緊密さがないため、作風に親しみやすさが感じられます。特色あるベトナムの青花をこの機会にぜひご覧ください。
(2005年9月12日(月)~20日(火)は閉室いたします)